学校教材の版元の営業マンや代理店は、年度替わりの時期になると、自社の次年度版教材の見本を片手に全国の学校に営業をかける。「ウチの来年の教材はこんな感じで、ここがウリなんですよ」。で、先生は、各社の営業マンが持ってきた見本を比較検討して、どれを授業で使うかを決定。その会社の教材を子どもの数だけ購入するのだが、採択されなかった版元から受け取った見本も先生の手元に残る。そして、熱心な先生は、授業で使っている教材のみならず、研究がてら見本にも結構目を通していたりする。 そんなせいか、教材の版元には、学校からたまにこんな電話がかかってくるそうだ。 「ウチの学校では他社の教材を買って授業をしているのですが、御社から見本としてもらった教材に載っていた、ある一遍(単元)を気に入りました。ついては、そのページのコピーを子どもに配って授業で使ってもいいでしょうか」 教育目的であれば多少著作権の取り扱いが甘くな