私はなぜ、どのようにしてチェコ文学者になったか 昨年の9月21(日)、私は神楽坂の社会教育会館で開かれた日本チェコ協会、チェコ倶楽部共催の講演會で、「チェコから得たもの」という題名でお話いたしました。幸い好評であったらしく、アンコールの声があちこちで上がったとお聞きしました。今回の講演はそのアンコールに当たるわけでして、「私はなぜ、どうしてチェコ文学者になったか」という題名でおわかりのように、前回の講演「チェコより得たもの」の姉妹編なのであります。 では始めますが、まず「私はなぜチェコ文学者になったか」ですね。皆様もこれまで体験されたことと思いますが、何事も起こるにはそれだけのしかるべき原因がありますよね。その原因はたいていの場合、単数ではなく複数で、しかもそれらが微妙にからまっている場合が多いのではないでしょうか。 「私はなぜチェコ文学者になったか」を、つらつら考えてみますと。やはりいく