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哲学 カール・ヤスパースの検索結果1 - 40 件 / 61件

  • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

    2024年6月30日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,053点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

      ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
    • コロナの対策から見えてくる各国政府のイデオロギー

      ドイツの哲学者のカール・ヤスパース Karl Jaspers は、打開困難な【限界状況 limit situation】にあるとき、人は【実存 existentia】に覚醒すると主張しました。この見地に立てば、コロナ禍における政治・経済に対する意見の表明は、各自の政治的・経済的なイデオロギーを顕在化させたものと言えます。この記事では、コロナ対策において各国政府がどのような政治的・経済的指向を示したのかマクロに見ていきたいと思います。 政治統制 政治統制の強さは国家のイデオロギーを示す一つの尺度となります。コロナ禍における政治統制の強さを表す一つの指標としては、オックスフォード大学の研究グループ(OxCGRT)がオンラインサイトの[Our World in Data]で公開している【厳格度指数 Stringency Index】があります。 この指数は、学校閉鎖・職場閉鎖・公共イヴェント開催

        コロナの対策から見えてくる各国政府のイデオロギー
      • 読むべき本と読めない本の難しい関係 ~ヤスパース『精神病理学総論』は大古典らしく頻繁に引用されるが通読はされないらしい - 日々是〆〆吟味

        本と読書と読める量 実存主義者ヤスパースと精神医学 読まれないらしいヤスパースの大著 【ヤスパース『精神病理学総論』】 読むことが困難な多くの本たち 【バイヤール『読んでない本について堂々と語る方法』】 前回のお話 waka-rukana.com 本と読書と読める量 実存主義者ヤスパースと精神医学 ハイデガーの影響によって実存主義というものも出てきたそうなのですが(よく知らない。ちゃんと読んでない)、その中の1人であるヤスパースは最初哲学者ではありませんでした。じゃあなにをしていたのかというと、精神医学者だったそうです。 読まれないらしいヤスパースの大著 ヤスパースの書いた精神医学の本はとても大きなもので、日本では3分冊されて出版されています。私も読んでないのですが、どうやら世界的にもちゃんと読まれてないらしく、この本の一冊選集版みたいなものを出された本の序文で色々面白いことを書いてありま

          読むべき本と読めない本の難しい関係 ~ヤスパース『精神病理学総論』は大古典らしく頻繁に引用されるが通読はされないらしい - 日々是〆〆吟味
        • ハイデガーと実存主義と実存主義者への態度とその影響 - 日々是〆〆吟味

          ハイデガーと実存主義者たち ハイデガーと実存主義 【手塚治虫『ネオ・ファウスト』】 【サルトル『嘔吐』『実存主義とは何か』】 実存主義者とは異なるらしいハイデガー サルトル以外にも影響した実存主義者たち 【ヤスパース『哲学』,マルセル『存在と所有』】 前回のお話 waka-rukana.com ハイデガーと実存主義者たち ハイデガーと実存主義 ハイデガーに影響を受けたのは別に日本人だけではなく(当たり前か)ヨーロッパでもそうでした。その中でなんとなく直接ハイデガーの後を引いたような印象があるのがサルトルかもしれません。 サルトルは実存主義の代表的哲学者ですが、同時に作家でもあります。小説にも『嘔吐』という有名なものがあります(でも文芸批評家の江藤淳は、サルトルの小説は『嘔吐』以外面白くない、なんて書いてたなぁ)。ちなみに日本に講演しにきたこともあって、手塚治虫の漫画にそんな様子が1コマ書い

            ハイデガーと実存主義と実存主義者への態度とその影響 - 日々是〆〆吟味
          • 「ルックバック」における統合失調症描写について①:基礎知識編 - あままこのブログ

            藤本タツキ氏が描いた短編マンガ「ルックバック」 ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+ における犯人の描写について、インターネット上で様々な意見が出ています。 anond.hatelabo.jp anond.hatelabo.jp erikoshinbun.hatenablog.com ただ、インターネット上でのこれらの議論への反応を見ていると、そもそも精神疾患、特に今回問題となっている統合失調症というものへの理解があまり得られてないのに、議論を進めてしまっているように見えます。 かく言う僕自身、統合失調症についてそんなに詳しいわけでもなかったので、上記の議論を正直良く理解は出来ていませんでした。 そこで今回は、僕なりに統合失調症について調べて、その上で、付け焼き刃の知識ではありますが 統合失調症とはどういう病なのか 「ルックバック」における描写の何が問題となっているか というこ

              「ルックバック」における統合失調症描写について①:基礎知識編 - あままこのブログ
            • 面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(後編)

              世界史を学びなおす最適な入門書から、歴史をメタに語る一冊まで、徹底的に熱く語り合った2時間をまとめた。 前編はこちら youtube動画はこちら 世界をバズらせる スケザネ:「書かれたものが世界を変える」という観点だと、これにつながりそう。『「世界文学」はつくられる:1827-2020』(秋草俊一郎、東京大学出版会)という本で、「世界文学」という概念がどのように作られ、変わっていったかがテーマです。以前の対談でも話題になってたやつです。 そこに、ゴーリキーの世界文学叢書が出てきます。ソビエト連邦という国家が誕生し、当代一流の世界文学を集めて出版しようという話になった。実はここに、政治的な動機がありました。 ロシア文学だけでなく、世界各国の言語から優れた作品を選び取り、なおかつ全集として出せるというのは、それだけロシアが文化的に先進的だという政治的なメッセージになるのです。国や言語を越境して

                面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(後編)
              • |TALK 05|松本卓也 × 東畑開人|ケアが「閉じる」時代の精神医療── 心と身体の「あいだ」を考える

                マルチスピーシーズ人類学研究会の「COVID-19を分野横断的に考える 」シリーズ第五弾。社会的距離化が一般化した環境において「心のケア」のオンライン化が果たして可能なのか、可能だとすればそれはどういった形なのか、あるいは、そもそも物理的な対面とはなんだったのか——をめぐって。 << TALK 01|奥野克巳 × 近藤祉秋|ウイルスは人と動物の「あいだ」に生成する──マルチスピーシーズ人類学からの応答を読む <<TALK 02|逆卷しとね × 尾崎日菜子|接触と隔離の「あいだ」を考える──コロナの時代の愛をめぐってを読む <<TALK 03|吉村萬壱 × 上妻世海|都市を彷徨える狩猟民に〈知恵〉はあるのか──私と国の「あいだ」を/で問い直すを読む <<TALK 04|清水高志 × 甲田烈|我々は対象世界を《御すること》はできない── 既知と未知の「あいだ」の政治を読む この記事は、マルチス

                  |TALK 05|松本卓也 × 東畑開人|ケアが「閉じる」時代の精神医療── 心と身体の「あいだ」を考える
                • 外岡秀俊の「コロナ 21世紀の問い」(17)哲学者・高橋哲哉さんと考える 歴史認識と「犠牲のシステム」

                  コロナ禍のもとで生まれた「BLM(ブラック・ライブズ・マター)」運動は、各地で奴隷制や人種差別にかかわった人物の銅像引き倒しや、破壊にまで突き進み、その動きは欧州にも波及した。いま。なぜ社会に組み込まれた「構造的差別」が問題にされているのか。哲学者の高橋哲哉さんと共に考える。 BLM運動の背後にある「構造的差別」 すでにノーマ・フィールドさんの回でお伝えしたように、ジョージ・フロイドさん殺害事件をきっかけに全米で広がったBLM運動は、南北戦争で奴隷制維持の側に立った南部連合の指導者の銅像引き倒しや、南軍の旗をあしらった州旗のデザイン変更、先住民を指す「ワシントン・レッドスキンズ」のチーム名変更などの動きにまで広がった。 それだけではない。米紙ニューヨーク・タイムズは2020年6月16日付(電子版、同25日改稿)の「歴史の再考」という記事で、「バージニアからニューメキシコまで、警察の暴力への

                    外岡秀俊の「コロナ 21世紀の問い」(17)哲学者・高橋哲哉さんと考える 歴史認識と「犠牲のシステム」
                  • 知の大爆発、哲学もキリスト教も仏教もここで生まれた

                    出口治明氏 立命館アジア太平洋大学(APU)学長 1948年、三重県美杉村(現・津市)生まれ。1972年、京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更。2012年上場。10年間社長、会長を務める。2018年1月より現職。(写真:山本 厳) 「知の大爆発」前史 ある王様がいます。東の方にも別の王様がいるらしいのですが、どちらが偉いのか、どちらが上なのか分かりません。昔は新聞もテレビもありませんから様子が分からない。ではどうするかというと、一般には使者を送ります。美人を連れていったり、宝貝を山ほど持って相手の王様にプレゼントして「どうだ、俺はこんなに偉いぞ」と見せつけたりするわけです。もらった方は倍返しです。「いや、俺

                      知の大爆発、哲学もキリスト教も仏教もここで生まれた
                    • 西洋哲学者を一言でラヴェリングしてみた。まとめ - masaki-blog

                      こんにちは。Masakiです。 西洋の哲学者を一言でラヴェリングしました。 哲学記事のデータベースとして随時更新していきます。 (更新日2019/12/22 最終更新日2019/12/29) 西洋哲学者一覧 タレス アナクシマンドロス アナクシメネス ヘラクレイトス パルメニデス エレアのゼノン エンペドクレス レウキッポス デモクリトス プロタゴラス ソクラテス プラトン アリストテレス エピクロス ストアのゼノン ピュロン フランシスベーコン デカルト パスカル ライプニッツ ジョージバークリ デイヴィッドヒューム トマスホッブズ ロック ジェレミベンサム ジョンスチュアートミル ヨハンゴットリープフィヒテ フリードリヒシェリング フリードリヒ・ヘーゲル ショーペンハウアー ロバートオーウェン カール・マルクス オーギュストコント エミールデュルケーム マックスウェーバー ジョンデュー

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                      • エルンスト・ユンガーと私たちの20世紀|有志舎

                        糸瀬  龍(東京都立大学人文社会学部ほか非常勤講師) ※写真は第一次世界大戦後、「プール・ル・メリット」勲章 などを受賞した頃の若きユンガー。 ◆エルンスト・ユンガーとは誰か 以前ある著名な文芸批評家と会った際、「エルンスト・ユンガーの研究をやっています」と自己紹介した私に対して、その批評家は「あー、戦争の人ですね……」と応答した。「戦争以外にもいろいろあるんですよ」と言いかけて、しかし私はそれ以上二の句を継げなかった。ユンガーは「戦争の人」なのだ、そこから出発してもっとこの作家の振幅や思想の内実を解き明かしたいし、世の人々に知って欲しいというのが、これまで飽きもせずユンガーについて考えてきたことの動機である。ユンガーが作家活動を始めたドイツ・ヴァイマル共和国期は、ユンガーよりも多大な思想的足跡を残した思想家や、現在までユンガーとは比べものにならぬほど多くの読者を獲得してきた作家に事欠かな

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                        • リストは思考を飛躍させる「輝ける雲」である (往復書簡 No.2)|ほりまさたけ

                          この記事は、ブログ R-Style の倉下さんとの往復書簡形式のnoteです。拙著「リストの魔法」の発刊にあわせて「リストとライフハック」というお題で記事をいただいていましたので、そのアンサー記事を書いていきたいと思います。 ここからどのような流れになるのかまったく不明ですが、こうしたやりとりをおこなうことができるのもnoteの一つの使い方ですので、お楽しみいただければと思います。 リストとライフハックについて倉下さんへ。 丁寧な記事ありがとうございました。「リストの魔法」の初稿ゲラにコメントをいただいたのがもう去年の夏の終わりころだったと思いますが、それとはまったく違う本に仕上がったものをお届けできたかと思います。 さて、この往復書簡という形式については私も思い入れがあります。たとえば私がその考え方に親しみを抱いているカール・ヤスパースはハイデッガーやアーレントと書簡を通して盛んに議論を

                            リストは思考を飛躍させる「輝ける雲」である (往復書簡 No.2)|ほりまさたけ
                          • 哲学者が語る「幸せな老後を送っている人」に共通する3つの態度

                            当サイトでは、サイトの利便性向上のため、クッキー(Cookie)を使用しています。 サイトのクッキー(Cookie)の使用に関しては、「プライバシーポリシー」をお読みください。 日本人の平均寿命は男女ともに伸び続けており、何十年と続く長い老後をどう生きるか、その方法を模索している方は多いでしょう。幸福で穏やかな老後を実現させる術とはどんなものでしょうか? 本稿では、そもそも「幸福」とは何か、そして自分のため、周囲のためにどう生きるべきか、哲学者の岸見一郎さんが語ります。 ※本稿は、岸見一郎著『老いる勇気』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。 毎日を機嫌よく生きる 幸福でありたいと思い、その術や生き方の指針を求めるならば、まず「幸福とは何か」ということを考えることから始める必要があります。 人生とは何か、人間にとって幸福とは何か──。これは古代ギリシア以来の哲学の中心テーマ

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                            • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 2022年1月

                              世界史を学びなおす最適な入門書から、歴史をメタに語る一冊まで、徹底的に熱く語り合った2時間をまとめた。 前編はこちら youtube動画はこちら 世界をバズらせる スケザネ:「書かれたものが世界を変える」という観点だと、これにつながりそう。『「世界文学」はつくられる:1827-2020』(秋草俊一郎、東京大学出版会)という本で、「世界文学」という概念がどのように作られ、変わっていったかがテーマです。以前の対談でも話題になってたやつです。 そこに、ゴーリキーの世界文学叢書が出てきます。ソビエト連邦という国家が誕生し、当代一流の世界文学を集めて出版しようという話になった。実はここに、政治的な動機がありました。 ロシア文学だけでなく、世界各国の言語から優れた作品を選び取り、なおかつ全集として出せるというのは、それだけロシアが文化的に先進的だという政治的なメッセージになるのです。国や言語を越境して

                                わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 2022年1月
                              • おどろきの中国

                                1. 本との出会い 新聞の書評でこの本のことを知り、一読して良い本だと思いました。まず、ホームページに載せてみようと思い、暑い夏にがんばって、やっとまとめることができました。 2. 本の概要 日本を代表する3人の社会学者が、対処療法ではない視座を求めて討論した結果をまとめてあります。今、中国との間で問題になっている歴史認識、靖国問題を考えるために、まずこの本を読んでから、考え議論して戴けたらと思っています。 3. 本の目次 まえがき 第1部 中国とはそもそも何か 1 中国は「国家」なのか? 14 2 2千年以上前に統一できたのはなぜか 26 3 政治的統一こそが根本 32 4 中国的生存戦略の起源 37 5 儒教はなぜ歴代政権に採用されたか 45 6 安全保障が何より大事 54 7 科挙と宦官の謎 64 8 ランキングへの異様なこだわり 72 9 漢字の秘密 85 10 日本人と漢字の関係

                                • 【現代の知の巨人・出口治明大阪・梅田講演会ダイジェスト3】“知の爆発”はなぜ、BC500年頃に全世界で一斉に起きたのか?

                                  出口治明 立命館アジア太平洋大学(APU)学長 1948年、三重県美杉村生まれ。 京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。 企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。 ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。 同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。 2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命保険株式会社に社名を変更。 2012年、上場。社長、会長を10年務めた後、2018年より現職。 訪れた世界の都市は1200以上、読んだ本は1万冊超。 歴史への造詣が深いことから、 京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では世界史の講義を受け持った。 おもな著書に『哲学と宗教全史』(15万部突破)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『仕事に効く教養としての「世界史」I・II』(祥伝社)、『全世界史(上)(下)

                                    【現代の知の巨人・出口治明大阪・梅田講演会ダイジェスト3】“知の爆発”はなぜ、BC500年頃に全世界で一斉に起きたのか?
                                  • 『みんなちがって、 みんなダメ』著・中田考【無料全文掲載】|KKベストセラーズ

                                    『13歳からの世界征服』が話題になっているイスラーム法学者・中田考(なかた・こう)先生の『みんなちがって、みんなダメ-身の程を知る劇薬人生論-』を無料で全文掲載します。 手前味噌ですが…キャッチーな表紙の印象通り、わかりやすい文体で読みやすく「目からウロコ」的な読後感のある1冊です。 お試し感覚でご一読くださいませ。 ※本記事は予告なく掲載終了する場合がありますので、気になる方は早めにお読みください。 まえがき 人間はみなダメです。 「人間にはまだ知らないことがある」などという意味ではありません。 また「宇宙の事象は無限であり、人間の知識はしょせん有限でしかないので、有限はいかに大きくても無限と比べれば無であるから、人間の知などゼロに過ぎない」といった話をしているのではありません。「宇宙の彼方の星ヒミコには現在ウサギに似た宇宙人が住んでいるかどうかはわからないだろう」などと言いたいわけでも

                                      『みんなちがって、 みんなダメ』著・中田考【無料全文掲載】|KKベストセラーズ
                                    • 訳者あとがきウェブ公開 「憲法問題に向き合おうとするすべての人びとに」 | WEBみすず

                                      本書『革命論』は、『活動的生』に続く、ハンナ・アーレントの第二の哲学的主著である。現代における政治哲学の可能性を拓くうえで頼もしい道しるべとなる20世紀の古典を、新訳でここにお届けする。 本書の英語版Hannah Arendt, On Revolution, 1963は、つとに志水速雄氏によって日本語に訳され、広く読まれてきた(『革命について』合同出版、1968年。改版:中央公論社、1975年。文庫化:筑摩書房、1995年)。しかしそれとは別に、ドイツ語版Über die Revolution, 1965から新たに訳すことに意義があると私は考え、『活動的生』の邦訳刊行(みすず書房、2015年)に続いて、翻訳作業に取り組んできた。 翻訳を進めていく中で、私は本書に、英語版からの既訳に付けられた書名『革命について』ではなく、ずばり『革命論』というタイトルを冠したいと考えるようになった。それはた

                                        訳者あとがきウェブ公開 「憲法問題に向き合おうとするすべての人びとに」 | WEBみすず
                                      • 「世界規模での知の爆発」が約2500年前に人類で起こった背景 | ゴールドオンライン

                                        紀元前500年頃を中心とする前後300年は「枢軸時代」と呼ばれ、ギリシア、インド、中国と東西を問わず哲学が生まれた時代です。哲学はその後、さまざまな学問の源流となりました。人間の思考全体の流れをつかむために、西洋哲学の成り立ちについて見ていきましょう。※本連載は、堀内勉氏の著書『読書大全』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。 紀元前5世紀頃、さまざまな学問の源流「哲学」が誕生 「哲学」という言葉は、教育家で啓蒙思想家の西周(にしあまね)によって、明治初めに英語の"philosophy"(フィロソフィー)の訳語として作られました。"philosophy"という言葉は、ギリシア語の“philosophia"(フィロソフィア)に由来し、“sophia”(ソフィア、知恵)と“philein”(フィレイン、愛する)が結びついたもので、「知恵を愛する」という意味です。 人間は全知全能の神と

                                          「世界規模での知の爆発」が約2500年前に人類で起こった背景 | ゴールドオンライン
                                        • つながりとファクトから読み解く食の意義と日本の食 | ウェブ電通報

                                          海外で暮らす外国人中高所得者層向けの電通独自調査「ジャパンブランド調査」(概要はこちら)の最新データを見ながら、ジャパンブランド(訪日観光・日本の食・日本製品など)の現状と、今後の日本のポテンシャルを探る本連載。今回のテーマは「食」です。 <目次> ▼想像を超える食と知のつながり ▼ユーラシア大陸の東端の沖合へ ▼日本料理と日本食材の世界商品 ▼うま味の理解は三者三様 ▼食には、周辺領域とのペアリングとストーリーテリングが必須要件 想像を超える食と知のつながり 一日三食。そんな当たり前のように習慣化されている食には、いくつもの知られざる壮大な物語が眠っています。2400余年前、古代中国で諸子百家が誕生した背景は、「食客」の存在を抜きにして語ることはできません。食客とは各地の権力者の邸宅に居候する人たちのことです。食客三千という四字熟語があるように、有力者たちはおのおのが抱えている食客の数を

                                            つながりとファクトから読み解く食の意義と日本の食 | ウェブ電通報
                                          • 百木漠・戸谷洋志対談「ハンナ・アーレントとハンス・ヨナスの思想」 - 株式会社 人文書院

                                            百木漠『アーレントのマルクス』(人文書院)、戸谷洋志『ハンス・ヨナスを読む』(堀之内出版)刊行記念対談 「ハンナ・アーレントとハンス・ヨナスの思想」 (2018年3月24日 於:TKPガーデン東梅田 主催:清風堂書店梅田店 共催:堀之内出版、人文書院) 研究のきっかけと経緯 百木 このイベントのタイトルは「ハンナ・アーレントとハンス・ヨナスの思想」です。僕がアーレント担当で、戸谷さんがヨナス担当です。アーレントとヨナスというのは生涯を通じて親しい友人でした。思想的にもお互いに影響を受け合っていたし、もともと二人ともハイデガーの弟子だった。どちらもユダヤ人だったので、ナチスが出てきたときにドイツから亡命して、それぞれの道を歩まねばならなくなる。最終的にはともにアメリカに居住してそれぞれの思想を展開することになりますが、アーレントとヨナスの思想的関係はあまり知られていません。アーレントは最近い

                                            • 現存在としての人間に関する限界状況を経て - 地底たる謎の研究室

                                              題名:現存在としての人間に関する限界状況を経て 報告者:ダレナン ヒトが生物的に持つ限界と言えば、死となる。いかなる人間であっても、生物的な死は、逃れようにも逃れられない。科学の発展とともに、それは忘れさられようとしても、やがて訪れる死は、今はまだ人類共通の普遍的な原理でもある。そのことから、限界となる状況は、いわば平等に課せられた人類の課題でもある。例え、これを打破したとしても、明日、また、明後日も同じ状況が続く発展のない世界は、今度はまた逆に進歩のない(いらない)世界でもあろうか。そう考えると、生と死は、進歩という括りで、神によって巧妙に操られている仕組みなのかもしれない。 ドイツの哲学者で、精神科医であったカール・ヤスパースは、現存在としての人間が、いかなる人間の力や科学の力をもってしても克服できない、逃れることのできない状況、すなわち、これは人間を限界づけている普遍的な状況であると

                                                現存在としての人間に関する限界状況を経て - 地底たる謎の研究室
                                              • 【出口学長・週末特別講義】現代の知の巨人が暴き出す哲学の祖「タレス」の本当の正体

                                                1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年に生命保険準備会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年の生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社を開業。社長、会長を10年務めたのち、2018年より立命館アジア太平洋大学(APU)学長。2024年より現職。 哲学と宗教全史 世界1200都市を訪れ、1万冊超を読破した“現代の知の巨人”、 稀代の読書家として知られる出口治明APU(立命館アジア太平洋大学)学長。 歴史への造詣が深いことから、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では 世界史の講義を受け持った。 その出口学長が3年を

                                                  【出口学長・週末特別講義】現代の知の巨人が暴き出す哲学の祖「タレス」の本当の正体
                                                • 『日本国史の源流  縄文精神とやまとごころ』 by  田中英道  - Megurecaのブログ

                                                  日本国史の源流 縄文精神とやまとごころ 田中英道 育鵬社 2020年10月1日 初版第一刷発行 とある勉強会で、「とんでも本と言われているかもしれないけれど、面白いから是非」と紹介されていた本。面白そうなので、借りてみた。 著者の田中英道さんは、昭和17年(1942年)東京生まれ。東京大学文学部仏文科、美術史学科卒。文学博士。東北大学名誉教授。フランス、イタリア美術史研究の第一人者として活躍する一方、日本美術の世界的価値に着目し、精力的な研究を展開している。また日本独自の文化歴史の重要性を提唱し日本国史学会の代表を務める。 なかなか派手な表紙。大きな文字が踊っている。 帯には、 「日本国は、どのようにして作られたのか? 日本人は何をよりどころにしてきたのか? 『縄文精神』と『やまとごころ』の二つのキーワードから日本国史の本質を読み解く」 と。 「やまとごころ」と「やまとだましい」は違うのだ

                                                    『日本国史の源流  縄文精神とやまとごころ』 by  田中英道  - Megurecaのブログ
                                                  • 差延 - ハイデッガーの存在論的差異との関係 - わかりやすく解説 Weblio辞書

                                                    ウィキペディア 索引トップ 用語の索引 ランキング カテゴリー 差延 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/29 08:20 UTC 版) ハイデッガーの存在論的差異との関係 ものが存在するという出来事をハイデッガーは、存在する対象として語りうるものとは、どうあっても異なるものであると考え、この違いを存在論的差異(Ontologische Differenz)と呼んだ。 この還元できない根源的な違いにこだわる限り、「ものが存在するということは、そのもののこれこれこういう性質である」という形式の説明は一切できない。性質や属性は、「これこれの性質が存在する」という形で語りうる対象だからである。存在することは、ものの属性ではない。また「ものが存在するということは、より基本的な何かの在り方のモードや振る舞いである」という形の説明も解決にならない。その基本

                                                    • 死の隠蔽-哲学.jp

                                                      私たちは、人間は死すべき者だということを 知ってはいますが、自分の問題として考えてはいません。 死ぬのは他人が先であって、 自分はまだまだ死なないと思っています。 そして実際には自分もいつ死ぬか分からないのに、 死を「他人の死」と解釈して 自分から死を隠していると 二十世紀最大の哲学者の一人、 ハイデガーは言っています。 あれこれの近親者や遠縁の人が「死ぬ」。見知らぬ人々ならば、毎日、毎時間、「死んでいく」。「死」は、世界の内部で起こる当り前の出来事である。…そして世間はまた、この出来事にそなえてすでに一つの解釈を用意している。死について口にだして、あるいはたいていは言葉をはばかるようにして世間が漏らす話の趣旨は、《人はいつかはきっと死ぬ、しかし当分は自分の番ではない》ということなのである。……このような話の中で、死は漠然とやがてどこかからやってくるに違いない何かあるものとして、しかし当分

                                                      • 現代の哲学的人間学 (新装復刊)

                                                        出版社内容情報 9人の思想家の連続講演から成る「今日の哲学的人間学」にハイデガーとヤスパースの論考を加えて、哲学的人間学の成果と問題点を鳥瞰する。<初版1976年> 内容説明 哲学的人間学とは、人間存在を全体的・総合的に捉え直そうとする学問であり、現代哲学の一つの基本的な方向づけを意味するものである。本書は、フロム、ゲーレン、レーヴェルスなど、十一人の思想家の講演を基に成った『今日の哲学的人間学』所載の論稿を編集したものであり、この学問の成果と問題点を様々な角度から明らかにする。 目次 ボルノウ「哲学的人間学とその方法的諸原理」 プレスナー「隠れたる人間」 プレスナー「生きものとしての人間―ポルトマンのために」 ヘングステンベルク「現代の哲学的人間学における責任ある言表の問題―合事象性の人間学の試み」 フロム「哲学的人間学と心理分析―ジークムント・フロイトの人間像」 ゲーレン「行動学の倫理

                                                          現代の哲学的人間学 (新装復刊)
                                                        • 筑摩書房(Chikuma Shobo)/世界文学大系 全96巻+別巻2 1958-1968年

                                                          『世界文学大系01』 translator:呉茂一(Kure Shigeichi)/他 Publisher:筑摩書房(Chikuma Shobo) commentary:高津春繁(Kōdu Harushige) 1961 「オデュッセイア」 ホメロス(Homerus) 「イーリアス」 ホメロス(Homerus) 「ホメーロス論二編」 translator:井上究一郎(Inoue Kyūichirō) 『世界文学大系02』 translator:呉茂一(Kure Shigeichi)/他 Publisher:筑摩書房(Chikuma Shobo) commentary:高津春繁(Kōdu Harushige) 1959 ギリシア・ローマ古典劇集 「アガメムノン」 アイスキュロス(Aiskhulos) 「供養する女たち」 アイスキュロス(Aiskhulos) 「慈みの女神たち」 アイスキュロス

                                                          • ドイツの新たな排外主義〔ショーヴィニズム〕第1部〔前半〕|人民新聞

                                                            ブエ・リュブナー・ハンセン (https://lefteast.org/the-new-german-chauvinism-part-i/より) (Újvidéki vérengzés áldozatainak emlékműve (Memorial to the victims of the NoviSad massacre), Mészáros Zoltán via Wikimedia Commons.) 人は過去から解放されたがっている。それは正しい、なぜなら過去の影に隠れて生きることは決してできないし、罪と暴力が罪と暴力で償われる限り、恐怖に終わりはないからだ。 そしてそれは誤っている、なぜなら逃れたいと思う過去がまだ生きているからである。 テオドール・W・アドルノ ドイツでは現在、2 つの重大かつ深刻な参与のいずれかを選択することを余儀なくされている。すなわち、民間人の大量殺戮に

                                                              ドイツの新たな排外主義〔ショーヴィニズム〕第1部〔前半〕|人民新聞
                                                            • 【カール・ヤスパースとは】思想的特徴を著作からわかりやすく解説|リベラルアーツガイド

                                                              カール・ヤスパースの実存思想とは、自己の有限性を自覚した上で、私たちはいかにして生きていくべきかを考える哲学思想です。 定義的な説明だけではわかりにくと思いますが、ヤスパース哲学は実存主義哲学を語る上で極めて重要です。そのため、主著からヤスパース哲学の全体像を理解する必要があります。 そこで、この記事では、 ヤスパースの伝記的情報・思想的特徴 ヤスパースと『世界観の心理学』と『哲学』 をそれぞれ解説していきます。 好きな箇所から読み進めてください。

                                                                【カール・ヤスパースとは】思想的特徴を著作からわかりやすく解説|リベラルアーツガイド
                                                              • カール・ヤスパースのオッペンハイマー批判 - 私の闇の奥

                                                                アルベール・カミュは1842年7月に『異邦人』を刊行し、同年12月に彼の哲学的著作『シーシュポスの神話』を刊行しました。その始めのところで、カミュはカール・ヤスパースの言葉を引用して、人間の存在についてのヤスパースの実存哲学的思考に批判と反抗を試みています。 ロバート・オッペンハイマーは1904年に生まれ、1967年になくなりました。百年目を記念して、『Reappraising Oppenheimer  Centennial Studies and Reflections』(Edited by Cathryn Carson and David A. Hollinger, 2005) という本が出版されました。タイトル通り、「オッペンハイマーを評価し直す」ことを標榜する学術書的出版物です。2頁の写真を含めて、細字425頁、読み応えは充分ですが、私がその内容に異議を唱える余地も充分あります。私

                                                                  カール・ヤスパースのオッペンハイマー批判 - 私の闇の奥
                                                                • 名著69 全体主義の起原:100分 de 名著

                                                                  1963年広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。専門は法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を分かりやすく読み解くことで定評があり、近年は演劇などを通じた思想の紹介にも取り組む。著書は『今こそルソーを読み直す』(NHK出版生活人新書)、『集中講義! 日本の現代思想』『集中講義! アメリカ現代思想』(以上、NHKブックス)、『今こそアーレントを読み直す』(講談社現代新書)、『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』(作品社)、『教養としてのゲーテ入門─「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで─』(新潮社)など多数、訳書に『完訳 カント政治哲学講義録』(ハンナ・アーレント著、ロナルド・ベイナー編/明月堂書店)などがある。 ◯『全体主義の起原』 ゲスト講師 仲正昌樹 今なぜアーレントを読むか ハンナ・アーレントは、一九〇六年にドイツで生まれ、主にア

                                                                  • アルミン・モーラー - Wikipedia

                                                                    アルミン・モーラー(Armin Mohler, 1920年4月12日バーゼル - 2003年7月4日ミュンヘン)は、ドイツ語系スイス人の評論家、保守革命の思想史家。 略歴・人物[編集] バーゼルのギムナジウムを出て、1932年、バーゼル大学で芸術史、ドイツ文学、哲学を学ぶ。オスヴァルト・シュペングラーの主著『西洋の没落』や、さらにそれ以上にエルンスト・ユンガーの代表的エッセイ『労働者』の影響を受ける。 20歳になった1940年に召集されスイス軍に入隊するが、1942年2月に脱走し、非合法で国境を越えてドイツに入国し、ナチス武装親衛隊に志願する。武装親衛隊の入隊検査に落ち、戦争志願兵にはならなかったが、ベルリンで一年間、芸術史を研究し、その年にスイスに帰国。非合法的越境の罪で1年間の要塞禁錮の刑を受ける。 1949年にカール・ヤスパースを指導教官として提出した論文「ドイツの保守革命」で学位を

                                                                    • ルイジ・パレイゾン - Wikipedia

                                                                      ルイジ・パレイゾン(Luigi Pareyson, 1918年2月4日 - 1991年9月18日)はイタリアの美学者、哲学者。実存主義に根ざしつつも独自の「解釈学」を打ち立てた。 ピアスコ生まれ。1939年、トリノ大学にて博士号を取得。 トリノ大学で教え、門下生にウンベルト・エーコやジャンニ・ヴァッティモがいる。 生涯[編集] パレイゾンは1918年2月4日、クーネオ県のピアスコに生まれた。両親は共にヴァッレ・ダオスタ州の出身である。1939年、弱冠21歳でトリノ大学にて哲学の学士号を取得。その早熟さゆえに、ジョヴァンニ・ジェンティーレなど当時の名声ある哲学者たちに注目された。 ジョエーレ・ソラーリとアウグスト・グッツォの弟子としてトリノに学び、ドイツにおいてカール・ヤスパースの薫陶を受けたのち、パレイゾンはトリノのカヴール古典高等学校とクーネオの古典高等学校において哲学を教えた。そこでは

                                                                      • 実存主義|TADAO HARADA

                                                                        実存主義とは、ジャン=ポール・サルトルの言葉を引用すると、「実存は本質に先立つ」とする立場である。実存主義の反対語は、本質主義であり、本質が実存に先立つとする立場である。 例えば、人間がペーパーナイフをつくる場合、ペーパーナイフとはなにかというイデー(観念)が先にあって、ペーパーナイフをつくることになる。このペーパーナイフのイデーが本質である。しかしながら、人間の場合、あらかじめ人間とはなにかという本質が決まっているわけではなく、人間は自分で成りたいものになるべく、未来に投企し、自分をつくりあげる。ゆえに、ジャン=ポール・サルトルは人間の場合、「実存は本質に先立つ」とする。つまり、ジャン=ポール・サルトルの実存主義は、人間が自由であることの宣言なのである。 ジャン=ポール・サルトルの場合、当初ジャーナリズムによって実存主義者と呼ばれ、後にそのレッテルを引き受けたという経緯がある。ジャン=ポ

                                                                          実存主義|TADAO HARADA
                                                                        • 社会構想のための哲学的思考|苫野一徳(前編)|PLANETS

                                                                          おはようございます。今朝のメルマガは、哲学者・苫野一徳さんの特別寄稿をお届けします。 政治利用されるフェイクニュース、コロナ禍で生じたインフォデミック、情報過多が混乱を招き続ける現代社会で、他者との「対話」はどのようになされるべきか。哲学者の苫野一徳さんに、現象学をキーワードに論じていただきました。 (初出:『モノノメ #2 』「社会構想のための哲学的思考」) 本稿の掲載された雑誌『モノノメ #2 』(特集「『身体』の現在)は、PLANETS公式オンラインストアでお求めいただけます。詳しくはこちらから! はじめに この20年あまり、人類史や、人間存在そのものを根底から問い直すことへの関心が、年々、高まりつつあるように見える。 たとえば、宇宙開闢から現代までの歴史を、特定の専門分野を超えて探究する「ビッグ・ヒストリー」の勃興。ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』(1997年)に始まり、

                                                                            社会構想のための哲学的思考|苫野一徳(前編)|PLANETS
                                                                          • 【格闘王・前田日明と「リングス」の曳航 Vol.3】群雄割拠の中、“最強の格闘技”を目指して

                                                                            写真=尾藤能暢 【「天涯の標」Vol.1はこちら】 【「天涯の標」Vol.2はこちら】 世界中にネットワークを張り巡らせ、さまざまな経歴と背景を持つ格闘技者をプロフェッショナルとして統一ルールの下で闘わせる。「リングス」の実験は次第にファンの支持を得て、国内外の有力選手たちにも共感を持って迎えられた。移行期にはつきものの混乱と混沌の中、1993年に開催された「後楽園実験リーグROUND1」でリングスは新たな領域に踏み込んだ。同年に発足したK-1やパンクラス、UFCに先駆けた試みは格闘技史に今も刻まれている。一方、興行の一枚看板・前田日明は深刻な怪我を負っていた――。 技術と精神 〈所属選手を見るだけじゃなくて、事務所も見なきゃいけない。そのころは新人選手もいたんで、彼らの練習も見てやらなきゃいけなかった。休む間がなかったんです。いっぱいいっぱいでした。あと、選手のギャラの交渉、出場の交渉、

                                                                              【格闘王・前田日明と「リングス」の曳航 Vol.3】群雄割拠の中、“最強の格闘技”を目指して
                                                                            • 【自己研鑽】生物心理社会モデルの興亡ーナシア・ガミーの論文を読んでBPSモデルを批判的に考察する。 - 南砺の病院家庭医が勉強記録を始めました。An archive of medical articles summarized by a family physician from Nanto Municipal Hospital.

                                                                              【自己研鑽】生物心理社会モデルの興亡ーナシア・ガミーの論文を読む The rise and fall of the biopsychosocial model Br J Psychiatry. 2009 Jul;195(1):3-4. S Nassir Ghaemi PMID: 19567886 毎月行われる富山の家庭医が集まる勉強会で,こんな話題があった。 「BPSモデルと患者中心の医療の方法を精神疾患の可能性もありそうな患者さんに当てはめて結果的に良い結果につながったようですが,精神疾患の程度によっては必ずしもそのアプローチが万能とは言えないのではないか。そういうときのためにBPSから視点をずらした別の視点を持つことも重要だと思います。ナシア・ガミーの『現代精神医学のゆくえ』では,すべての精神疾患を単一の理論によって説明したり,単一の方法によって治療したりしようとする教条主義に対してB

                                                                                【自己研鑽】生物心理社会モデルの興亡ーナシア・ガミーの論文を読んでBPSモデルを批判的に考察する。 - 南砺の病院家庭医が勉強記録を始めました。An archive of medical articles summarized by a family physician from Nanto Municipal Hospital.
                                                                              • 【職場復帰33】新NISAとクラファン。思い描いていた投資が回り始めた - 仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

                                                                                こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 前回、「職場復帰」の記事を書いたのは2月でした。 そのときは非常に精神的に追い込まれていました。 3月の人事異動が控えていたこと。 予想以上に難しい日商簿記3級の受験を目前に控えていたこと。 貯金がほとんど無く、妻とも喧嘩が絶えず、家の中が荒れていたこと。 いろんなものが上手くいかなくて停滞していました。 出世競争のラインから外されて、仕事を干されて、情けない中年太りのヒラのおっさん状態で「50代」の大台に乗ることを、何よりも怖れていました。 それを僕は、ドイツの哲学者、カール・ヤスパースが言った「限界状況」に直面していると分析したわけですが。 trrymtorrson.hatenablog.com その後誕生日を迎えて、あっけなく50歳になりました。 まず、怖れていた人事異動はやり過ごしました。 周りが昇進するなか、明らかに低評価

                                                                                  【職場復帰33】新NISAとクラファン。思い描いていた投資が回り始めた - 仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ
                                                                                • 『ダーク・イオン/ 堕落した女神』(2023)

                                                                                  Dark Aeon: Transhumanism and the War Against Humanity Kindle Edition by Joe Allen ジョー・アレンの『ダーク・イオン』は、計画されているポスト・ヒューマンの未来についての初の包括的な批判的分析である。この本は、(悪夢と同様に)大きな明晰さを与えてくれるだろう。アレンは長い間、この理解されていない破局について最も思慮深い権威であり、人類が生き残ることを望む者は、ここでの彼の警告を無視すべきではない。” -ナオミ・ウルフ(『美の神話』『他者の身体』のベストセラー作家 「テクノロジーは、私たちが追いつくよりも早く、毎分毎秒、太陽の下に新しいものをもたらしていると感じるのは簡単だ。実際、それは私たちの人間性や現実をシミュレートされた神々に置き換えようと競争している人々の計画の一部なのだ。しかし、今日の見かけ倒しの目新し

                                                                                    『ダーク・イオン/ 堕落した女神』(2023)