タイガー・ジェット・シンは、日本で最も知られたインド人の一人である。トレードマークは頭に巻いたターバンと凶器のサーベルで、プロレスの世界では悪の限りを尽くすヒール(悪玉)として1970年代に名を馳せた。今月4日、筆者はシンの独占インタビューに成功。ラジオ日本で放送された『真夜中のハーリー&レイス』から、その様子を紹介したい。 とてつもなく凶暴な男 かつて、タイガー・ジェット・シンは、とてつもなく凶暴なレスラーであった。観客の目があろうとなかろうとお構いなし。新宿で買い物中のアントニオ猪木と乱闘を起こした事件はあまりに有名だし、カメラマンや記者にも容赦なく襲いかかってくることから「シンだけは本当に狂ってる」というのが関係者の共通認識だった。ところが、そんな男が今、慈善活動に力を注いでいるのだから、人生はわからない。今年2月には、在トロント日本国総領事から表彰されたニュースも伝わってきた。希代