名古屋市は26日、あおなみ線で蒸気機関車(SL)を走らせる構想をめぐり、SLを借り受ける交渉をしてきた大井川鉄道(静岡県島田市)が、市に対して貸し出せない意向を正式に伝えてきた、と発表した。 構想を主導する河村たかし市長は同日、報道陣に対し、大井川鉄道から4月に断りの連絡があったことを明らかにした。河村市長は「大井川鉄道に限って考えているわけではない。あきらめたわけではない」と述べ、引き続きSL運行の実現を模索するという。 市は2016年度から年2日ほど、名古屋―金城ふ頭駅間でSLを走らせようと、15年度当初予算に、環境影響調査費などとして計2千万円を計上していた。市議会は2月定例会で大井川鉄道と合意できるまでは予算執行を凍結する条件を付けており、6月定例会では構想の是非をめぐる議論が活発化するとみられる。