現在厚生労働省は、閉鎖船内における新しいウイルスによる感染症の発生という事態の中で、多くの専門家のお力を船舶内外からいただき、臨船検疫を行っています。ただ実際に職員の感染が判明してしまった状況の中で、完全なコントロールができていると申し上げることはできません。
去年の大晦日に武漢で感染拡大した新型コロナウイルスの第一報をツイートして以来、 ▲本件には随分と深入りして、このブログ記事が多くの方々に読まれました。 その後、春節休みを香港・広東省で過ごそうとしたところ…武漢封鎖の時と重なり、 ▲緊迫した現地の状況を実際に見る機会を得られました。 …という諸事情で、最近はほぼ「新型コロナウイルス」の話題ばかりをツイートしているのですが、よく考えてみると、私は新型コロナウイルスについて、ネットで出ている情報以外、まとまった文章やら本を読んだことがありません。 あくまでも中国ニュースの延長でずっと追っかけていたのですが、私は全然ウイルスとかの専門知識はありません。ただ、現在では新型コロナウイルスに関する本はまだ少なく、あってもちょっと「アレ」な感じの本が多い…と思っていたところ、 ▲この筋の第一人者である岩田健太郎さんの新刊が発売されたので、早速入手してみま
神戸大の岩田健太郎教授が新型コロナウイルスの感染が拡大したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の検疫について、政府の対応をインターネット上に投稿した動画で批判した問題で、岩田氏は20日朝までに動画を削除した。これに先立ち、岩田氏の乗船に関して「助言した」とする医師が19日夜、岩田氏の事実誤認を指摘するメッセージをネット上に投稿していた。菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、動画の削除に政府が関与したかを問われ、「関与していません」と語った。 岩田氏とみられるツイッターのアカウントには20日朝に「動画は削除しました。ご迷惑をおかけした方には心よりお詫(わ)び申し上げます。これ以上この議論を続ける理由はなくなったと思います」とのメッセージが投稿された。 岩田氏は18日に「ダイヤモンド・プリセンス」に乗船した経験談として、「ウイルスが全くない安全なグリーンゾーンと、ウイルスがいるかもしれな
こんにちは、光文社新書編集部です。 このたび、神戸大学の岩田健太郎教授の新刊『ぼくが見つけたいじめを克服する方法――日本の空気、体質を変える』を刊行することになりました。 新型コロナウイルス感染症の大流行で、日々、さまざまな情報が伝えられています。そんな中、多くの感染症の専門家のご発信とともに、岩田先生の精力的な分析・発言・主張にも注目が集まっています。 今回の書籍は、岩田先生が数年にわたって構想されていたものです。昨年末にはほぼ書き上げられており、年末に別の企画の相談でお目にかかった際に、受け取った原稿でした。 年が明けて、今回のコロナウイルスの流行が拡大し、みなさんもご存じのクルーズ船の告発がありました。その渦中に加筆していただいた部分もありますが、大半がそれより前に書かれたものです。 お読みになると、岩田先生の言動が、以前から一貫したお考えのもとになされていることが伝わるのではないか
朝から晩までテレビは、“新型コロナ” 一色。多くのコメンテーターが出てくるが、誰を信じてよいものか――。 そこで本誌は、医療分野での豊富な取材歴や著作があるジャーナリスト・村上和巳氏の監修で、彼らをマトリクスで分類した。それが冒頭の図だ。 【関連記事:批判殺到「お肉券」アメリカからWTO違反で報復の可能性も】 「新型コロナウイルスについては、現状では不確かなことが多い。なので、『診療の実情に即した意見かどうか』が重要です。感染症治療の専門性の高い知見が、市民の行動や公衆衛生政策に反映されないと、社会不安が煽られるだけになってしまう」(村上氏・以下同) まずマトリクスで分けるうえで基準としたのは、「日本感染症学会認定の専門医資格を持つ医師」かどうか。同学会は、日本で感染症の診療に従事する、医師の専門団体だ。 「認定医には、一定の症例数、発表論文数、研修などの条件を満たし、試験に合格しないとな
Dr.イワケンの「感染症のリアル」 身近なインフルエンザや帯状疱疹などから、海外で深刻なエボラ、マラリアなどまで、感染症の予防と治療について、神戸大学教授のイワケンこと岩田健太郎さんが解説します。 【イラスト】アルコール消毒と手洗い どっちが大事? 本稿を執筆している7月30日、日本では爆発的な新型コロナウイルス感染症の流行拡大が起きています。いわゆる、「第7波」です。 特徴的なのは47都道府県全てで爆発的な流行が、ほぼ時期を同じくして起きていることです。これまでの「波」では、流行拡大が起きている地域と、そうでない地域の明らかな差が見られました。だからこそ、都道府県ごとの緊急事態宣言とか「マンボウ(まん延防止等重点措置)」といった対策がとられたのです。しかし、今回、感染爆発を免れた自治体は一つもありません。 ウイルスは県をまたいで移動するような飛行能力を持ちません。(ほぼ)人だけがウイルス
成功するために必要なものは何か。医師・岩田健太郎さんは「どうしたら失敗するのかを熟知することこそ、成功への最良の方法だ。しかし日本のお役所仕事には成功の条件が設定されないままプロジェクトが始まることが多い。成功したか失敗したか総括しないままに、『仕事をした』ことになる。マイナカードはそのよい事例だ」という――。 マイナンバーカードにビジョンなし 日本の役所は成否を吟味しない。いろいろなプロジェクトを立ち上げるが、「成功の条件」が明示されることはほとんどない。したがって「絶対に失敗しない」。そのプロジェクトが「成功したか」「失敗したか」を総括しないのだ。 仮に「総括」したとしても、「それなりに成果はあった」という詭弁を用いて終わりだろう。アウトカムを設定していない以上、「それなりにがんばった」と言うだけで成功したふりはできるから。 もちろん、日本の役人はとても勤勉だから、「そこまでやらなくて
新型コロナウイルスの学校の休校について岩田健太郎先生の新しい論文がプレプリントで出ております。査読はされていませんのでご注意ください。 www.preprints.org https://www.preprints.org/manuscript/202004.0058/v1 前回に引き続き、日本語訳させてもらっております(1)。大急ぎでしたので誤訳などありましたご指摘お願いいたします。 Was School Closure Effective in Mitigating Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)? Time Series Analysis Using Bayesian Inference 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の緩和に学校閉鎖は効果は? ベイズ推定を使用した時系列分析 Kentaro Iwata * , Asako Doi
News & Views Resurgence of covid-19... Resurgence of covid-19 in Japan Editorials Resurgence of covid-19 in Japan BMJ 2020; 370 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m3221 (Published 18 August 2020) Cite this as: BMJ 2020;370:m3221 Kazuki Shimizu, researcher1 2, George Wharton, senior lecturer in practice1, Haruka Sakamoto, project researcher3, Elias Mossialos, Brian Abel-Smith professor of health poli
感染症から命を守るための原理原則は、変わらない。この原則を体に染み込ませる決定版。感染症専門医の第一人者・岩田健太郎神戸大学病院感染症教授の最新刊『新型コロナウイルスの真実』をもとに現在の感染者が急増する緊急事態に対し、私たちが「今、できる対策」を連続講義いただいた。「新型コロナウイルス感染症」から自分と家族、人々の命を守るために、今、私たちは何をすべきか。第17回目は、感染経路を理解する上でのマスクをつける意味を学びます。 衝撃!! 感染防御の手段としてマスクを着けるのは無意味【岩田健太郎教授・感染症から命を守る講義⑰】 ■マスクはいつ役立つのか さて、人間が咳をするときに大事になってくるのが、マスクですね。咳をするときに口と鼻の前に布が一枚あると、咳がブロックされて飛沫がその先に飛んでいかない。普通に売られているマスクをサージカルマスクといいますが、要するにサージカルマスクは飛沫が飛ぶ
F. Nightingale, Notes on hospitals. "Description A design for convalescent hospital arranged as cottages" (CC BY 4.0) 病院が病人に害を与えている!? フローレンス・ナイチンゲールが『病院覚え書』(Notes on Hospitals)を著したのは1859年のことである。「感染症医として、本書について述べてほしい」という編集部の依頼を受け、私は第3版(1863年)を読んでみた。 ── 実に興味深い。 冒頭。いきなり、「病院がそなえているべき第一の必要条件は、病院は病人に害を与えないことである」とある。そして、こう続く。「とここに明言すると、それは奇妙な原則であると思われるかもしれない」と。 ナイチンゲールは「病院は病人に害を与えないこと」が第一の原則であると考えていた。そのこ
神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授は、日本外国特派員協会のオンライン記者会見で、これ以上の感染を防ぐために、少なくとも東京はロックダウンする必要があるとの見方を示した。写真は都内で3月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato) 神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授は20日、日本外国特派員協会のオンライン記者会見で、これ以上の感染を防ぐために、少なくとも東京はロックダウンする必要があるとの見方を示した。また、東京オリンピックが来年開かれるとは思えないと述べた。 岩田教授は「とりわけ東京で、感染拡大を止めるために最も効果的なのは、いわゆるロックダウンだ」と述べた。日本では外出禁止などを法的に強制することはできないが、「外出してはいけない、出る時は距離を保つ、という強いメッセージが継続的に伝われば、違反の罰則がなくても人々は従うだろう」との見解を示した。 東京オリンピック・パラリン
新型コロナウイルスをめぐり、「エアロゾル感染が確認された。要するに空気感染」という情報がネット上に広がっている。こうした情報は過度に不安を煽るものであり、「誤り」だ。BuzzFeed Newsは神戸大学教授で感染症の専門家、岩田健太郎医師の協力を得て、ファクトチェックを実施した【BuzzFeed Japan/籏智 広太】 ネット上に拡散しているのは、中国が公式に新型コロナウイルスの「エアロゾル感染を確認した」として、「要するに空気感染」などとする情報だ。 BBCの中国語版や新華社通信がエアロゾル感染の「可能性」を報じたものがネット上に広がり、まとめサイトなどにも転載されることで、人々の不安を煽っている状況になっている。 なかでも、まとめサイト「アノニマスポスト」の【エアロゾル感染を確認 中国保健部~ネットの反応「要するに空気感染だよね」】という記事は2700以上リツイートされるなど拡散。
現在、横浜港に着岸し、船上で検疫を行っているものの日増しにCOVID-19の感染者数が増えている大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。19日午前中から、発熱などの症状がなく、ウイルス検査で陰性だった乗客らの下船が始まったが、その下船の前に、神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎氏がYou Tubeに投稿した動画(2020年2月20日岩田氏ご本人により削除済み)が波紋を呼んでいる。 動画の中で岩田氏は、18日に同船に乗船した際に目にした、感染症の専門家を仰天させるような状態について、克明に語っている。 ざっとまとめると、以下のような点を語っている。 ●感染症の専門家から見て、驚くほど杜撰な管理状態だった。 ●アフリカ(エボラ)や中国(SARS)なんかに比べても全然ひどい感染対策をしている。 ●院内感染が起きているかどうかは発熱などの発症日時をちゃんと記録して、データを取って「epi-cu
私もご多分にもれず いじめられた経験はもちろんある。身体に強い反応がでるほどだった。ある日歩けなくなって1ヵ月学校を休み、その間家ではハイハイで移動して暮らした。その後2年「別の靴」を学校では履いていた。 よくあることだ(よね?)。 友達がいじめられたり、には別の意味で「気付かない」振りをしてその人を誘った。そこにはKYセンスというのが必要。 でも別に「私はいつも正義の味方だった」なんて言わない。いじめるつもりはなかったけれど結果的に「意地悪」になってしまったことだってある。相手と距離感が違ったのだ。(私はそういうのが嫌いだ、とはっきり言えればよかった。言えなくて、意地悪になってしまってごめんね。) 人間関係の相談をよく受けた。アドバイスはほとんどしない。出来ないし、したって仕方ないから。でも大抵、最後に言う言葉(そしてこれはアドバイスじゃない。採用するもしないも本人次第だから)はある。
先日、感染症学の第一人者である岩田健太郎さんが、横浜に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の内部の状況を暴露し、大きな話題となりました。なにしろ3000人以上乗っているうちの500人以上が感染しているのです。ましてや、検疫官や救急隊員、DMATで参加した看護師までもが感染し、あげく看護師に至ってはウイルスを持ったまま新幹線に乗っているのです。これは現場があまりに無能すぎて、余計にウイルスを拡散している状態であると言っていいと思います。どうやら国会議員としての責任者は厚生労働政務官である橋本岳さんであることがわかり、これがまたウルトラ級のアホであることがバレたばっかりですが、このたび、現場で指導していた感染症の専門家なる人物が明らかになりました。それが高山義浩さんという方なんですが、Facebookで岩田健太郎さんに反論しており、これがまた酷いことになっています。 岩田 健太
大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、乗客らの下船が始まった/Tomohiro Ohsumi/Getty Images 東京(CNN) 新型コロナウイルスの集団感染で横浜港に停泊している大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で14日間の経過観察期間が終わり、19日から乗客らの下船が始まった。 ウイルス検査で陰性の結果が出た高齢者らから順次、数日間かけて下船する予定。いったん下船した後で船内に戻ることは許されない。 ラベラ船長はともに長い時間を過ごした乗客らとの別れを惜しみ、その強さをたたえるメッセージを贈った。 ダイヤモンド・プリンセスに関連する感染者は540人以上報告されている。18日には新たに乗客ら88人の感染が確認され、19日には災害派遣医療チーム(DMAT)のメンバーとして派遣された30代の男性1人も感染していることが判明した。 乗客のうち米国人300人余りはすでにチャ
「急に病院に運ばれてきた妊婦にPCRは必要か」という議論があります。しかしその人がコロナウイルスに感染している確率が高い生活を送っていたかどうかによって、医師は検査や隔離の有無を変えます。この判断のもととなる「検査前の確率」を推定する方法について、詳しく解説します。※本記事は、岩田健太郎氏の著書『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル、2020年12月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。 コロナウイルスの有無ではなく患者への理解が最重要 先日、ある雑誌の記者さんからこんな質問を受けました。 「陣痛が急に来た妊婦さんが病院に運ばれてきたとき、PCRはするんですか?」 その答えは、事前確率に関わります。 その妊婦さんが暮らしている地域に流行が起きていなくて、なおかつ彼女が過去にクラスターが発生した場所に行ったことがなく、発熱や咳といった症状が出ていないのなら、そも
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