京都大学は2018年末から2019年初頭にかけ、大学業務を支える人事給与や財務会計などの業務系システムと、情報ポータルやメールなど情報系システムをクラウド上に移行させた。狙いは、既存のオンプレミスに起因する「BCP」「利便性」「性能」への抜本的な対応だ。京都大学 情報環境機構 IT企画室の永井靖浩氏が、移行の経緯と具体的な取り組みを解説する。 京都大学はクラウド利用の裾野拡大に取り組む 必要な時に、必要なだけ、安価に計算リソースを調達できるパブリッククラウドは、大学や研究機関などでの、現実的かつ有効な計算基盤の整備策だ。その利用に積極的に取り組んでいる大学の1つが、日本を代表する学府のひとつ、京都大学である。 同大学は、2018年にオンプレで利用してきた人事給与、財務会計、教務情報などの業務系基幹サーバ群をアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に移行した。各アプリケーションのCPUやメモリ