政府が進める紙の保険証の廃止と、「マイナ保険証」の導入。今年12月にはマイナ保険証への一本化を強行する構えを示すなか、影響を受けるのは市民だけではない。町の小さな医院や歯科クリニックがシステム変更による負担増を強いられ、続々廃業に追い込まれているのだ。暮らしを支える「かかりつけ医」の現場で、何が起きているのか。【前後編の後編。前編から読む】 なぜ、マイナ保険証の導入が、地域の医療体制を不安にするほど医療機関の経営を圧迫するのか。 政府は昨年4月から医療機関にマイナ保険証の対応を義務化した(完全義務化は今年9月)。それに合わせて診療所や歯科医院に1台、病院には最大3台の「読み取り装置」を無償配布したり、購入する際に補助金を出した。 小規模な医院にかかっても受付にマイナ保険証の読み取り装置が置かれているのはこのためだ。 政府はマイナ保険証導入の医療機関側の実質負担はゼロと説明している。 だが、