セカイ系って言葉、私は「個人の感情やトラウマが家族や所属組織、社会をすっ飛ばして世界の存亡や謎に直結する」話だと理解してたんだけど、最近は「非中世ヨーロッパ的ハイファンタジー世界観=独自設定の世界観」の事を指すって認識になってんの!?
時は中世。場所はたぶんヨーロッパのどこか。 王侯貴族が圧政を強いていた時代。 人間らしい暮らしを求め、街を捨てて荒野に移住した人々がいた。 そこは最果ての地。 Farthest Frontier(ファーゼストフロンティア)。 人はここに希望をつなぐ。 * * * …というわけで。 ついに手を出してしまいました。街作りゲームです。 自分へのお年玉とか言い訳をして購入。 パソコンにダウンロードしちゃいましたよ。 まだ完成版ではないらしく、 バグや問題が発生するかも☆ という注意書きが出てきました。 報告先のリンクもありますが、バグの指摘なんて高度なことはできません。 ほそぼそとプレイしたいと思います。 もちろん一番簡単なイージーモードです。 雰囲気たっぷりの壮大なOPムービーが終わりました。 では、スタート \(°▽° 荒野にたたずむ12人。ここから物語が始まる…。 はずなのですが、操作の仕方
モットは自然の丘陵地の上に設けられる場合もあれば、盛り土を築いて造られる場合もある。高さは最大のもので約30メートル、平均すると6~9メートルのものが多く(注1)、形状は円形や楕円形など様々だが、頂上部を平坦に、斜面を急坂に造成して作られた。モットの頂上には土・木製の居館が築かれ後に石造の城塔へ発展した。通常、モットへは外部から直接行く通路が無く、周囲に築かれたベイリーを通る必要がある。 ベイリーは、モットの下部に位置する平地部分で兵士たちや職人、領主の使用人などの住居、馬屋、納屋、礼拝堂、広場などが築かれている。ベイリーの周囲には土塁と壕をめぐらし、土塁の上に木造のパリサードが設けられている。壕には通常跳ね橋が架けられ外部と繋がっていた。モットを持たないベイリーは「環状構築物(リングワーク” Ringwork”)」と呼ばれる。また、ベイリーは非常時には近隣住民の避難地としても機能していた
山川出版社の世界史リブレットシリーズで前回紹介した「中世ヨーロッパの都市世界」とあわせて読みたいのが、都市に対して中世ヨーロッパの農村について概観した本書「中世ヨーロッパの農村世界」である。 中世ヨーロッパの農村と言われてまず想像するのは封建制、すなわち騎士を傘下においた封建領主たちが村落共同体を支配し「荘園」で農民たちを「農奴」として奴隷的に酷使して、その不満は時に農民反乱として爆発するというイメージではないだろうか。農村は確かに中世ヨーロッパ社会を構成する基盤となっていたが、中世ヨーロッパの農村研究も随分と変わって前述のような、「自由な都市」の対照としてのイメージではなくなってきた。 『近年の中世農村史研究は、このような古典的な理論やイメージにいくつかの根本的な変更を加えると同時に、新しい中世農村像を描くための豊かな材料をもたらしてくれている。』(2頁) 近年の研究成果が他の世界史リブ
中世ヨーロッパ風の世界観を舞台に創作するなら、やっぱり実際の中世ヨーロッパの様子を参考にしたいもの。ですが中世の人々は現代人とは価値観が異なるため、全ての設定を史実と同じにすると書きにくくなってしまうことがあります。 今回はそんな「中世ヨーロッパでは当たり前だったけれど、ファンタジー世界観に盛り込むと自分が書きにくくなる設定」をまとめてご紹介しましょう。あなたは設定として採用しますか? しませんか? ①ノミ・シラミだらけ 風呂にはあまり入らなかった きらびやかなドレスに身を包む王侯貴族、質素ながらも清潔な服装をしている街や村の住人――ちょっと待ってください、それはRPGの世界だけの話かもしれません。 中世ヨーロッパでは自宅に風呂がある者は少なく、入浴する時は風呂屋まで行かねばなりませんでした。水の便の良い地方では風呂屋の数も多かったものの、農民などの中には入浴を惰弱な行為だと考える者がいた
中世盛期、シャンパーニュの大市で栄えたフランス・シャンパーニュ地方の中心都市トロワを舞台にして、中世都市に生きる人々の姿を描いた、同著者の「中世ヨーロッパの城の生活」「中世ヨーロッパの農村の生活」(いずれも講談社学術文庫)と並ぶロングセラーの一冊。 中世、西ヨーロッパにおける都市の発展は農業技術の革新による開墾の進展と大規模な人口増加を背景として十世紀頃からネーデルラント・フランドル地方の北海沿岸地域と北イタリアの地中海沿岸地域で始まった。両地域をつなぐセーヌ川、ライン川の沿岸地域で中継貿易地となる都市が次々と形成され、シャンパーニュ地方では四つの都市で年六回、大きな市が立てられて非常に栄えることになった。その一つが、本書の舞台となるトロワ市である。 本書では1250年頃のトロワ市に関する様々な史料から、中世の都市で生きた多様な人々の姿を浮き彫りにする。 本書の目次 プロローグ 第一章
ヨーロッパ中世後期、フランスを主戦場にして戦われた百年戦争(1337~1453)について、近年の研究動向を充分に盛り込んでその全体像を描く、一般向けの概説書である。2020年3月17日発売。新書サイズで読める百年戦争の通史として実にわかりやすく要点が抑えられていて、今後、長く読み継がれる定番になるだろう。 ヨーロッパ史上の戦争としてはジャンヌ・ダルクの活躍もあって「百年戦争」はおそらく日本で最も知名度がある出来事だろう。著者は「しかし、彼女(引用者注:ジャンヌ・ダルク)が活躍した戦争の名をすぐに答えることのできる者は、どれほどいるだろうか」(はじめに i)と危惧するが、大丈夫。映画からアニメ・ゲームまでジャンヌ・ダルクの知名度は過去最高に高まっているし、「百年戦争」の響きのキャッチーさもあって「百年戦争」自体の知名度も抜群だ。アストラギウス銀河を二分した方で知った人は多いはず(自己紹介)
中世盛期、西ヨーロッパの農村で暮らす農民たちの姿を、イングランド東部ケンブリッジシャーのエルトン村を舞台に描く、講談社学術文庫の中世ヨーロッパを扱った本としてはロングセラーの一冊である。著者はアメリカの歴史作家ジョセフ・ギースとフランシス・ギース夫妻。同じく講談社学術文庫から出版されている同著者の「中世ヨーロッパの城の生活」「中世ヨーロッパの都市の生活」とぜひ合わせて読んでいただきたい。 中世の農村が誕生するのは中世盛期十~十一世紀頃のことである。高校世界史でも習うが、小家族を農業単位とする古典荘園制が崩れ、重量有輪犂や水車など農業技術の革新と人口増加による大開墾運動の開始、三年輪作システムの発明と三圃制への移行などが進行して、農民たちが集住して共同耕作を行う開放耕地制の村落共同体が誕生する。これらは修道院や世俗領主ら聖俗荘園領主層の強力な領主権(バン領主権)とセットで発展することになる。
先日、黒い鳥のクチバシの様なマスクをしている人を見かけました。 これほど多くの人がマスクをしているのを見たことがない現在の状況。 自分が知らないだけでこうゆうマスクも流行しているのかなとインターネットで「クチバシ マスク」と検索すると出てきた画像の中に奇妙な絵が。 ペスト ペスト医師 治療法 ノストラダムスもペスト医師だった 終わりに 怖いよ。 検索で出てきたこれではなく、もっと怪奇な感じの絵。 でもなにかの漫画で見たことあるマスクだ。 ペスト医師とある。 冒頭のクチバシのようなマスクをした人はここまで顔全体を防護しているものではありません。口だけでした。 気になったので少し調べてみる事に。 ペスト ペストとは別名黒死病と呼ばれる感染症で、ペスト菌の感染によって起きる人類の歴史を通じて最も致死率の高かった伝染病だそうです。恐ろしい。 ペストは動物由来感染症でネズミにつくノミを媒介として広ま
を教えちゃうね! 制作総指揮日野晃博さん、監督百瀬義行さん、音楽は久石譲さん。 究極のテーマ 「どちらかの命を救えば、もう一方が死ぬ」、 と普通の高校生の葛藤を描いた大作。 とにかく話題で きれいサイコー良かったつまらない酷い感想が様々。 あなたの見方はどんな見方? 私は断然デザイナー目線で、とても興味を持って最後まで観たよ! 舞台美術が建築史のオンパレード! それを二ノ国の世界観を通して百瀬義行さんが原画作成。 あらゆる時代と場所のエッセンスが絡まった背景デザインが統一されて一体となっている様は見事。 本記事は作品のネタばれはありませんが 背景の見どころ解説になるような内容を含む解説記事 となっています。 まだご覧になっていない方はお気を付けください。 先入観なしに作品を楽しみたい方は、『二ノ国』を見た後で お会いしましょう^^ エスタバニア王国全体は中世ヨーロッパと15世紀ベネチア!
ホテルモントレ大阪 今回は大阪いらっしゃいキャンペーンを利用して滞在したホテルモントレ大阪 についてレポートします♪ とても魅力的な外観なのに、アングル的にかなり撮影しづらいです( ;∀;) 公式サイト www.hotelmonterey.co.jp ホテルモントレ大阪 場所 宿泊時期 一休.comのダイヤモンド会員特典 楽天リーベイツ moppy(モッピー) エントランス ロビー フロント エレベーター お部屋 お部屋全体 ユニットバス アメニティ ベッド クローゼット ディスク&チェアー テーブル&ソファー お部屋からの景色 館内 あとがき オススメのポイントサイト 楽天リーベイツ moppy(モッピー) 場所 〒 530-0001 大阪府大阪市北区梅田3-3-45 06-6458-7111 ●JR大阪駅徒歩5分 ●J阪神電鉄梅田駅・地下鉄四つ橋線梅田駅徒歩5分 ●JR東西線北新地駅徒
聖と性は深く交わる。中世ヨーロッパでも例外ではなく、聖地巡礼の証につけるバッジに、女性器や男性器をかたどったものも少なからずあったという。だがいったい何のために? 性器のミステリーに、世界の知られざる事象を紹介する米メディア「アトラス・オブスキュラ」が迫る。 【編注】この記事には人間の性器をかたどった金属バッジのイメージが含まれています。 中世ヨーロッパで、キリスト教徒の巡礼者たちは、イギリスからスペインまで歩いた(ボートにも少しだけ乗ったが)。長衣を引きずりながら汚れた、危険な道を行き、独り旅であれば強盗に狙われることもしばしばだった。 巡礼者たちの荷物は、食べ物とお金、水筒、それからたぶん信仰書を詰めた革袋だけだった。夜になると、その汚い衣は寝袋にもなった。
講談社学術文庫の中世ヨーロッパを扱ったシリーズとしてアメリカの歴史作家ジョセフ・ギースとフランシス・ギース夫妻の「中世ヨーロッパの城の生活」「中世ヨーロッパの都市の生活」「中世ヨーロッパの農村の生活」の三冊は最早定番となっているが、その最初の一冊である。2005年刊(原著は1977年)。 ノルマン・コンクエスト直後の1067年、ウェールズ地方に築かれたチェプストー城を中心に、十二世紀から十三世紀にかけての城を取り巻く様々な人々の生活の様子を、豊富な史料を取り上げつつ描いた本で、当時の人々の姿が浮き彫りになっていてとても面白い。 本書では「まえがき」でチェプストー城の特徴や歴史的展開が、「第一章 城、海を渡る」でノルマンディー公ギヨーム2世(のちのイングランド王ウィリアム1世)によるノルマン・コンクエストと、ノルマン人によるブリテン島各地へのモット・アンド・ベイリー式城塞の建造、そして石造城
宮廷道化師の役割や待遇や資格などに関する記述のある資料は、以下のとおりです。 <図書> ・『図説笑いの中世史』(ジャン・ヴェルドン/著 原書房 2002.3) 第1部「修道士から道化まで」の中に「道化(フール)」いう項があります(p.109-121)。 「宮廷の道化が実際にどのような性質のものだったか知るのは困難だが、その役割は容易に定義できる」として役割に関する記述が続きます。また、イングランド国王ヘンリー2世、ブルゴーニュ宮殿の道化に関する記述や道化の志願者が多くなったが、特別な資質が必要だったことなどが記されています。 ・『道化』(イーニッド・ウェルズフォード/著 晶文社 1979.5) 第5章「中世の宮廷愚者」(p.111-123)、第6章「ルネサンスの宮廷愚者」(p.124-149)、第7章「英国の宮廷愚者」(p.150-173)という章立てになっており、それぞれの地域や時代にお
中世ヨーロッパの都市は十世紀頃から地中海沿岸の北イタリアと北海沿岸の低地地方(ネーデルラント)を中心に発展し、次第にヨーロッパ各地に広がった。本書は、ベルギー・オランダ中世史の第一人者であるベルギー・ヘント大学教授マルク・ボーネが十四~十五世紀のネーデルラントにおける都市の発展とブルゴーニュ公国の支配についてまとめた論文集である。 近世、覇権国家として君臨するオランダの諸都市がいかにして築かれていったか、中世後期、ホイジンガの「中世の秋」でも名高いブルゴーニュ公国の繁栄と、ブルゴーニュ公権力と都市との緊張関係が何を生み出したかが丁寧に描かれている。 本書は三つの論文で構成されている。 第一論文「中世後期ヨーロッパの都市 近代性の兆候と災禍”Cities in Late Medieval Europe : the Promise and the Curse of Midernity”」は西ヨ
翻訳者のツイートがプチプチバズってる。 【まもなく発売】戦場の中世史─中世ヨーロッパの戦争観 アルド A セッティア https://t.co/vy3xZ0Uk4g @amazonJPさんから— 八坂書房 (@yasakashobo) November 22, 2019 私が翻訳したアルド・セッティアの『戦場の中世史―中世ヨーロッパの戦争観』がもうすぐ発売になります。原題はRapine, Assedi, Battaglie(略奪・攻囲・会戦)。これだけでも中世軍事史の本として独特だと分かるのではないでしょうか https://t.co/X5NmXmN5Fo— 白幡俊輔 (@sshunsuk) November 23, 2019 ほかにも「籠城中に水が枯渇したらどうやって渇きを抑えたのか?」「脱走した兵士はどんな扱いを受けたのか?」「戦闘中夜になったらどうする?」「はしごを使った正しい城壁登
今月4月「週刊ビッグコミックスピリッツ」に最終話が掲載され、 全62話で完結した「チ。-地球の運動について-」が、 マッドハウス制作でアニメ化される事が本日アナウンスされました。 「チ。-地球の運動について-」は、 15世紀のヨーロッパ「P王国」を舞台に、 「C教」によって禁じられた地動説を、 命がけで証明せんとする人々の生き様を描いたフィクション作品。 2021年の第14回「マンガ大賞」では第2位、 そして第26回手塚治虫文化賞では、 年間を通じて最も優れた作品に与えられる、 「マンガ大賞」を受賞しています。 海外のネット上は話題作のアニメ化に大盛り上がりとなっており、 大いなる期待と、そして原作には激しい描写も多い事から、 一抹の不安の声が寄せられていました。 「日本製だったのか…」 『母をたずねて三千里』が舞台の地アルゼンチンで大反響 翻訳元■■■■■ ■ 「チ。」がアニメ化されるな
神保町の趣味の本屋「書泉グランデ」10月1日に、「地味でも、いい感じに」リニューアルオープン~とうとう常設で中世ヨーロッパコーナーも登場~ 神保町で創業して74期目を迎える「株式会社書泉」の旗艦店「書泉グランデ」が、コンセプトである「趣味の本屋」を極めるべく、2023年10月1日にフロア構成を大きく変えてリニューアルオープンをしました。 【コンセプト】 「趣味の本屋」として、鉄道・プロレス・アイドルなど熱狂的なファンのいるジャンルに特化して長年売り場を作ってきました。これをさらに進化させるため「推しまくる、本屋」をコンセプトにすえて、「推したいものがある“アナタ”を推します!」という気持ちで本の品ぞろえの充実、さまざまなイベント開催、書泉でしか手に入らない商品開発を進めていきます。 【リニューアルのポイント】 今回のリニューアルは「地味でも、いい感じ」でやっています。大規模に建物を改修した
百年戦争-中世ヨーロッパ最後の戦い (中公新書) 作者:佐藤 猛発売日: 2020/03/17メディア: 新書 内容(「BOOK」データベースより) フランスを主戦場として英仏王家が攻防を繰り広げた百年戦争(一三三七~一四五三)。イングランドの大陸領をめぐる積年の対立に、フランス王位継承権争いが絡んで勃発した。当初イングランドが優勢だったが、ジャンヌ・ダルクによるオルレアン解放後、フランスが巻き返して勝利する。戦乱を経て、英仏双方で国民意識はどのように生まれたか。ヨーロッパ中世に終止符を打った戦争の全貌を描き、その歴史的意義を解明する。 「百年戦争」という言葉は、多くの人が知っていると思います。名前にけっこうインパクトがありますし。 ジャンヌ・ダルクの活躍でフランスのオルレアンが解放されたことが、この戦争の大きな転機になったこともよく知られていますよね。 しかしながら、世界史で習った記憶は
こちらの記事は一連のシリーズ物で当サイトの人気コンテンツとなっております。よろしければ他の記事も参考にしてみて下さい。 中世ヨーロッパの生活① ~典型的な庶民の一生~ 中世ヨーロッパの生活② ~食生活とそれを支えた農業について~ 中世ヨーロッパの生活③ ~現代と比較した日常生活~ 中世ヨーロッパの「性生活」 (こちらの投稿) 本当は貧しきヨーロッパ ~中世ドイツの食糧事情~ 中世の性生活 以前「中世ヨーロッパの生活」という記事を書いたのですが、その影響なのか当サイトに「中世ヨーロッパ 生活」と検索して来てくださる方が結構な数でいます。そしてそれに次いで検索されるのが「中世ヨーロッパ 性生活」というキーワードです。 確かに私も「中世ヨーロッパの生活」の中で「教会の影響力は凄まじく性生活にすら介入する~」と書いていたのでどうもその部分がGoogle先生に引掛かったようです。 しかし、性に関して
入門者向けに世界史上の様々なテーマについて80~90ページほどのコンパクトなサイズでまとめて読める、とてもありがたい山川出版社の世界史リブレットシリーズから、そのものずばりな中世ヨーロッパの都市について概観した本書は、とてもお勧めである。 特に最近だと中世ヨーロッパの都市について調べるニーズは創作に役立てたいという人が多いのではないかと思うが、本書はこのサイズで都市の成立から衰退といった歴史と、都市の暮らしや構造など全体像を描きつつ、例えばギルドの仕組みや公衆衛生といった細かいエピソードも網羅していて、かなり役に立つ。当然、細かい事例については専門書を当たることになると思うが、それら資料を読み解くうえで、基礎を申し分ないレベルに押さえてある本書を読んでいるかいないかだけでも随分違ってくると思う。 全体の構成としては、序論にあたる「都市イメージの再考」で近年のヨーロッパ都市史の研究動向が「都
ヨーロッパで14世紀から流行したペストは、ルネサンス期に芸術の中心地であったイタリアの都市、シエナを中心に活動したシエナ派の画家たちを始め、多くの芸術家に大きな影響を与えました。ペストが芸術面に引き起こした変化を、2017年のピューリッツァー賞受賞作家であるヒシャーム・マタール氏が語っています。 Hisham Matar on how the Black Death changed art forever | Books | The Guardian https://www.theguardian.com/books/2020/jun/06/black-death-plague-pandemic-art-imagination-hisham-matar 14世紀のイタリアでは、国外の商船が頻繁に出入りしていたシチリア島からペストの感染が広がり始めたとされています。「すべての病は神からもたら
はじめに イギリスにおける魔法の歴史で、ケルト人が木々やそこに宿る精霊、妖精を信じていたとお話しました。これはとても自然な話です。日本人も古くから、あらゆる自然に神が宿ると信じてきました。世界各地どこでも、森深い地域で最初に生まれる信仰は多神教なのです。 今回は、森と人との関係について、歴史的にお話します。 人々は昔、森をどのようにとらえていたのか。そのとらえ方は、時代ごとにどのように変化したのか。3段階に時代を分けて紹介します。 目次 はじめに 異界としての森 征服すべき森 癒しの森 おわりに 参考文献 異界としての森 オーブリー・ビアズリー《Merlin Taketh the Child Arthur into His Keeping》、トマス・マロリー『アーサー王物語』より 西洋の古代から中世、大開墾運動(12~13世紀)が始まるまで、人々は森を「異界」ととらえていました。「異界」と
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