「待機児童解消のため、公立が率先して定員以上に子どもを預かっている状態です。ルールの範囲内とはいえ、これでは、いつ事故が起きてもおかしくない状態です」 都内の公立保育園で働くベテラン保育士が危機感を募らせる。 一般的には「手厚い保育が受けられる」、「ベテランも多くて安心だ」と思われている公立だが、前回の記事のような、親子を守るべき公立保育園が親子を冷遇するという以外にも問題が起こっている。保育士や保護者にとって最も心配な保育事故やヒヤリ・ハットが、初歩的なミスと思われるものまで発生している。 公立保育園の事故・事件について調査している品川区の田中さやか区議が数年前に入手した同区の資料によれば、事故の多くは食物アレルギーのある子の誤食や誤飲なのだが、驚くべきヒヤリ・ハットの実態も浮き彫りになった。 「片付け中、園児が持っていたモールをコンセントの穴に入れ、火花が散りショートして指を火傷する」