「U.S.A.」は「アメリカに憧れる」曲なのか? いまこの原稿を読みはじめている読者に、DA PUMPの「U.S.A.」を知らない日本人はいないだろう。いや、日本どころか、あの通称「いいねダンス」のインパクトも手伝って、この曲は文字通り世界へと広まった。わたしも現在住んでいるアメリカで、あの動作を真似ながら「U.S.A.」のメロディを口ずさむ外国人に遭遇して、何度ギョッとしたかわからない。 「U.S.A.」は、言うまでもなく、アメリカについての曲である。だが、この曲で歌われる「アメリカ」の意味は十分に理解されているとは言いがたく、「ダサかっこいい」と評されたその強烈なセンスに惑わされてか、多くのリスナーがこの曲を過小評価してしまっている。 たとえばポピュラー音楽研究者の増田聡は、アメリカを痛烈に批判するMVで同時期に話題となったチャイルディッシュ・ガンビーノの “This Is Ameri