一筋縄ではいかない設備投資ホンハイを始めとする台湾企業はAIユニットの受託製造にヒト、モノ、カネを再配分し、収益は一気に回復へと向かった。3月ごろから株価上昇のモメンタム(勢い)は強まり、韓国株と比べても台湾企業の成長期待は大きい。 今後、台湾企業はAI分野での成長機会を生かすため、設備投資を積み増すことになるだろう。 しかし自国内での供給能力の拡充は容易ではない。台湾ではIT分野の人材が不足している。また、半導体の製造やチップのケースへの封入、パソコンの生産などに欠かせない土地、電力、水はいずれも不足気味だ。TSMCが熊本県に第3工場の建設を検討するのは、そうした制約に対処する狙いもあるのだろう。 近年は台湾海峡の緊迫感も上昇している。欧米諸国やわが国にとって、戦略物資でもある半導体の自国内生産は喫緊の課題だ。一方、台湾企業にとっても、地政学リスクへの対応は避けて通れない。主要先進国や新