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山下裕毅の検索結果41 - 80 件 / 244件

  • 漫画で見たくない“地雷シーン”を事前に警告する技術 明治大が開発

    Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 明治大学中村聡史研究室の研究チームが発表した「コミックにおける読者依存性の高い地雷表現回避手法の実現」は、漫画の読書中に見たくないシーンを予告し、そのページを読むときに回避できるシステムを提案した研究報告だ。 途中で出てくる“グロテスクなシーン”を見たくないなどの個人的に遭遇を回避したい場面だけを避け、作品全体を読み進める読書体験を可能にする。 ここでいう“見たくないシーン”とは、読者一人一人がそれぞれ思うシーンであって、多くの人が一般的に思うシーンではないことに留意したい。 漫画を読んでいると苦手なシーンに遭遇してしまう場合がある。リアルな虫やグロテスクな生首、不気味なお面、親から児童へ

      漫画で見たくない“地雷シーン”を事前に警告する技術 明治大が開発
    • 顔の表情をアバターに即時反映して表示する画面付きフルフェイスマスク 「デジタルカメン」誕生

      Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 公立はこだて未来大学平田竹川研究室、個人のメディアアーティスト徳田雄嵩氏、慶応義塾大学杉本研究室、 杉浦研究室、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンInteraction centreによる研究チームが開発した「デジタルカメン e2-MaskZ」は、顔の前面に装着し、着用者の表情をリアルタイムでアバターに反映させる薄型のフルフェイスマスクディスプレイだ。

        顔の表情をアバターに即時反映して表示する画面付きフルフェイスマスク 「デジタルカメン」誕生
      • 不要な音は消去して必要な音だけ聞ける“聴力自在化”技術 北大と神大が開発

        Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 北海道大学と神戸大学による研究チームが発表した「ウェアラブルコンピューティングにおける聴力自在化技術の提案」(PDFへのリンク)は、外界音を変換し、ユーザーが自在に自身の聴力を操作する技術だ。この技術を用いることで、外界音から聞きたい音だけを選択して聞くことができる。 人間の耳は、自らの意志では制御することが難しく、聞く音の取捨選択ができない。その上、超音波などの人間には聞こえない音も取得することができない。 研究チームは、マイクとスピーカーを搭載したイヤフォン型ウェアラブルデバイス(マイク付きワイヤレスイヤフォン)での利用を想定し、外界音から聞きたい音だけを聞ける技術でこの課題に挑戦する

          不要な音は消去して必要な音だけ聞ける“聴力自在化”技術 北大と神大が開発
        • 「何かに集中していて、聞き取れなかった音声」を後から再生できるイヤフォン 京セラが開発

          Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 京セラ研究開発本部フューチャーデザインラボの研究チームが人間拡張研究の一環として開発した「無意識な音を意識化させるヒアラブルデバイスの提案」は、何かに集中していて聞き逃した音声を後から教えてくれるヒアラブルデバイスだ。 何かに集中していて周囲の音が聞き取れなかった経験はないだろうか。例えば、スマートフォンでゲームをしていて電車のアナウンスが聞こえず乗り過ごしてしまったり、空港でPC作業をしていて搭乗アナウンスを聞き逃したり、講義でメモを取っていて講師が話す重要な内容を聞き逃してしまったりなど。 このように、人間は常に複数の事柄に集中できず、一方の集中により集中外の他方の事柄が埋もれてしまう

            「何かに集中していて、聞き取れなかった音声」を後から再生できるイヤフォン 京セラが開発
          • ジョジョのキャラクター風に顔写真を変換する「JoJoGAN」 1枚の画像からAIが学習

            Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームが開発した「JoJoGAN: One Shot Face Stylization」は、入力した1枚の顔画像を漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラクター風に変換する機械学習フレームワークだ。「空条承太郎」など、作中のキャラクタースタイルに似せた顔に変換する。このフレームワークは、大量のペア画像データセットを使わず、1枚の顔画像から学習できる特性を持つ。 画像をスタイル変換するモデルは、大量のペア画像データセットを必要とするが、そのデータを準備するにはコストがかかる。数枚の画像からスタイル変換する研究も報告されているが、詳細なスタイルや多様性を

              ジョジョのキャラクター風に顔写真を変換する「JoJoGAN」 1枚の画像からAIが学習
            • 胃に埋め込む食欲ペースメーカー 青色LEDで偽の満腹感与えて食欲を抑える

              Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米テキサスA&M大学、テキサス大学、ワシントン大学の研究チームが開発した「Organ-specific, multimodal, wireless optoelectronics for high-throughput phenotyping of peripheral neural pathways」は、ワイヤレスで機能する小型デバイスを手術で胃に埋め込み、胃の迷走神経(脳と胃を繋ぐ神経経路)を光で照射し刺激することで満腹感を錯覚させる手法だ。空腹状態でも満腹感を得られ、食欲を抑制することで、肥満の改善や長期的な防止につながるという。

                胃に埋め込む食欲ペースメーカー 青色LEDで偽の満腹感与えて食欲を抑える
              • 「低カロリーでも満腹」な3D印刷食品、摂取量管理も容易に 阪大など「FoodFab」開発

                Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 大阪大学、米マサチューセッツ工科大学(MIT)、英サセックス大学による研究チームが開発した「FoodFab」は、食品を印刷できる3Dプリンタを用いて、カロリーと満腹感のバランスを制御する研究だ。食品の形状を変化させることで、低カロリーでありながら高い満腹感を与え、過度なカロリー摂取を抑制する。 実験では、内部形状を変更した同じカロリーの食品(実験ではクッキー)を複数作成し、これらを食べ比べて満腹感の変化を調べた。具体的には、食品のインフィル(内部をどれだけ充填するか)のデザインパターンと密度を変更し、形状の異なる食品を印刷する。

                  「低カロリーでも満腹」な3D印刷食品、摂取量管理も容易に 阪大など「FoodFab」開発
                • 合成背景に人が溶け込むよう照明を調節する技術 Googleが開発

                  Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米Google Researchが開発した「Total Relighting」は、人物画像を切り抜いて別の背景に置き換えた際、被写体の照明変更を行う深層学習を用いた技術だ。静止画像だけでなく、映像内で動く人物も新しい背景に応じた照明で合成し、違和感のない動画コンテンツに仕上げる。

                    合成背景に人が溶け込むよう照明を調節する技術 Googleが開発
                  • Wi-Fiで果物の中身を測定できる「Wi-Fruit」 切らずに腐っているか判定可能

                    Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 中国の上海交通大学と深せん大学、廈門大学、カナダのマギル大学による研究チームが発表した「Wi-Fruit: See Through Fruits with Smart Devices」は、Wi-Fiを活用して果物の中身を外から計測するシステムだ。 このシステムは、果皮が厚いもの(スイカやグレープフルーツなど)から、薄いもの(ドラゴンフルーツやリンゴ、ナシ、オレンジなど)まで幅広く計測でき、推定結果から内部の腐敗具合を判断できるという。 外見は正常でも中身が腐っている果物は、外から見て腐敗の具合を判断しにくい。逆に外見は腐っているように見えても中身は正常な場合もある。果皮が分厚いスイカやグレ

                      Wi-Fiで果物の中身を測定できる「Wi-Fruit」 切らずに腐っているか判定可能
                    • 他人が装着するイヤフォンだけに“いきなり音楽を注入できる”システム 明治大が開発

                      このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 明治大学の渡邊研究室に所属する研究者らが発表した論文「WhisperCast: ヘッドフォン装着者だけが聴取可能な音を再生する磁気誘導を利用した手法の検討」は、ヘッドフォンやイヤフォンを装着している人のみが聞こえる音声や音楽を外部から挿入するシステムを提案した研究報告である。 このシステムは、磁気誘導を用いて、ヘッドフォンやイヤフォン内の振動板を直接鳴動させ、装着者だけが聴取できる音を生成する。WhisperCastのハードウェア構成には、空芯コイルとアンプを含んでいる。 具体的なプロセスとして、コンピュータが任意の波形(通知音や好きな音楽

                        他人が装着するイヤフォンだけに“いきなり音楽を注入できる”システム 明治大が開発
                      • YouTubeで“聞こえない音”を流し、スマホを遠隔操作する攻撃 音声アシスタント機能を悪用

                        Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2 米テキサス大学サンアントニオ校と米コロラド大学コロラドスプリングス校に所属する研究者らが発表した論文「Near-Ultrasound Inaudible Trojan(NUIT): Exploit Your Speaker to Attack Your Microphone」は、スマートフォンやスマートスピーカーの音声アシスタント(Siri、Google Assistant、Alexa、Cortana)に対する不可聴攻撃を提案した研究報告である。 その手口は、インターネット(動画や音楽、Web会議など)を通じて、人間には聞こえない音を流し、リモートでス

                          YouTubeで“聞こえない音”を流し、スマホを遠隔操作する攻撃 音声アシスタント機能を悪用
                        • YouTuber or VTuber どちらで配信する方が支持される? 明治大などの研究者らが比較調査

                          このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 明治大学やソフトバンク、NTTドコモ、ドワンゴに所属する研究者らが2023年1月に発表した論文「カテゴリ別におけるVTuberとYouTuberの配信スタイルによる印象評価」は、動画配信における顔出し、2DCGアバター、3DCGアバターの3種類の配信スタイルが視聴者にとってどれほど影響があるのかを比較調査した研究報告である。

                            YouTuber or VTuber どちらで配信する方が支持される? 明治大などの研究者らが比較調査
                          • SMSを送って相手の位置を特定するサイバー攻撃 スマホ持つ全ユーザーに到達可能 米研究者らが開発

                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米ノースイースタン大学などに所属する研究者らが発表した論文「Freaky Leaky SMS: Extracting User Locations by Analyzing SMS Timings」は、SMS(Short Message Service)を送ることで相手のスマートフォンの位置を特定するサイドチャネル攻撃を提案した研究報告である。攻撃者は、ユーザーのスマートフォンに複数のテキストメッセージを送信する。ユーザーの自動配信の返信のタイミングによって、ユーザーの位置を三角測量で特定できる。 攻撃は、SMSの送信者がネットワークを介し

                              SMSを送って相手の位置を特定するサイバー攻撃 スマホ持つ全ユーザーに到達可能 米研究者らが開発
                            • 「赤信号」を「青信号」だと錯覚させる自動運転車へのサイバー攻撃 中国などの研究チームが脆弱性指摘:Innovative Tech - ITmedia NEWS

                              Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 中国の浙江大学、香港中文大学、米シカゴ大学による研究チームが発表した「Rolling Colors: Adversarial Laser Exploits against Traffic Light Recognition」は、自動運転車に搭載されるカメラをレーザー光で攻撃し、信号機の認識を錯覚させる方法を実証し、脆弱性を指摘した論文だ。赤信号を青信号に、青信号を赤信号に誤認させ、衝突事故や交通渋滞を引き起こさせる攻撃になるという 歩行者や車両との衝突事故を防ぐため、自動運転車では信号が今何色かを正確に検出しなければならない。自動運転車だけでなく、それ以外の車にも、人が間違えて交差点に進入

                                「赤信号」を「青信号」だと錯覚させる自動運転車へのサイバー攻撃 中国などの研究チームが脆弱性指摘:Innovative Tech - ITmedia NEWS
                              • 数学の「=」(等しい)とはどういうことか? 英ICL教授が発表 「コンピュータの登場で定義が曖昧に」

                                このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の教授であり、数学者のケビン・バザードさんの単著論文「Grothendieck’s use of equality」は、数学者が等式の概念をどのように使用しているか、そしてそれが数学の形式化を試みる際にどのような影響を与えるかについて議論した研究報告である。 バザードさんは「現状、数学者は等式の概念を曖昧に使っており、近年のコンピュータプログラムによる証明(形式化)においてその曖昧さが障害になっている」と指摘する。 「=」(等号)にみる一般的な等式の定義は、両辺が同じ数学的対象を表しており、一方から他方への論

                                  数学の「=」(等しい)とはどういうことか? 英ICL教授が発表 「コンピュータの登場で定義が曖昧に」
                                • 電気で傷を治す「電子バンソウコウ」 マウス実験では通常よりも早期に治癒 回復具合の監視機能も

                                  Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米スタンフォード大学などに所属する研究者らが発表した論文「Wireless, closed-loop, smart bandage with integrated sensors and stimulators for advanced wound care and accelerated healing」は、創傷部に貼り付け、治り具合に応じて電気刺激で治癒させる電子バンソウコウを提案した研究報告だ。傷の早期治癒を促進し、傷ついた組織への新しい血流を増加させて瘢痕形成を減少させることで皮膚の回復を促進するという。 提案する電子バンソウコウは、電気刺激による治癒と治り具合を監視するセンシング

                                    電気で傷を治す「電子バンソウコウ」 マウス実験では通常よりも早期に治癒 回復具合の監視機能も
                                  • 尾行を検知するラズパイ自作装置 周囲のスマホをスキャン、20分間検出され続けると警告

                                    Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 情報セキュリティの会社Argelius Labsを創設したMatt Edmondson氏(21年間、アメリカ合衆国国土安全保障省に勤務している)が発表した「Chasing Your Tail With a Raspberry Pi」は、尾行されているかを検知できる安価で持ち運びが可能な手作りデバイスだ。このデバイスは周囲のスマートフォン(無線信号)をスキャンして同じものを見つけ続けると、アラートで警告してくれる。 手持ちの防水ケースに収納されたこのデバイスは、Raspberry Pi、ワイヤレス信号検出器、バッテリーパックで構成。Raspberry Pi 3がソフトウェアを実行し、Wi-F

                                      尾行を検知するラズパイ自作装置 周囲のスマホをスキャン、20分間検出され続けると警告
                                    • VRで口の中を触られている感覚を再現 VRヘッドセットから超音波を放射 「虫が唇を這う」などが再現可能

                                      Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米Carnegie Mellon UniversityのFuture Interfaces Groupが開発した「Mouth Haptics in VR using a Headset Ultrasound Phased Array」は、VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)に空中超音波フェーズドアレイを統合し、VR体験に応じて超音波で唇や口腔内に触覚を与えるシステムだ。

                                        VRで口の中を触られている感覚を再現 VRヘッドセットから超音波を放射 「虫が唇を這う」などが再現可能
                                      • 「舌打ち」で障害物の位置を特定 音の跳ね返りをVR上で可視化、エコロケーションを体験

                                        Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 岐阜大学の研究チームが開発した「MEcholocation」は、舌打ちの反響音で周囲の障害物を把握する能力を体験できるVR(バーチャルリアリティー)システムだ。舌打ちした音が複数のボールとしてバーチャル内で見え、そのボールの跳ね返りを手掛かりに周囲の机や壁を把握する。実際の部屋を舞台に、舌打ちの反響音を確認しながら暗闇内の障害物を回避して部屋の脱出を目指す。 全盲のダニエル・キッシュさんは、目の代わりに舌打ちの音の反響によって世界を見ているという。これはコウモリやイルカが超音波の反響を用いて自身の位置を把握するエコロケーション(反響定位)に似ている。 舌打ちによる短い音を使い、物体に跳ね返

                                          「舌打ち」で障害物の位置を特定 音の跳ね返りをVR上で可視化、エコロケーションを体験
                                        • 太さ0.6mmの糸型バッテリー、米MITや米軍などが開発 電源を含んだ服などを作成可能:Innovative Tech - ITmedia NEWS

                                          Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)や中国の華中科技大学、韓国の慶熙大学校、米U.S. Army Research Laboratoryの研究チームが開発した「Thermally drawn rechargeable battery fiber enables pervasive power」は、糸のように細い熱延リチウムイオン繊維電池だ。布地に織り込めるだけでなく、3Dプリンタのフィラメントとして造形品に組み込める。 バッテリー部品は、依然としてデバイスの中でも硬くかさばる存在だ。イノベーションを加速させるためにも、エネルギー貯蔵能力を犠牲にせず、機械的に柔軟でコンパクト、かつ大量生産可

                                            太さ0.6mmの糸型バッテリー、米MITや米軍などが開発 電源を含んだ服などを作成可能:Innovative Tech - ITmedia NEWS
                                          • AIを使った“利益を出す馬券”の買い方とは? はこだて未来大の准教授がAIによる競馬予想法を指南

                                            このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 情報処理学会が会員向けに月刊で発行する学会誌「情報処理」の2019年1月発行分(60巻2号)で「情報学者が競馬予想に踏み出すときに知っておくべきこと」と題した解説記事が掲載された。公立はこだて未来大学の寺沢憲吾准教授が、AIを活用して利益が出る馬券を買うために考慮しなければならない競馬予想に関することが記されている。ここでは、その内容を簡潔に紹介したい。 馬券には多様な賭け方が存在するが、ここでは単勝式を中心に説明している。単勝式の馬券は、どの馬が1着になるかを当てるもので、予想が的中すれば購入金額×オッズ(倍率)の払い戻しが行われる。オッ

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                                            • YouTubeで不正に収益化する6つの悪用方法、米研究者らが分析結果を公開

                                              Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米シカゴ大学と米パデュー大学の研究チームが発表した「Behind the Tube: Exploitative Monetization of Content on YouTube」は、YouTubeの不正収益化行為を研究した論文だ。世界中のオンラインコミュニティーとYouTubeアカウント売買サイトから複数の情報を集め、どのように不正行為をしているかを分析して6つのカテゴリーにまとめた。 不正情報の収集 研究チームはYouTubeで不正に収益化している情報を得るために、世界10カ国の最も人気のある掲示板などのオンラインコミュニティーからデータを収集した。収益化関連の投稿やスレッドを特定す

                                                YouTubeで不正に収益化する6つの悪用方法、米研究者らが分析結果を公開
                                              • メガネの反射からWeb会議中の画面を盗み見る攻撃 閲覧中のサイトを特定する精度は94%以上

                                                Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米University of Michiganと中国のZhejiang Universityによる研究チームが発表した「Private Eye: On the Limits of Textual Screen Peeking via Eyeglass Reflections in Video Conferencing」は、Web会議に参加するメガネをかけたユーザーのレンズの反射によって、画面上の機密情報を不注意に伝えてしまうことを明らかにした研究報告を発表した。 COVID-19をきっかけに、機密を扱う業務でも対面会議からWeb会議へと変わった。Web会議において研究者らは、ユーザー自身の

                                                  メガネの反射からWeb会議中の画面を盗み見る攻撃 閲覧中のサイトを特定する精度は94%以上
                                                • 米OpenAI「公表しないで……」 ブラックボックスであるLLMの中身を“盗む”攻撃 米Googleらが発表

                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 米Google DeepMindなどに所属する研究者らが発表した論文「Stealing Part of a Production Language Model」は、米OpenAIのGPT-4や米GoogleのPaLM-2などのクローズドな大規模言語モデル(LLM)から、モデルの一部を盗み出す攻撃を提案した研究報告である。言語モデルのAPIへのクエリを通じて、低コストでモデルの内部構造に関する情報を抽出することに成功した。 GPT-4やPaLM-2などの最先端AIモデルは、APIを通じて一般ユーザーに提供されているが、内部構造や学習に使用され

                                                    米OpenAI「公表しないで……」 ブラックボックスであるLLMの中身を“盗む”攻撃 米Googleらが発表
                                                  • PythonでC/C++に匹敵する実行速度を実現 米MITなどコンパイラ「Codon」開発

                                                    Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2 Pythonは人気な言語だが、実行速度が遅いため、速さを求められる環境になると違う言語が採用される。この研究では、Pythonのような高水準言語のシンプル性とCやC++のような低水準言語の高速性を兼ね備えることができるPythonベースのコンパイラ「Codon」を提案する。 Codonは、Pythonのコードをネイティブなマシンコードにコンパイルするコンパイラであり、シングルスレッドにおいて通常のPythonよりも10倍から100倍速く実行され、CやC++に匹敵する速度を実現できるという。またCodonではマルチスレッドも可能なため、より大きな性能向上

                                                      PythonでC/C++に匹敵する実行速度を実現 米MITなどコンパイラ「Codon」開発
                                                    • 落書きを即3Dモデル化、つまんで動かし即アニメーションに Googleなど「Monster Mash」開発

                                                      Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 チェコ工科大学、米Google Research、スイス・チューリッヒ工科大学による研究チームが開発した「Monster Mash」は、手描きスケッチでモデリングとアニメーションを手軽に行えるツールだ。落書きのように大ざっぱに描いた絵から3Dモデルを素早く展開し、キャラクターの一部をつまんで移動させるだけでリアルタイムにアニメーションを作成できる。

                                                        落書きを即3Dモデル化、つまんで動かし即アニメーションに Googleなど「Monster Mash」開発
                                                      • 「恋人つなぎ」で歩けるハンドロボット 手汗、匂いもある「お散歩彼女」 岐阜大学が開発

                                                        Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 岐阜大学の研究チームが開発した「お散歩彼女 My Girlfriend in Walk」(PDFへのリンク)は、利用者が装着することで、恋人と手をつないで歩く体験を提供するハンド型デバイスだ。柔らかく人肌の温かさを持つこのデバイスは、握り返してくれ、手汗をかき、歩く時の呼吸や服の擦れる音、相手の匂い、引っ張る動作もあり、臨場感ある疑似体験を提供する。

                                                          「恋人つなぎ」で歩けるハンドロボット 手汗、匂いもある「お散歩彼女」 岐阜大学が開発
                                                        • テレワークで「つながり弱い同僚」との会話は激減、しかしそれが不安をもたらす──NTT調査

                                                          Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 NTTサービスエボリューション研究所とNTTコミュニケーション科学基礎研究所の研究チームによる「在宅勤務が職場の関係性及びメンタルヘルスに及ぼす影響」(情報処理学会シンポジウムインタラクション2021論文集)は、在宅勤務を余儀なくされた同僚間のコミュニケーションを調査し考察した論文だ。 新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、多くの労働者はオフィス勤務から在宅勤務への切り替えを余儀なくされた。この論文は、在宅勤務が急速に普及する中、2つの問題があると指摘する。第1に、労働者を孤立させ、それが原因でメンタルヘルスを低下させること。第2に、人間関係の希薄化が仕事の創造性を低下させることだ。

                                                            テレワークで「つながり弱い同僚」との会話は激減、しかしそれが不安をもたらす──NTT調査
                                                          • 遠隔からCPUを数秒で破壊するサイバー攻撃 マザーボードのリモート管理機能をハック、過度の電気を注入

                                                            Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2 英バーミンガム大学に所属する研究者らが発表した論文「PMFault: Faulting and Bricking Server CPUs through Management Interfaces」は、サーバ用マザーボードに搭載する制御システムの欠陥を攻撃し、遠隔から必要以上の電圧を供給してCPUを破壊しコンピュータを無効にする脆弱性を指摘した研究報告である。 最近のサーバ用マザーボードにはCPUの他に、電源管理用の電圧レギュレーターなどの補助部品を搭載している。これらは、I2CベースのPMBusを介して、CPUおよび個別のベースボード管理コントローラ

                                                              遠隔からCPUを数秒で破壊するサイバー攻撃 マザーボードのリモート管理機能をハック、過度の電気を注入
                                                            • 指先の熱からパスワードを盗む攻撃 入力後のキーボードから押した場所を特定 6文字なら検出精度100%

                                                              Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 スコットランドのUniversity of GlasgowとサウジアラビアのTaif Universityによる研究チームが発表した論文「ThermoSecure: Investigating the effectiveness of AI-driven thermal attacks on commonly used computer keyboards」は、キーボードから人の指先の熱を検出し、熱画像を解析してユーザーの入力を推定、パスワードなどを取得する深層学習システムを提案した研究報告だ。入力後20秒以内に撮影した熱画像から86%でパスワードを特定できることが確認された。 キーボード

                                                                指先の熱からパスワードを盗む攻撃 入力後のキーボードから押した場所を特定 6文字なら検出精度100%
                                                              • MinecraftをAIがプレイ、10分で「ダイヤモンドのツルハシ」を高速作成 米OpenAIが技術開発

                                                                Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米OpenAIの研究チームが開発した「Video PreTraining (VPT): Learning to Act by Watching Unlabeled Online Videos」は、人間がプレイするMinecraft(マインクラフト)の映像から複雑な動作を学習するモデルだ。学習したモデルは、熟練した人でも20分以上かかるダイヤモンドツールの作成を10分程度で成し遂げ、その有効性を示した。 人がプレイしたマインクラフトのプレイ動画がWeb上に多く存在する。今回のモデルはこの膨大な動画データで学習するわけだが、これら動画からは何が起きたかが分かるだけで、マウスの動きやキーの押し順

                                                                  MinecraftをAIがプレイ、10分で「ダイヤモンドのツルハシ」を高速作成 米OpenAIが技術開発
                                                                • “スマホのマイクでこっそり盗聴”を妨害する技術 静かな音で会話内容を改ざん

                                                                  Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米コロンビア大学の研究チームが発表した「Real-Time Neural Voice Camouflage」は、不正なマイクが取得したユーザーの会話の言葉を正しく聞き取れないようにする攻撃を提案した論文だ。無線で妨害音を発し、自動音声認識(ASR)システムをリアルタイムに混乱させ、本来盗聴側が取得したい会話を間違った形で認識させる。80%の確率でユーザーの言葉を誤認識させられたという。 この妨害音は、その場にいるユーザーの邪魔にならないような静かな音に最適化されている。 妨害を実際に行った3つの例。攻撃していない時の音声信号スペクトログラム(上)、攻撃した際の音声信号スペクトログラム(下)

                                                                    “スマホのマイクでこっそり盗聴”を妨害する技術 静かな音で会話内容を改ざん
                                                                  • 口パクで音声入力、喉に小型センサーで 東大とソニーCSLが技術開発

                                                                    Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 東京大学大学院情報学環とソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)の研究チームが開発した「Derma」は、喉周辺の皮膚にセンサーを張り付け、口パク(無声発話)を音声入力に変換する深層学習を用いたサイレントスピーチインタラクション(Silent Speech Interaction、SSI) だ。 話者の唇や顎(あご)周辺を指で触れ、発話を読み取ろうとする、視聴覚障害者のためのTadoma(触診リップリーディング)法から発想を得ている。Tadoma法では主に唇周辺の皮膚を触って発話を認識しているが、今回の研究ではそれを機械学習により自動化した。さらにウェアラブルでの利用を想定し、より目立ち

                                                                      口パクで音声入力、喉に小型センサーで 東大とソニーCSLが技術開発
                                                                    • スマホで「隠しカメラ」を手軽に見つけられるアプリ 赤外線カメラを付け、熱画像を取得 米国チームが開発

                                                                      Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米セントルイス・ワシントン大学、米テネシー大学に所属する研究者らが発表した論文「HeatDeCam: Detecting Hidden Spy Cameras via Thermal Emissions」は、熱画像で隠しカメラを見つけられるアプリを提案した研究報告だ。スマートフォンに赤外線カメラを取り付けるだけで、充電器や電気スタンドなどに仕込まれた隠しカメラを見つけることができるという。 隠しカメラはスパイカメラとも呼ばれ、一般的な物に隠したり、偽装して使用されるビデオカメラで、人に気付かれずに録画することを目的として設置される。2017年、韓国では6400件以上の不正な撮影の報告があり

                                                                        スマホで「隠しカメラ」を手軽に見つけられるアプリ 赤外線カメラを付け、熱画像を取得 米国チームが開発
                                                                      • QRコードにレーザーを当てて「偽装QRコード」に変える攻撃 悪性サイトに誘導 東海大が発表

                                                                        Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2 東海大学に所属する研究者らが発表した論文「不可視光レーザ照射を利用した動的偽装QRコード」は、QRコードへのレーザー照射により、任意のタイミングで悪性サイトへ誘導可能な偽装QRコードを生成する方法を提案した研究報告である。QRコードを撮影しているときだけ、遠くからレーザー光で照射して別の悪意あるサイトへ誘導する。

                                                                          QRコードにレーザーを当てて「偽装QRコード」に変える攻撃 悪性サイトに誘導 東海大が発表
                                                                        • UNIXシェルの並列化により最大34倍高速化する「PaSh」、米MITなどが開発 プログラム結果も正確

                                                                          Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米ペンシルベニア大学、米MIT、ポーランドのXIV Staszic High School、米国の研究機関Aarno Labs、米Stevens Institute of Technologyによる研究チームが開発した「Practically Correct, Just-in-Time Shell Script Parallelization」は、UNIXシェルで実行されるプログラムの速度を精度を保証しながら劇的に加速させるシステムだ。 このシステムはUNIXシェルにおいて、スクリプトを先読みして並列化を行う。これによりプログラム結果を正確な上で最大34倍高速化し、Webインデックスや自然

                                                                            UNIXシェルの並列化により最大34倍高速化する「PaSh」、米MITなどが開発 プログラム結果も正確
                                                                          • J-POP曲をファミコン音楽風に自動編曲 遺伝的アルゴリズムを利用、日大が開発

                                                                            Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 検索すれば、ファミコン風にアレンジした曲が多数ヒットする。これは音楽の知識があり機材などが整っている人が独自に編曲したものが多い。しかし、ファミコン音楽特有の制約を破っているものがほとんどだ。 ファミコン音楽特有の制約とはなにか。ファミコンに搭載される音源チップの機能が制限されているため、ファミコン音楽では一度に同時に鳴らせる最大同時発音数が限られる。その最大同時発音数は4音で、方形波2音、三角波1音、ノイズ1音と音の種類も決まっている。ファミコン音楽には、最大同時発音数4音の制約が存在するわけだ。 そこで今回は、ファミコン音楽の制約を守り、音楽未経験者でも気軽にファミコン風音楽へ自動編曲

                                                                              J-POP曲をファミコン音楽風に自動編曲 遺伝的アルゴリズムを利用、日大が開発
                                                                            • 「止まっているはずなのに、動いている」と感じるヘルメット型装置、神戸大が開発

                                                                              Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 神戸大学塚本・寺田研究室の研究チームが開発した「装着型LEDアレイを用いたベクション誘発手法の提案と評価□」は、自分は静止しているにもかかわらず、あたかも運動しているように感じる視覚誘導性自己運動感覚(ベクション)を誘発させる頭部装着型ベクション提示デバイスだ。 実世界において、いつでもどこでもベクションを誘発できるため、例えばランニング中にベクションを誘発させ楽に感じさせるなどの活用が考えられるという。 ベクションはゲームや映画で没入感を高めるために使用されている他、高速道路の渋滞を防ぐ走光型視線誘導システムや、床に配置した特殊なレンズを用いた公共施設の混雑を解決するシステムとしても活用

                                                                                「止まっているはずなのに、動いている」と感じるヘルメット型装置、神戸大が開発
                                                                              • 電気を一時凍結できる「冬眠電池」 使わない分は蓄えて、数カ月後に放電可能 米国エネルギー省が開発

                                                                                Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 米国エネルギー省の研究施設「Pacific Northwest National Laboratory」(PNNL)の研究チームが開発した「A freeze-thaw molten salt battery for seasonal storage」は、電力をあまり失うことなく数カ月にわたって蓄えられるバッテリーだ。風力や太陽光といった再生可能エネルギーによる発電をいったん凍結し、数カ月後に放電する使い方ができる。 夏場の日照時間は冬場より長く、平均して多くの太陽光発電が行われる。他にも、太平洋岸北西部では雪が溶けて大きく膨らんだ川が一連の水力発電ダムに最大出力をもたらし、春から初夏にかけ

                                                                                  電気を一時凍結できる「冬眠電池」 使わない分は蓄えて、数カ月後に放電可能 米国エネルギー省が開発
                                                                                • 古代の投槍武器「アトラトル」、男女が同じ速度で発射できると判明 女性ハンターの高い狩猟能力を示す

                                                                                  このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。 X: @shiropen2 米ケント州立大学、米タルサ大学などに所属する研究者らが2023年に発表した論文「Atlatl use equalizes female and male projectile weapon velocity」は、数千年前から使用されてきた古代の投槍器「アトラトル」を用いると、女性と男性が非常に近い速度で投射物を発射できることを発見した研究報告である。この発見は、先史時代の女性ハンターが男性ハンターと同等に狩猟能力を持っていたという証拠を補強するものである。 アトラトルは、テコの原理を利用し

                                                                                    古代の投槍武器「アトラトル」、男女が同じ速度で発射できると判明 女性ハンターの高い狩猟能力を示す