著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。 米Video Game History Foundation(VGHF)は、ゲーム雑誌やアートブック、CDやソースコードに至るまで、ゲーム関連の資料を全世界からブラウザで閲覧できるデジタルライブラリのあらましを初公開しました。 あくまで「どのようなユーザーインターフェースか」「どんな資料を検索できるか」を紹介している段階です。過去2年間にわたって構築されてきたライブラリは、2024年内に公開される予定です。 VGHFは、ビデオゲーム歴史関連の資料をアーカイブ化して保存する非営利
中国アジアITライター 山谷 剛史 1976年生まれ、東京都出身。2002年より中国やアジア地域のITトレンドについて執筆。中国IT業界記事、中国流行記事、中国製品レビュー記事を主に執筆。著書に『中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか?』(星海社新書)『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立』(星海社新書)『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンククリエイティブ)など。 中国甘粛(カンシュク)省、シルクロードの観光地として知られる敦煌は、仏教壁画が描かれた492の洞窟からなる莫高窟と、砂漠の鳴沙山・月牙泉が有名だ。毎年5月から10月が観光の最盛期で、莫高窟はこの期間ほぼ毎日入場制限がかかるほど人気だ。 莫高窟の文化財の保護と研究のために設立された敦煌研究院では、英国国立図書館とも提携し、これまで30年以上かけてデジタル化が行われ、そのデータ量は
AI(人工知能)関連の政策を議論する政府の「AI戦略会議」は2023年11月7日、政府や公的機関が保有するデータを国内のAI開発企業に提供する枠組みを決めた。行政文書や法令などのほか、国立国会図書館が保有する蔵書データや国立研究所が蓄積した研究データなども開発企業の要望に応じて可能なものを提供する。 提供の条件や流れを取り決めたアクションプランの第1版を同日の会議で決めた。2023年内に開発企業から提供希望を受け付ける窓口を作り、2024年には提供を始める予定だ。まずはすぐに学習に利用しやすいデータとして、政府機関が公開している行政文書や法令、土地地図データ、特許情報などを提供する。国会図書館がデジタル化した書籍など収蔵データのうち、権利上の問題がないものも提供する方針だ。いずれもテキストデータなど学習に使いやすく、広く公開している文書である。 現状で公開や利用を制限している国立研究所のデ
表題の通りのことを実現できましたので、とりあえずこちらにてご報告です。 やや説明が難しいのですが、何ができるように/便利になったのかというと、 「SAT大蔵経DBのテキストをクリックするだけでそれに対応する宮内庁宋版一切經の行や東京大学嘉興蔵の行がそれぞれ拡大表示される」機能が追加された、というものです。(最近はシステムを他の人に作っていただくこともありますが、今回は表示システムの部分は全部自分で作っています) SAT大蔵経DBはこちらです。 そして、この位置合わせを行うにあたって、NDL古典籍OCRで生成したテキストデータが非常に役立った、ということなのです。 例として、以下のURLで表示可能な経典を用いてみます。 21dzk.l.u-tokyo.ac.jp 先に具体的な使い方をご説明しますと、今回、下記のところに新たにチェックボックスが2つ追加されました。 たとえば、上記のように「宮内
3/15(金)、一橋講堂(千代田区一ツ橋)にて、DHの国際シンポジウム「ビッグデータ時代の文学研究と研究基盤」が開催されます。そこで基調講演をしてくださるTed Underwood先生は、ビッグデータ時代の文学研究に正面から取り組む英文学者として活躍しておられ、2019年、その成果として「Distant Horizons: Digital Evidence and Literary Change」をシカゴ大学出版局から刊行されました。この本の序文は、大変興味深いものであり、膨大なデジタルテキストをにどのように取り組めばよいのか、そして、それによって、人がただ読むだけではうまく見えてこなかった文学の様々な側面、特に文学史やジャンルがどのようにして見えるようになるのか、ということについて、ラディカルな議論と一つの解決の方向性を提示しておられます。本の全体としてはその具体的な方法も示されています
宮古毎日新聞を含めた地元新聞2紙の過去紙面を自治体がデジタルアーカイブ化し検策システムを導入することについて、市教育委員会は「地元発行新聞は歴史的価値を持つ郷土資料」との認識を示し、導入を前向きに検討する考えを示した。15日に行われた開会中の市議会(平良敏夫議長)12月定例会一般質問で、山下誠氏の質問に天久珠江生涯学習部長が答えた。 池城健氏も既存2紙だけでなく、過去に廃刊した20社を超える地元紙の紙面についても同様なシステム構築を求めた。 山下氏は「先日行われた過去に宮古で発刊された紙面が見られる新聞展は大盛況だった。このデジタルアーカイブ化と検索システムについて石垣市ではすでに一括交付金を活用して導入している。いろいろな面でデジタル化が進む中で市長部局も含めて話を進めてほしい」と求めた。 天久生涯学習部長は「当時の地域情勢を報じてきた地元紙の紙面を継続して未来に伝えていくためにも、長期
人文学研究でデジタル変革(DX)が広がってきた。古文書や史料をデジタルデータ化し人工知能(AI)に学習させたり、オープン化して異分野の研究者を巻き込んだりする試みだ。市民や出版社などの力を借りて取り組みを進めている。国立国会図書館では、AIが古文書の読解を支援するサービスの実装が進む。人文学DXは研究の幅を広げ、地域や教育とのつながりを生み出しつつある。(小寺貴之) AI翻刻、くずし字読解支援 「翻刻は地震史料から始まり、その対象は料理本や仏典、医療や健康法など多様な古文書に広がった」と国立歴史民俗博物館の橋本雄太准教授は目を細める。東京大学地震研究所や京都大学古地震研究会と「みんなで翻刻」プロジェクトを進めてきた。 みんなで翻刻は古文書のくずし字を現代文字に直すプロジェクトだ。これまでボランティアで8500人以上が参加し、今も約2940人が活動する。2930万字以上を翻刻してきた。誰かが
2023年7月12日に、国立国会図書館(NDL)が、OCR処理プログラム「NDLOCR」のver.2を、NDLラボ公式GitHubで公開しました。 NDLOCRは、NDLがデジタル化した資料から、全文テキストデータを作成することを目的に開発したものです。 2023年4月に公開したver.1が、全文検索用途が主目的の開発であるのに対し、ver.2は、視覚障害者等の読み上げ用途にも利用できるよう、読み上げ順序の推定等の機能の追加や文字認識性能の改善を行っています。 また、ver.2には、2022年度にNDLが外部委託して開発したver.2.0と、2023年4月~6月にNDLが改善作業を実施したver.2.1があります。 NDLOCR ver.2の公開について(NDLラボ, 2023/7/12) https://lab.ndl.go.jp/news/2023/2023-07-12/ NDLOCR
2023年07月12日 NDLラボ公式GitHubから、OCR処理プログラム「NDLOCR」のver.2を公開しました。 NDLOCRは、国立国会図書館(以下「当館」といいます。)がデジタル化した資料から、全文テキストデータを作成することを目的に開発したものです。 令和4年4月に公開したver.1が全文検索用途を主目的に開発したもの(令和3年度OCR処理プログラム開発事業参照)であるのに対して、ver.2では、視覚障害者等の読み上げ用途にも利用できるよう、機能の追加及び認識性能の改善を行っています。 ver.1からの追加機能として、①出力テキストデータの読み上げ順序の推定機能、②漢字の読み方の付与機能、③読み上げ上不要な要素(柱・ノンブル)の除去機能、④広告領域内の文字の読み取り機能を有しています。 合わせて、当館が今後デジタル化及びテキスト化をする資料の出版年代を考慮し、特に1960年代
2024年6月13日、国立大学図書館協会が、第59回国立大学図書館協会賞受賞者を発表しました。 国立大学図書館協会賞は、会員館に所属する者で図書館活動及び図書館・情報学研究に顕著な業績を上げた者(個人及びグループ)に授与されます。 受賞者と件名は以下のとおりです。 ・東京大学附属図書館デジタルアーカイブ活用に関する勉強会(通称:裏源氏勉強会) 「デジタル源氏物語:研究者との連携による「源氏物語」研究プラットフォームの構築」 ・東京外国語大学総務企画部学術情報課専門職員 布野真秀氏 「著者記号管理システムの開発」 ・東京学芸大学附属図書館(Möbius Open Library ラボ) 「学芸大デジタル書架ギャラリーの構築と展開」 ・神戸大学附属図書館チャットレファレンスチーム 「神戸大学附属図書館におけるチャットによるオンラインレファレンスの取り組み」 お知らせ(国立大学図書館協会) ht
日本古典籍を身近にする「国書データベース」 国文学研究資料館・片岡真(かたおかしん)、飯沼邦恵(いいぬまくにえ) 2023年3月1日、国文学研究資料館は「国書データベース」を公開した。国内外の機関や個人が所蔵する、江戸時代以前の日本の書籍(古典籍)を中心とした資料の書誌情報と全冊デジタル画像を無料で公開する総合データベースである。収録されているのは、約580の機関・個人が所蔵する資料の書誌80万件と、うち約200の機関・個人が所蔵する資料22万5,000点のデジタル画像であり、画像データの撮影枚数は2,400万枚である(2023年4月末日現在)。あらゆる分野の日本の古典籍を収録対象としている。 ●概要 1963年の刊行以来、古典籍を調査する研究者を中心に長く愛用されてきた『国書総目録』(岩波書店)は、国内で所蔵される日本の古典籍に関する大規模調査の成果として生み出された画期的な目録であった
国立国会図書館デジタルコレクションを利用した主題書誌 はじめに近代日本の官庁の歴史はすでに150余年を経過し、その間に、幾度もの変遷を重ねて今日に至っています。官庁機構の変遷およびそこに所属してきた職員(戦前は官吏・軍人、戦後は公務員)の異動を把握するためには、官庁の職員録がもっとも基本的な資料です。 当館は、所蔵する明治元年から昭和22年まで(太政官制度時代から内務省解体まで)の期間に刊行された各種の職員録について、『官員録・職員録目録 : 明治元年~昭和22年 国立国会図書館所蔵』 国立国会図書館参考書誌部 編 1985年7月 を刊行しました。現在では、当目録に掲載されている資料の多くが国立国会図書館デジタルコレクションで利用できるようになりました。 このページは、当目録の掲載資料を基本とし、さらにその後に受入れた資料やその一部に官吏・公務員の氏名情報が掲載されている資料を追加して、国
A study identified more than two million articles that did not appear in a major digital archive, despite having an active DOI.Credit: Anna Berkut/Alamy More than one-quarter of scholarly articles are not being properly archived and preserved, a study of more than seven million digital publications suggests. The findings, published in the Journal of Librarianship and Scholarly Communication on 24
デジタルアーカイブのコンテンツを活用した教材作りに取り組む大阪府泉大津市の小学校教員ら。大井将生・人間文化研究機構特任准教授(右から3人目)が指導した=泉大津市立楠小学校で2023年11月24日、川平愛撮影 古文書や昔の地図、絵などを学校の教材として活用する試みが広がっている。「デジタル化の時代になぜわざわざ古いものを?」「どんなメリットがあるのか」――。こんな疑問に対する答えにつながるのは、「GIGAスクール構想」と「探究学習」という二つのキーワードだ。 大阪府泉大津市立楠(くすのき)小学校の教室で昨年11月下旬、同校教員23人が盛んに意見を交わしていた。 「この古い地図とグーグルマップを比べたら、子供たちに分かりやすいのでは」「写真はあとから見せた方がいい」 手元にはタブレット端末。国立国会図書館が運営する資料・文献検索サイト「ジャパンサーチ」などを使って、国内の図書館や博物館といった
2024年3月1日に開催されたデジタルアーカイブ戦略懇談会(第1回)の配布資料が、内閣府のウェブサイトで公開されています。 配布資料「「デジタルアーカイブ戦略懇談会」及び「デジタルアーカイブ推進に関する検討会」の開催について」によると、デジタルアーカイブ戦略懇談会は、デジタルアーカイブが日常に溶け込んだ豊かな創造的社会の実現を目指し、ジャパンサーチを基軸としつつ、各アーカイブ機関等におけるデジタルアーカイブの拡充・利活用のより一層の促進及び、アーカイブ化された多様なコンテンツ資産のフル活用による新たな価値創造の活性化の推進を目的とした情報共有・意見交換を行うために開催されるものです。また、具体的な課題を検討する会議体として、デジタルアーカイブ推進に関する検討会も設置されています。 そのほか、配布資料として「デジタルアーカイブ推進のこれまでの取組と今後の進め方について(案)」、「デジタルアー
「これからの地域資料データの継承・共有を考える」<報告> 山形大学附属博物館・佐藤琴(さとうこと) 2024年3月29日、山形大学附属博物館と合同会社AMANEの主催により、学術シンポジウム「これからの地域資料データの継承・共有を考える~地域や組織を横断した資料データ共有の仕組みの実現を目指して~」をハイブリット形式で開催した。筆者は2023年度国立情報学研究所「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」のユースケース募集に対し、「地域資料データの継承とオープン化を目指した地域横断型データ共有基盤の構築」を提案し採択された。今回のシンポジウムでは、本事業の共同研究者が登壇し2年にわたる事業の中間報告を行い、計49人の参加があった。本稿では、その概要を紹介する。 ●事業の趣旨説明/堀井洋(合同会社AMANE) 地域資料の保存継承のためにデジタル化は必要性が認識されつつも進行が鈍い
きっかけは、やっぱりコロナ禍です。 「この難局で、突然不如意だらけで、そこで”今まで通りのこと”を無理くりやろうとすると、そりゃ手詰まりだらけで呪いたくなる。それよりも、いまこの環境下でしかできないような”新しいこと”を考案して取り組むほうが、またとないチャンスで違うステージに行けるし、結果コスパいいのでは」 https://twitter.com/egamiday/status/1249794668851675136 コロナ禍発生直後、2020年4月に考えていたことのツイートです。 そう考えるようになったのも、以前からお世話になっていたあるアメリカのライブラリアンのあるMLへの投稿に感銘を受けたから、でした。教員や学生が混乱を極め何もできそうにないと言う中、彼女はライブラリアンとして、あれができる、これならできる、新しいものを眈々と探しては手控えておいて、時機が来ればそれを出す。「特に心
日時 : 11月18日(土)13:00-18:30 会場:東京ビッグサイト会議棟 6階 参加費無料・要参加申込 【参加申し込みフォーム】 デジタル・ヒューマニティーズ(DH)が国際的な潮流となって20年が経とうとしています。日本でも、多くの大学や研究機関がDH研究をすでに始めていますが、将来に向けてDH研究を持続的に拡大していくには、人文学のためのデジタル研究基盤が不可欠です。また、研究機関・研究者の連携を進め、人材育成を行っていくことも求められています。そこで、欧州全体の人文学のデジタル研究基盤として世界の最先端を切り開くDARIAH- EU(※)において、リーダーを務める Toma Tasovac氏の来日講演会を企画しました。またこれを機会に、日本におけるDHおよびそれを支える研究基盤の最新動向も把握できるよう、日本の研究教育機関やグループによるポスター・デモ展示も行います。世界と日本
「鳥取県立鳥取西高等学校デジタルコレクション」の公開 鳥取県立鳥取西高等学校同窓会事務局・蔵多敏夫(くらたとしお) 2023年10月19日、「鳥取西高等学校創立150周年記念事業」の一環として、同事業実行委員会がウェブサイト「鳥取西高等学校デジタルコレクション」(以下「鳥取西高デジタルコレクション」)を公開した。鳥取県立鳥取西高等学校(以下「鳥取西高」)は、1873(明治6)年10月28日、「第四大学区第十五番変則中学校」として、鳥取藩校「尚徳館」の精神を受け継ぐと共に、洋学修学を独自の目標として発足した。戦前、変則中学校から移行した鳥取第一中学校(以下「一中」)に隣接して、1888(明治21)年鳥取県立高等女学校(以下「高女」)が開校した。戦後、鳥取第一高等学校(旧一中)、鳥取第三高等学校(旧高女)、鳥取商業高等学校が統合され、鳥取西高となった。2023年度現在、生徒842人、教職員90
2024年3月29日、千葉県大網白里市の考古・歴史・民俗・美術等の資料をインターネット上で公開している大網白里市デジタル博物館が、博物館法上に位置付けされた「登録博物館」として、千葉県教育委員会の認定を受けました。 常設の展示施設を持たず、インターネットを中心に資料を公開している機関としては、全国初の事例です。 大網白里市デジタル博物館の登録博物館認定について【全国初の事例!】(大網白里市, 2024/4/23) https://www.city.oamishirasato.lg.jp/0000013656.html 大網白里市デジタル博物館(ADEAC) https://adeac.jp/oamishirasato-city/top/ 参考: saveMLAK、「Editathon-博物館基本情報更新2023」を実施中 [2023年03月23日] https://current.ndl.
「「デジタルアーカイブ活動」のためのガイドライン」の思想 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館・後藤真(ごとうまこと) 2023年9月、デジタルアーカイブジャパン推進委員会実務者検討委員会(以下「委員会」)が「「デジタルアーカイブ活動」のためのガイドライン」(以下「新ガイドライン」)を公開した。あわせて、デジタルアーカイブアセスメントツール(ver. 3.0)、用語集、よくある質問、標準・マニュアル・手引き等、事例集も公開している。このガイドラインは、2017年4月に公開された「デジタルアーカイブの構築・共有・活用ガイドライン」(以下「旧ガイドライン」)の後継として議論・作成されたものであり、2023年段階における「デジタルアーカイブ活動」の目指すべきあり方を示すものである。その内容や全体像については、容易に掴めるものも存在するので、ここでは多くを触れず、公開までの議論の経過や背景、大きな狙
メタデータ流通ガイドラインの取組 電子情報部電子情報サービス課・牛尾響(うしおひびき)、當舍夕希子(とうしゃゆきこ) データベースのメタデータ設計に関わる担当者がメタデータの項目・流通経路を検討するためのツールとして、2022年3月にメタデータ流通ガイドライン(以下「ガイドライン」)の「共通編」を公開した。その後も資料種別編として2023年3月に「研究データ編」、6月に「古典籍編」を公開している。本稿では、ガイドラインの作成背景と特徴を紹介する。 近年、図書館や学術機関の扱う情報資源は多様性を増し、その記述に用いられるメタデータスキーマ(メタデータ記述規則。以下「スキーマ」)や、情報資源が公開されるデータベースもまた多様化している。そうした中で、情報資源をより広く利用者に届けるためには、持続可能なかたちでメタデータを流通させ、発見されやすい状態にしなければならない。そのためには、メタデータ
2023年8月31日、九州大学データ駆動イノベーション推進本部研究データ管理支援部門が、教材「はじめよう、研究データ管理」を公開したと発表しました。 研究データ管理について知りたい大学院生や研究者、研究データ管理をサポートするスタッフを対象として、研究データ管理の方針決定、研究データ整理法、研究データの保存・公開など、研究データ管理を始めるために必要な基本知識について説明したものです。 教材「はじめよう、研究データ管理」を公開しました(九州大学, 2023/8/31) https://rds.dx.kyushu-u.ac.jp/news/1104 <教材>はじめよう、研究データ管理 https://doi.org/10.15017/6796147 参考: 九州大学、「九州大学研究データ管理・公開ポリシー」を策定 [2023年05月16日] https://current.ndl.go.jp
全国にある国宝や重要文化財に指定された656か所の建物が、大雨による浸水や土砂災害のリスクが高い区域にあることが、GIS=地理情報システムという技術を使った奈良文化財研究所の独自の調査でわかりました。 このうち、奈良県内では37か所の建物が該当し、調査を行った研究員は「文化財はこれまで火災対策の優先度が高かったが、水害への対策も必要だ」と指摘しています。 近年、地球温暖化などの影響で集中豪雨の頻度が増加していて、文化財の建物についても浸水や土砂崩れでの倒壊など被害が相次いでいます。 これを受けて、奈良文化財研究所の高田祐一主任研究員が、GIS=地理情報システムを使って、▼文化庁のデータベースに登録された2585か所の国宝と重要文化財の建物の位置情報と、▼国土交通省が提供する全国のハザードマップを重ねて、独自に調査しました。 その結果、全国で656か所の建物が、土砂災害警戒区域か浸水想定区域
「デジタルアーカイブジャパン・アワード」の受賞者が発表され、2023年8月25日に、内閣府知的財産戦略推進事務局と国立国会図書館(NDL)との主催により開催された「デジタルアーカイブフェス2023-ジャパンサーチ・デイ-」において、授賞式が行われました。 同アワードは、デジタルアーカイブの拡充・利活用促進に取り組むアーカイブ機関やつなぎ役、活用者といった利害関係者を顕彰し、デジタルアーカイブが日常に溶け込んだ豊かな創造的社会を実現することを目指しています。「ジャパンサーチ・アクションプラン2021-2025」に記載のある活動(アクション)で、ジャパンサーチの連携機関又は活用者によるものを対象としたとあります。 2023年は以下の6つの団体・機関が受賞しています。(( )内は対象となったデジタルアーカイブ名です。) ・北海道庁(北海道デジタルミュージアム) ・縄文遺跡群世界遺産本部(JOMO
読書のまち・愛荘町でMLAの未来を考える<報告> 愛荘町立秦荘図書館・愛知川図書館・三浦寛二(みうらかんじ) 2023年7月31日、愛荘町立愛知川図書館(滋賀県)でイベント「読書のまち・愛荘町でMLAの未来を考える 新たなデジタルの時代と図書館」を開催した。本稿では開催に至る経緯とその内容、今後の課題について報告する。 ●愛荘町の概要とイベント開催まで 滋賀県の湖東地域に位置する愛荘町は、人口およそ2万1,000人の町である。本に触れる機会を増やし、まちじゅうで読書を楽しむことを目的として、2009年には町議会が「愛荘町まちじゅう読書の宣言」を議決した。町内には秦荘図書館、愛知川図書館の2館があり、近年では町立図書館で採用した学校司書を学校図書館に配置するなど、子ども読書活動の推進に取り組んでいる。 当館はかねてより地域資料の収集にも力を入れており、古写真や自治会の広報誌、町内企業の製品な
東日本大震災に関する各地の写真や動画をインターネット上で保存、公開する「デジタルアーカイブ」について、主に自治体が運営する15団体のうち4団体が、既に公開をやめたり、閉鎖を予定していたりすることが分かった。公開を継続する11団体のうち7団体も「存続に不安を感じる」と回答。震災から12年半以上が経過し、運用を担う人材や維持費の確保が課題となっている。 2011年3月の震災は、災害アーカイブが広がった契機と言われる。熊本地震など以降の災害でも構築され、岩手県宮古市では23年に新設。地域に根ざした活用が進む。専門家は閉鎖や停止の要因について、国の補助金が多かった時期に大規模なものを作り、維持費がかさんだと分析する。
皓星社と㈱アスクープ(横浜)はさきごろ、共同で一般社団法人CJL(Connective Job and Life)を設立した。4月以降、中小の図書館や資料館向けにデータベース構築のツールやノウハウを廉価に提供し、デジタルアーカイブ事業の裾野を広げていく計画だ。CJLの代表理事は野荻聡氏(アスクープ)、理事は藤巻修一氏(皓星社)。 皓星社は雑誌記事の索引データベース「ざっさくプラス」の運営などを通じ、資料をスキャンするネットワークやデータベース構築のための様々なアプリケーションを開発してきた。 こうした資源を、技術協力するアスクープと共同で、所蔵資料のデータベース化に資金的・技術的なハードルを感じている中小図書館・資料館の課題解決に提供する。資金調達のコンサルティングから、データベースの構築・発信までワンストップでサポートする。 団体属性を一般社団法人にしたのは、営利目的でないことを明確化す
UPDATE 2024/02/27:『ガイドブック』改訂版(ver1.2)を公開、付属資料の一部を改訂 2024/02/08:『ガイドブック』『ファーストステップガイド』改訂版(ver1.1)を公開 2024/01/31:『ガイドブック』『ファーストステップガイド』正式版(ver.1-0)を公開
コロナ禍で大きく加速したDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れのなか、2022年に改正された博物館法では「博物館資料に係る電磁的記録を作成し、公開すること」という項目が追加され、国内の文化的基盤を支えるミュージアムにおいても、デジタルアーカイブに対する注目度はますます高まってきている。 皇室に代々受け継がれ国に寄贈された絵画・書・工芸品などをはじめとして、約9,800点の美術品類を収蔵する「三の丸尚蔵館」(※)。同館は近年、国内でもまだ珍しい事例として、自館で開催された展覧会の図録をデジタル化し、ウェブサイト上での公開を始めた。同館学芸室研究員の三島大暉氏に、同館におけるデジタル資料の構築と保存、活用の具体的手法や、これからの課題についてご寄稿いただいた。(artscape編集部) ※現在は一時休館中。宮内庁から独立行政法人国立文化財機構への移管に伴い「皇居三の丸尚蔵館」に改称のう
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