11月の大統領選で政権奪還を目指す民主党のバイデンにより、初の”黒人女性”副大統領候補に指名されたカマラ・ハリス上院議員。地方検事から国政に転じた王道の経歴や豊かな人種的バックグラウンド(父がジャマイカ人、母がインド人)、見た目の美しさなどを日米メディアがこぞって称賛し、旋風が吹き荒れている。 筆者が初めてカマラ・ハリスの名前に触れたのは、今から16年前、新聞社を退職し、カリフォルニア大学バークレー校のジャーナリズムスクールに留学した2004年の夏のこと。直属の上司だった白人男性を劇的な選挙戦で破り、サンフランシスコ検事長に就任したばかりの彼女は、「時の人」として地元の有名人だった。 全米で最もリベラルとされるサンフランシスコは、史上初の”黒人女性”検事長の誕生に沸いた。その熱狂ぶりは、ちょうど今のメディアのそれと重なる。 当時まだ30代だったハリスを有名にしていたのは、公的な職務だけでは