「若者の活字離れがはげしい」などという。ぼくはそのことに強烈な違和感を覚えるのだけど、繰り返し、そのようにいわれてきた。 さまざまな調査が行われ、もっともらしい裏付けが用意された。 が、その信憑性についての根拠は薄い。 メールやネットは基本的に活字メディアである。 活字離れどころか、むしろ活字依存度はますます高まっているんじゃないかと思う。 活字離れが顕著なのは、70年代からずっと「テレビ世代」といわれる40代〜50代のひとたちである。 彼らはネットについていけず、いまも暇なときはたいていテレビを見て過ごしている。 それでもマスコミや世間が騒ぐのは、本が売れなくなったからだ。 そして「本」というメディアが相対的に弱くなってきている実態を、「本を読まないからだ」といってみたり「日本人の教養が下がった」などと問題のすり替えをしているように思える。 「本が売れなくなった」というけど、一年間に発刊