中世キリスト教世界で唯一とされる女性歴史家を主人公にしたマンガ「アンナ・コムネナ」(星海社)が2月に完結した。東地中海世界で栄華を誇ったビザンツ帝国を舞台に、当時は「男の学問」とされていた歴史叙述に…
Vatanabeus @nabe1975 バターは冷蔵しないと劣化が非常に早く進行する食品で、中世に作られていたバターは現代人からすれば相当塩辛いものであったらしい。 1305年、イングランドのウィンチェスター司教領の記録によれば、バター10ポンド(約4.5キロ)につき塩を1ポンド(約450グラム)使うことになっていたという。 pic.x.com/QGNS4Rihdm 2025-03-27 19:55:36 Vatanabeus @nabe1975 中世のバターは、食べられる前に水に晒して塩抜きされるのが通例だった。全体の塩分量をマイルドにするため、作りたての塩を加えないフレッシュバターを混ぜる方法も多く採られた。古いバターは黄色味が抜けて白くなるため、着色目的で塩漬けの黄色い花が加えられたともいう。 pic.x.com/FtPVbaazlP 2025-03-27 19:59:08
『西洋中世文化事典』は、その起案から完成に至るまで、とてもたくさんの方に関わっていただくことになりました。おかげさまで、類書のない「読む事典」になりました。ここNewsPicksでの連載は主として作り手側の視点ですが、西洋中世学会のHPには、この事典を手にしたさまざまな方からの特別寄稿文を掲載しています。 第1回は、学会を支えてくださった樺山紘一先生、佐藤彰一先生、井上浩一先生に、第2回は、学会を創ってくださった高山博先生、松田隆美先生、金沢百枝先生に、そして第3回(準備中)は、事典作成に関わってくださったデザイナーの林亜紀さん、丸善出版の丹治祥子さん、そしてライトノベル作家の支倉凍砂(はせくらいすな)さんにメッセージを頂戴しました。支倉さんは『狼と香辛料』の著者としてつとに著名な方ですが、2009年の学会創設当初、西洋中世研究の発展のためにと寄付もしてくださいました。 2005年に第12
これまでの各章担当者による担当章の深掘りに加えて、今週から隔週で4名の方に、「実践編」と題して、現代日本における西洋中世文化や『西洋中世文化事典』の実践の実例を紹介していただきます。トップバッターは、羊皮紙工房の八木健治さんです。どうぞお楽しみください。(編集委員長・小澤実) ※本文中にあるカッコ書きの指マーク(☞)は、『西洋中世文化事典』の関連項目です。もっと知りたい方はご参照ください。 羊皮紙工房の八木健治と申します。中世ヨーロッパで使われていた「羊皮紙」にあこがれ、2007年に自宅の風呂場で羊皮紙づくりを始めました。現在は主に海外から輸入した羊皮紙をネットで販売するとともに、羊皮紙や写本に関する講演や執筆活動も行っています(著書:『羊皮紙のすべて』(青土社 2021年)、『羊皮紙の世界』(岩波書店 2022年)、『羊皮紙をめぐる冒険』(本の雑誌社 2024年)など)。『西洋中世文化事
中世ヨーロッパは、ローマ時代に存在した高度な衛生システムを失い、いわゆる「最悪の時代」とも言われています。 特に「トイレ」に関するインフラが反映する生活環境は、現代の私たちに大きな衝撃を与えます。 【謎】ベルサイユ宮殿にトイレがなかった?ベルサイユ宮殿にトイレがないと聞くと信じられない人もいるかもしれませんが、これは半分正しく半分誤りです。 正確には、トイレ自体はありましたが、現代のような水洗式ではなく、「ガルドローブ」と呼ばれる壁に穴を開けた簡易的なものでした。 その穴から掛けた泥場には泥が湧き、尿精の流れは不卯な臭いを放ちていました。 現代人の感覚だとめちゃくちゃ不衛生で野糞と変わらないと感じてしまいます ぼっとん便所以下だったからめちゃくちゃ不衛生 ベルサイユ宮殿は17世紀初頭にルイ13世の狩猟用の小さな城館として始まりました。 つまり17世紀、約300年前という比較的近い時代であっ
中世ペルシア風の異世界を舞台に、王太子アルスラーンと仲間たちの活躍と成長を描いたファンタジー小説『アルスラーン戦記』(著:田中芳樹)。その壮大な世界観を、西洋史を専門とする研究者が読み解く! 仲田公輔 岡山大学 文学部/大学院社会文化科学学域 准教授。セント・アンドルーズ大学 歴史学部博士課程修了。PhD (History). 専門は、ビザンツ帝国史、とくにビザンツ帝国とコーカサスの関係史。1987年、静岡県川根町(現島田市)生まれ。 東ローマ(ビザンツ)があの有名小説家の作品に!? 以前インタビューを受けた際に、東ローマ(ビザンツ)史を専門とする私自身の専門に近いところをモチーフにした作品があればぜひ扱ってみたいとコメントしたことがある。言っておいて、果たしてそんなマイナーなトピックを扱っているものがあるのだろうかと思っていたのだが、あまりに有名な大作で扱われているのを見落としていた。
フランス中央部のドルドーニュ川ほとりに立つカステルノー城(「新しい城」という意味)は、カトリック教会とカタリ派との戦いで破壊されたが、1200年代に現在の姿に建て直された。(De Lagasnerie/GTRES) 自分の身を守るために、塀や堀の後ろ、または丘の上に隠れたくなる人間の本能は昔から変わらない。中世の時代、武器や戦争の進化に伴い、こうした本能はヨーロッパの人々を要塞の建造へと駆り立てた。やがてヨーロッパは要塞建築の黄金時代を迎え、歴史上かつてなかったほど完成度が高く複雑な要塞が数多く建てられた。(参考記事:「“アーサー王生誕の地”に要塞跡、英「暗黒時代」に光」) 初期の頃の要塞は、後の時代に登場する立派な城とは大きく異なっていた。9~10世紀の要塞は木造で、主に人工的に作られた丘の上に建てられた。 北フランスのノルマンディー公ウィリアム(ウィリアム1世)によるイングランド征服後
過日ご報告👇 「蜃気楼 それとも 春霞み」 『【蜃気楼 それとも 春霞み】“自然”が作り出す幽玄な景色』月曜日の朝、でした。今週も張り切って💪お仕事だぁ〜いやいや、眠たい🥱眼を擦りつつ、窓外見たらアレつ? 👀いつもと“雰囲気”が違う❗️天気☀️が良い時街並み🌇が…ameblo.jp 昨日(4日)の朝、 またまた不思議な世界が出現‼️ 今朝(5日)5時30分頃の様子 この風景が❗️ 「晴天☀️時との比較です」 もしかして、雲海‼️ (Wikipediaより引用👇) 富士山🗻…見えました ……少し時間が経過すると 手前のマンションが まるで、中世🏰の古城、にも見えたり! 琥珀…上空を見上げて・・・何を思う⁈ 不思議な世界…見惚れているうちに、、、。 仕事…やばい、遅刻してしまいそうにσ(^_^;) 人気ブログランキングに参加しています。 皆さまのご支援宜しくお願い申し上げます。
西洋史上、最もメジャーだった、花の中の花はバラです。バラは、古代期から現代にいたるまで、西洋文化圏で不動の人気を誇る花で、日本で例えると梅や桜の立ち位置に似ています。 本記事では、西洋の中世期を中心とした、バラ文化を紹介します。 西洋バラの五大先祖 『健康全書』の挿絵。赤バラと白バラの花冠をつくっている。14-15世紀。 バラは古来、西洋文化圏で最も人気な花の1つです。おそらく花の中で最も品種の多い花で、なぜ品種が多いかというと、バラを愛する人がさまざまな品種をつくってきたからです。現在のバラの品種は、一説によると10万種を超えるとも言われています。 現代の私たちは「バラ」と聞くと、花びらが幾重にも重なった、華やかなバラを想像します。ところが、品種改良が活発になる前の、前近代のバラはもう少し素朴でした。そこでまずは、西洋において最も古いとされる、5種類のバラを紹介します。その後、バラの文化
教皇選挙(コンクラーヴェ)は、「〜を持って」を表すラテン語cumと「鍵」を意味するclavisを合わせた単語を語源とします。つまり、枢機卿による互選で教皇が決定するまで、システィーナ礼拝堂に鍵をかけて、外部に情報が漏れないよう、また外部から余計な情報が入り込まないように、密室を保つからです。選挙の末次期教皇が決定した場合、煙突から白煙が上がります。外で待っている人たちは、その白煙を見て、次の行動に移ることになります。こうした一連のプロセスは、現在通用している教会法で規定されています。 映画は現代のバティカン市国を舞台にしていますが、教皇選挙は古代末期から中世に遡る歴史のある制度です。ここではその起源にたちかえり、西洋中世の観点から『教皇選挙』を振り返ってみましょう(従来日本ではPapa / Popeを「法王」と訳すことが多かったのですが、今回は「教皇」となりました。英断だと思います)。 映
2025年(令和7年)1月3日(金) 年末年始ヨーロッパ5ヶ国を巡る旅に出掛けました。ベルギーの首都ブリュッセル、ポルトガルの古都ポルト、スペインの世界遺産サンティアゴ・デ・コンポステーラへも訪れ、4ヶ国目イタリアのミラノに滞在。夜にはイタリアを離れます。前回は空港のあるミラノ近郊のベルガモの旧市街チッタアルタの「MINI」でのランチの話を書いています。 fuwari-x.hatenablog.com ランチを終えたあとは、チッタアルタの散策を再開。ラジョーネ宮の階段を上ったときに見えたのが左のピンク色の建物、コッレオーニ礼拝堂。右は洗礼堂。 コッレオーニ礼拝堂は白・赤・黒の多色の大理石をひし形上に組み合わせたファサードと、正面にバラ窓が配置されているのが特徴の凝ったデザインです。 ベルガモ領主Bartolomeo Colleoni(バルトロメーオ・コッレオーニ)が、自身とその娘のために建
はじめまして、今井澄子と申します。中世末期のネーデルラント(現在のベルギー、オランダ、北フランス地域)を中心とした美術史を研究しています。時代・地域によって美術の特徴(様式)があることが面白く、美術作品の背景にはどのような人々の意図や思想があるのかということを調べたり考えたりしています。 これまでの「『西洋中世文化事典』を楽しむ!!」の記事にも、絵画や彫刻や建築の写真が挙げられてきました。中学や高校の世界史の授業では、「ある戦争を説明するための参考資料」などとして示されることも多く、そのような視点で美術作品を見てきた読者の方も少なくないかもしれません。それに対して、美術史家はまず「この柱頭彫刻の中央にいる人物は不思議だな、輪郭や模様が周囲の葉と呼応しているようにも見えるし、表情も面白いな…」などと観察するところから始まります。そのうえで、他の柱頭彫刻の図像との関連はあるのか、当時の彫刻技術
『キングダムカム・デリバランス』日本語版の発売に先駆け、本作の舞台となったチェコ共和国を巡るメディアツアーが開催された。 今回のメディアツアーでは、開発会社のWarhorse Studiosに取材を行ったほか、ゲームにも登場するおなじみの街や名所を散策。そして、このメディアツアーは、チェコ政府観光局(チェコ大使館)が全面的に支援しており、ゲームの舞台のほかにも、チェコ各地のさまざまな観光スポットを訪れることができた。 チェコには数百の城が現存し、いずれの街にも中世の雰囲気がそこかしこに残っている。中世ヨーロッパ好きにはたまらない、またビール好きにもとってもたまらない、魅力あふれる国で、筆者もすっかり魅了された。このコーナーでは、そんなチェコの魅力をお伝えしていく。
少女マンガの現在地 なぜ今“中世ヨーロッパ風”ファンタジーが人気? 昭和の名作『ベルばら』と電子コミックとの違いは 昨今、ますます勢いを増す電子コミック。男性向けでは、根強い人気の異世界転生やレベルアップ系の作品からヒットが生まれている。一方で女性向けでは、中世ヨーロッパのような世界を舞台とした西洋風ロマンスファンタジーが人気。こうした設定の少女マンガは『ベルサイユのばら』など昭和に流行したが、平成以降はリアル志向になっていたような…。原点回帰かノスタルジーか? 電子コミックという最先端のエンタメで何が起こっているのか。女子マンガ研究家・小田真琴氏が、歴史や背景を語る。 【マンガ】“ベルばら”とどう違う? 令和で人気の少女マンガ ■「花の24年組」も…、昭和の少女マンガにあった“海外への憧れ” 明治・大正時代から存在していた少女小説が、形を変えて少女マンガとして開花したのは戦後のこと。その
中世RPG『Mount & Blade』シリーズの公式Xアカウントは何らかの発表を匂わせる意味深なポストを投稿しました。 大きな動き無い1年を経ての意味深投稿にファンの期待大!『Mount & Blade』シリーズは中世風の広大なワールドで、血しぶき飛び交う戦闘はもちろん、政治、生産、交易等あらゆる側面から領土の拡大、征服を楽しめるストラテジー・アクションRPGです。最新作『Mount & Blade II: Bannerlord』は執筆時点で20万件以上のレビューを集めての“非常に好評”評価を獲得している他、2月にはローマ帝国を舞台とした大型Modが開発されるなど長きに渡り愛される人気シリーズとなっています。
舞台は1401年のイングランド。ウェールズのイングランド王国に対する反乱「グリンドゥールの反乱」が勃発していた。史実では物量に勝るイングランドがウェールズを圧倒したが、プレイヤーが現代兵器を駆使してこの歴史を覆していく。 映像では本作の特徴として、兵士たちの物量と豊富な破壊要素が紹介された。時には数千ともなる巨大な軍隊は、すべての兵士が一人ずつAIによってシミュレートされているという。また、すべての建物、城壁、門は破壊可能。グレネードや空爆、さらには戦車などによって、物理計算された破壊を楽しめる。本作では、物理計算の速度を重視して最新のUnreal Engine 5ではなく「あえて」Unreal Engine 4を選択したということも語られた。 本作はシューティングにストラテジー要素を持ち込んだ作品であるとしており、軍隊の強化や拠点の建築といった要素も紹介されていた。また、最大4人でのマル
『キングダムカム・デリバランス II』攻略ガイド。よき中世ライフを快適に送るための手順を解説。最初に訪れるべき場所やリスクゼロのレベル上げ方法、戦闘技術の習得など、これでもう迷わない! 2025年2月5日に発売され、1日でワールドワイドでの販売本数が100万本を突破したオープンワールドアクションRPG『キングダムカム・デリバランス II』。本作はリアルな中世の風景や世界観、自由度の高いオープンワールドでのイベントなどが魅力のタイトルだ。 自由度が高いがゆえに、オープンワールドに慣れていない人だとチュートリアル終了後に何をすればいいのか、とまどうこともあるだろう。そこで本記事では、本作をより楽しみやすくするために序盤の攻略手順を解説していく。 安全な寝床、盗賊に負けないための装備、便利な移動手段である馬の入手方法など重要度の高いものを序盤に確保することで、クエストを進めやすくなる。解説する内
2025年(令和7年)1月3日(金) 年末年始ヨーロッパ5ヶ国を巡る旅に出掛けました。ベルギーの首都ブリュッセル、ポルトガルの古都ポルト、スペインの世界遺産サンティアゴ・デ・コンポステーラへも訪れ、4ヶ国目イタリアのミラノに滞在。夜にはイタリアを離れます。前回は空港のあるミラノ近郊のベルガモの旧市街チッタアルタで教会群を回った話を書いています。 fuwari-x.hatenablog.com 世界遺産の要塞都市から新市街チッタバッサへ下りてきました。あれ、移動遊園地がある。ベルガモでもまだクリスマスマーケット開催中のようです。 いい雰囲気の建物があったので撮ったのですが、この建物の内側の中庭にサンタマルタの回廊と呼ばれる600年以上も前の回廊があるそうなの。左側にあるのがたぶん入口となるアーチ。帰国後にこういった見逃しを発見するのはいつものことだけど、ほんと残念。 隣にあるのが市庁舎。チッ
事実は小説よりも奇なり!中世ヨーロッパは想像を超えた世界⁉「書泉と、10冊 第2シーズン」第6弾は、『ノルマン騎士の地中海興亡史』と『フランス中世史夜話』を同時復刊。予約受付は3月20日(木)から‼ 「中世への旅」シリーズの大ヒットから始まった、「書泉と、10冊」。この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉と出版社のみなさま、著者のみなさまに協力いただき重版・復刊してお届けしていくものです。 その「書泉と、10冊 第2シーズン」もいよいよ折り返し地点に到達致しました!これも出版社のみなさま、著者のみなさま、そしてお買い上げ頂いているみなさまのお陰です。 今回節目となる第6弾として、「中世の旅 騎士と城」「中世の旅 都市と庶民」「中世の旅 農民戦争と傭兵」「鉄腕ゲッツ行状記」そして「中世のパン」の5作品を、当企画にて累計32,000冊以上販売した書泉と
みなさま、初めまして。第10章の編集を池上俊一先生、小澤実先生とともに担当した久木田直江と申します。専門は中世末に生きた女性が自ら著したり、筆記者を雇って口述した書物の研究です。特に女子修道院に伝わる神秘主義的テクストやその影響を受けた俗世の女性が残した著作に「憑りつかれ」、中世の身体論、医学史、ジェンダー論へと関心は広がりました。大雑把ではありますが、中世キリスト教世界に生を受けた女性たちが「いかなる思い抱き、いかに生きたか」という問いを長年持ち続けています。NewsPicksでは、15世紀初頭のイングランドで富裕商家の女性が口述で著した、現存する英語で書かれた最古の自伝、The Book of Margery Kempe(『マージェリー・ケンプの書』)の人生サイクルに重ね、本章を紹介したいと思います。 数年前にこの章の案を練った際、中世を語りつつ、現代に引き寄せて考えられる話題を提供し
絵巻・物語絵などの絵画は、単に画題を絵で「伝達」するメディアではない。そこには制作にかかわる主体の画題への[解釈―表現]行為過程が介在している。 その表象行為をめぐって、日本中世にはどのような特質が見られるのか。 中世に制作された『信貴山縁起』、極楽寺蔵『六道絵』、『源氏物語絵詞』などを中心に、鑑賞者の解釈を誘発する、その表象の編成と仕組みを分析する。 また、教育の場では絵画をどのように扱うことができるのか。 実際の教育現場に携わった著者ならではの視点から、定番教材である『竹取物語』や『徒然草』を題材に、古典学習の拡充に向けた絵画の有効的な活用を提案する。 序 章 研究の目的と方法 第一節 研究の目的 第二節 研究の方法 第一章 〈絵語り〉論序説 第一節 問題の所在 第二節 鑑賞主義的な解釈 第三節 画面構成による絵画の語り 第四節 物語とは直接関係のない絵画表現 第五節 隠喩の文脈 第六
5〜15世紀頃のヨーロッパ世界を指す中世”。 いまだ「暗黒時代」と称されることも多いが、幅広い研究分野において語られることが多く、創作物でも受容されるなど、後世にも影響を与え続けている時代である。 本事典では歴史、商業、衣食住、信仰、文学、美術、建築、哲学、ジェンダー研究、さらには後世での受容までも含め解説し、学際的な構成とした。 また、対象範囲は「ヨーロッパ」の範囲を西欧に限らず、北欧や東欧、中欧、さらには十字軍国家が建設された中東、イスラーム圏までに広げ、周辺海域やアフロ・ユーラシア世界も視野に収める地域横断的な内容を目指した。 ■ 1章 環境と自然 天体観測 気候変動 自然災害 自然の驚異 自然の利用と改変 動物相 植物相 海 地中海 山と川 アルプス 森 湖・池・沼 瘴気 鉱山と鉱物資源 環境汚染 【コラム】ジャン・ド・ブリー ■ 2章 国家と支配 国家と教会 宮廷(統治組織) 王
イントロダクション トマス・アクィナスって、中世ヨーロッパの哲学者らしいけど、一体どんな人物なんだろう…。 アリストテレス哲学を取り入れたキリスト教思想の体系って難しそうで、ちゃんと理解できるか不安だな…。 そんな方でも大丈夫。 まずはトマス・アクィナスの生涯や業績に触れてみませんか。 この記事では、中世ヨーロッパのキリスト教思想や哲学に関心のある方に向けて、 トマス・アクィナスの生涯と『神学大全』の概要 アリストテレス哲学とキリスト教思想の統合 スコラ哲学におけるトマス・アクィナスの影響 上記について、解説しています。 神学と哲学の深い結びつきに戸惑う方もいるでしょう。 しかし、一歩ずつ理解を深めていくことで、中世ヨーロッパの知性の巨峰に触れる喜びを味わえます。 ぜひ参考にしてください。 トマス・アクィナスの生涯と背景 トマス・アクィナスは、1225年にイタリアの貴族の家に生まれ、激動の
2025年(令和7年)1月3日(金) 年末年始ヨーロッパ5ヶ国を巡る旅に出掛けています。ベルギーのブリュッセル、ポルトガルのポルト、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラを経て4ヶ国目イタリアのミラノに滞在中です。前回は食の宝庫パルマから戻り、夕食をミラノ中央駅でテイクアウトした話を書きました。 fuwari-x.hatenablog.com ミラノ最終日です。人の多いミラノの観光を避けることに決め、前日はパルマへ行きました。もうひとつ候補に挙がっていたのは空港のあるベルガモです。片道55分で行けるので、駅から中心部まで遠いベルガモはホテルに荷物を置いたまま出掛けることも一案でした。ただ天気予報が前日が雨模様、翌日が晴天だったので、景色を楽しむベルガモを2日目にする必要がありました。出国日ならばわざわざ戻るよりも荷物持参がふつうでしょう。 ミラノ中央駅からベルガモ駅までは6EUR(1,
イングランド王ウィリアム1世が、イングランド北東部のピカリングに建造を命じた木造の要塞は、今は残っていない。このイラストは、13世紀に建てられた石造要塞の名残を参考にして、元の木造要塞を描いた想像図。(Illustration by Jaime García Carpintero; Based on research by Jesús Molero, David Gallego, and Cristina Peña) フランス中央部のドルドーニュ川ほとりに立つカステルノー城(「新しい城」という意味)は、カトリック教会とカタリ派との戦いで破壊されたが、1200年代に現在の姿に建て直された。(De Lagasnerie/GTRES)
みなさん、こんにちは。中世ネーデルラント(現在のベルギーやオランダ、北フランスに相当する地域)の政治や社会、文化について研究している青谷秀紀です。今回、みなさんに自由な形で第9章「信仰と想像」の魅力をお伝えする機会を与えられ、たいへんうれしく思っています(以下、斜体で挿入されるミニコラム的な文章では、本文に関連するおすすめのものを紹介しています。あとでまとめて読んでいただいても構いませんし、関心のない方は読み飛ばしていただいても結構です)。 さて、『西洋中世文化事典』の刊行から早くも三カ月以上が過ぎましたが、本事典が世に出た2024年は、ある名著の刊行からちょうど百年目の年でもありました。その名著とは、20世紀最高の歴史家と目されるマルク・ブロックの『王の奇跡―王権の超自然的性格に関する研究/特にフランスとイギリスの場合―』(井上泰男・渡邊昌美訳、刀水書房、1998年)です。この本は、中世
2025年3月7日から公開される『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』は、1980年に公開された初の映画版ドラえもん『のび太の恐竜』以来、45周年の記念作です。 「映画ドラえもん」シリーズ45周年記念作品! 絵の中に飛び込んだ先には、アートリア公国という、壮大な中世ヨーロッパの世界が広がっていた―― 新たに出会った仲間たちとともに、ドラえもんとのび太たちが幻の宝石をめぐり強大な敵に立ち向かう、ワクワクドキドキの完全オリジナルストーリー! そして今回の舞台は「13世紀ヨーロッパのアートリア公国」。予告版を見る限り、西洋中世風の街並みや城塞を背景に、剣と魔法が機能し、ドラゴンが暴れ回る世界のようです。異(絵)世界転生ドラえもん版、といったところでしょうか。子供にせがまれて一緒に観に行くことになるでしょうが、とても楽しみな一作です。 『狼と香辛料』、『ヴィンランド・サガ』、『葬送のフリーレン』、
中世哲学会について 本会は中世哲学および中世思想一般の研究に関心を有する者をもって組織される全国規模の学術団体です。主な活動として年に一度の大会、年刊の会誌『中世思想研究』の発刊を行っています。1952年(昭和27年)の設立で、会員数は現在約190名です。 ご案内 ■『中世思想研究』67号(2025年9月発行予定)への論文投稿は受付を終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。68号(2026年9月発行予定)への論文投稿の受付は 2025年12月15日 から 2026年1月15日 までが予定されています。 ■研究機関誌『中世思想研究』の「中世哲学会研究機関誌投稿規程」および「シンポジウム関連原稿執筆規程」「『中世思想研究』原稿執筆のガイドライン」が改定されました。改定された規程については、右の「学会誌 中世思想研究」のバナーをクリックしてご確認下さい。 ■「個人情報に関する基本方
情報処理安全確保支援士の2024年度法定講習(オンライン講習)のうち、単元6「倫理とコンプライアンス」で紹介されていた資料とその掲載先ページを探してリストアップしました。 一部資料はPDFやEXCELファイルへの直リンクとなっていたり、アクセス先のページが消えていたりしたため、ブログ作成時に調べたものを掲載しています。 講習について詳しくはIPAの以下ページをご参照ください。 https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/forriss/koushu/index.html 単元リスト 2024年度のオンライン講習は以下6単元でした。 単元1 2024OL1_情報処理安全確保支援士に期待される役割と知識 単元2 2024OL2_サイバーセキュリティ各国動向 単元3 2024OL3_システムライフサイクルプロセスとセキュリティ対策 単元4 2024OL4_システムライフサ
はじめまして。カスティーリャ中世の政治史を専門としている大原志麻と申します。「第6章 交易ともの」の「ワインとビール」を藤井真生先生とともに担当しました。政治史をやっているのになぜ「ワインとビール」なのか、ワイン文化圏が専門なのになぜこれからビールについて書くのかについては、私が「静岡大学・発酵とサステナブルな地域社会研究所」(以下発酵研)をやっているところにあるものと思っています。 発酵研では、歴史的由緒のある場から花酵母を単離し、ストーリー性により高付加価値化したビール、ウイスキー、日本酒の開発に関わっています。産学連携の重要性がさかんに説かれている昨今、人文社会科学という領域は、理農工教や共創などの領域とくらべると、産業や地域社会との協働のきっかけを得ることが相対的に容易でないように思います。発酵研も人文単独ではなく、上記の諸分野の研究者と連携して活動しています。そのスタートラインは
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