“頭、首、背中、左前脚などの約100点の出土品をもとに、見つからなかった腹部などを補って2013年に復元に成功した”とのこと。 リンク 朝日新聞デジタル 浜松で出土「見返りの鹿」、東京国博特別展「はにわ」で全国デビュー:朝日新聞デジタル 【静岡】浜松市浜名区の古墳から出土した鹿形埴輪(はにわ)が、東京・上野の東京国立博物館の特別展「はにわ」(同館、朝日新聞社など主催)に出展されることになった。所蔵する浜松市の博物館が13日、詳細を説… 346
取材・文/柿川鮎子 撮影/木村圭司 近代化を急いだ明治政府は、芸能や文化を厳しく統制した。怪談が上演できなくなったり、盆踊り、獅子舞なども厳しく規制された。展覧会を禁じられた絵画もあった。江戸の大名家や文人達が所有していた、焼絵である。 焼絵とは何か。長年、焼絵の調査を続けてきた研究家、田部隆幸さんによると、焼絵とは金属製のコテや火箸を熱して紙や絹、木などに絵画や文字を描く作品で、その歴史は古く、『続日本紀』や『平家物語』、『盛衰記』などでも焼絵の記述があるという。 「墨やペンなどの道具が無くても、火を使って絵が描ける焼絵は、私達が火を使うようになった原始時代から伝わる、もっとも古い絵の技工のひとつだったと考えられます」と田部さん。 日本では焼絵を焦画、焼画、屋記絵、火筆画、烙画と言い、中国・韓国では烙画、欧米ではPyrographyである。紙や木、絹のほか、皮革、竹の皮、竹などに描いてき
【静岡】浜松市浜名区の古墳から出土した鹿形埴輪(はにわ)が、東京・上野の東京国立博物館の特別展「はにわ」(同館、朝日新聞社など主催)に出展されることになった。所蔵する浜松市の博物館が13日、詳細を説明した。「見返りの鹿」が完全な形で復元され、展示される「よりすぐりの至宝」のひとつに選ばれたという。 埴輪は高さ90センチ、全長80センチの牡鹿で、5世紀末に築造されたとされる辺田平(へたびら)1号墳から1997年に出土した。頭、首、背中、左前脚などの約100点の出土品をもとに、見つからなかった腹部などを補って2013年に復元に成功した。各地のよりすぐり120点が集まる特別展で「全国デビュー」を果たす。 出土した古墳は、日本に招かれた渡来人たちを動かした地域の王墓とみられるという。近くでは、狩人の埴輪の胴体や弓を引く腕の部分が出土しており、権力と結びつく猟の様子が表現されたと考えられている。 特
黒人侍の弥助が主人公 ⇽めっちゃ良いじゃん! と思ったけど、採用の経緯聞いてアウト 感情移入出来ないので「私達の侍、私達の目となる存在を、探していた」(ファミ通インタビュー記事より:サイレント削除、魚拓やスクショで証拠あり) 弥助が侍かどうかの議論はもうどうでも良いんだよ。 ◾︎ 日本では史実と思われてる、 信長が人身売買してたポルトガルから、奴隷の弥助を解放したのでは無く、 弥助はエリート傭兵でパートナーとして日本にやってきて信長に雇われ、たった15ヶ月で重臣になり、本能寺の変では代々仕えてきた森蘭丸を差し置いて、信長の首と刀を託されたストーリー。 (蘭丸始め他の武将をバカにしすぎ) 日本での史実では、その後弥助は獣扱いされて見逃されているが… 海外では弥助が元奴隷、という認識が無いので、日本人の常識を話した時点でレイシスト扱いされてる。 実際、UBIソフトの社長は日本人をレイシストと呼
キリシタン遺物には学術的裏付けがない「虚構」とみられる一群の資料がある。大正時代から幾度も起こったブームを背景に大量に「発見」され、その後疑義が生じたこれらの資料にあえて光を当てた企画展が福岡市の西南学院大博物館で開かれている。虚構系資料をタブー視せず、時代背景も含め捉え直すことで「キリシタン」のイメージに再考を促す。 (川口安子) 【写真】「虚構系資料」として展示された「魔鏡」。光を反射させるとキリストの姿が浮かぶ 本展は長崎県平戸市生月町博物館・島の館館長、中園成生さんの著書「かくれキリシタンの起源」に倣い、かくれキリシタンの信仰が独自に解釈された結果、誤認・捏造(ねつぞう)・創作されたキリシタン遺物を「虚構系資料」と定義する。 真ん中に仏が鎮座するきらびやかな「仏像付き十字架」は、典型的な「虚構系資料」だ。禁教期に信仰を隠すため仏像を付けたと言われると納得してしまいそうだが、実際は1
東博という場で深められた問い内藤礼は1961年広島県生まれ。「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに、国内外で空間作品を生み出してきた。本展は東京国立博物館とエルメス財団との共同企画。9月7日〜2025年1月13日に開催予定の銀座メゾンエルメス フォーラムの個展へとつながり合う構成になっている。 開幕に先立ち報道陣向けに開催された概要説明では、本展を担当した東京国立博物館 学芸企画部 上席研究員・広報室長の鬼頭智美が「本展を通して、かつて生きていた人たちと、現代を生きる我々との間に通じる精神世界を感じてもらいたい。また、今後も博物館が創造の源泉の場であるように努めていきたい」と語った。 内藤礼は「この展覧会の構成は、(平成館企画展示室に展示されている)縄文時代の《土版》との出会いから始まった」と語り、「特別5室の足形やサル、イノシシなどのかつて本当に生であったものたちや
東京国立博物館で開催中の展覧会「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 — 美と芸術をめぐる対話」を観てきました。澁谷翔氏の作品を堪能して、物販へと向かいます。その9。(*現在、展示は終了しています) -目次- 日本五十空景 澁谷翔 -F ifty Sky Views of Japan Sho Shibuya 2024 SHOP 館外へ 日本五十空景 澁谷翔 -F ifty Sky Views of Japan Sho Shibuya 2024 鑑賞エリア入ってすぐの場所に展示されていたので、みんなスルーしがちな場所でした。が、作品自体は非常に手がかけられた力作だったと思います。↓こちらのweb記事もオススメ。 www.tjapan.jp SHOP 澁谷翔によるアートワークが表紙の、小さなノート。1650円。たっか!と思ったのですが、手に取ってみると品質感の良さと、彩りの
半世紀を超えて今また熱く読み継がれる名著『奇想の系譜』。もっともっとこんな面白い絵があるんだよと教えてくれた本だったがいつの間にかそっちの方の人気が高まって、本筋の絵の方の陰が薄いなら、そっちをあらためてちゃんと語りますという本が出た。辻惟雄先生のお話ってなんでいつもこんなに面白いんだろう。 本書「第1講 やまと絵」より 曽我蕭白、狩野山雪、歌川国芳らに光を当てた美術史家 以下の用語を説明できる? ①辻惟雄 ②『奇想の系譜』 ③伊藤若冲 ④動植綵絵 難易度は簡単な方から難しい方へ、③→④→②→①の順かな。 ③伊藤若冲はわかるだろう。江戸中後期に京都で活躍した画家。その代表作の一つが④動植綵絵。30幅の彩色画。皇居三の丸尚蔵館蔵。国宝。②『奇想の系譜』は伊藤若冲や狩野山雪など日本美術の本流ではないとされながらも特筆すべき絵師たちを取り上げた本。①辻惟雄はその著者である。僕はこれまで何度もイン
Wikipediaから引用 京都国立博物館(きょうとこくりつはくぶつかん)は、独立行政法人国立文化財機構が運営する博物館。1897年(明治30年)5月に開館した。現館長は松本伸之。主に平安時代から江戸時代にかけての京都の文化を中心とした文化財を、収集・保管・展示するとともに、文化財に関する研究、普及活動を行っている。平常展示のほかに特別展が1年に2~4回行われている。2020年3月31日時点で、国宝29件、重要文化財200件を含む収蔵品の総数は8,130件。これとは別に、国宝88件、重要文化財615件を含む総数6,520件の寄託品を収蔵している。2019年度の平常展の展示替え件数は1,140件、展示総件数は1,147件。同年度の来館者数は約38万人で、平常展来場者は約16万人。博物館の本館は片山東熊の設計になる煉瓦造平屋建て、フレンチルネサンス様式の建物で、1892年(明治25年)6月に建
初代宮川香山作 (みやがわこうざん) 1口 高37.0口径19.6*39.7底径17.1 明治14年(1881) 東京国立博物館 G-105 宮川香山(初代・1842~1916)は京焼の陶工の家に生まれ、明治時代になると輸出用の薩摩風陶器の製造を目指して横浜に移り、1871年(明治4年)真葛(まくず)窯を開いた。色絵金彩による絵画で器を飾るのは当時の流行であったが、香山はそこから一歩踏み出し、この台付鉢のように貼り付ける、あるいは浮き彫りにするといった装飾法を用いて海外の万国博覧会で人気を博した。 この鉢は迫真の描写による蟹の貼付けもさることながら、台の脚部や強く歪ませた鉢の造形と、そこにかけられた二重の釉薬(ゆうやく)の表現によって当時の水準をはるかに越える力強くすぐれた作品となっている。明治後期には清朝(しんちょう)陶磁やアール・ヌーヴォーにも学んで自身の作品を大きく展開させる香山にと
金沢大学、中央大学、東京国立博物館の研究チームは、東京都府中市の遺跡から出土した縄文時代中期の土器に、現代の大豆と変わらない大きさの豆を押し付けて飾りとして使っていたことを明らかにした。縄文時代に、豆を飾りや儀式のために土器に埋め込んだことを示す初の事例となる。 最近、土器に残っている小さなくぼみ(圧痕)が注目されており、特に「レプリカ法」と呼ばれる調査方法を使うことで、縄文時代にも豆を栽培していたことがわかってきた。 今回の研究では、府中市の清水が丘遺跡で1984年に見つかった土器を調べ、装飾として線状に隆起するように土を貼り付けた部分に7つのくぼみが見つかった。これらのくぼみがどうやってできたのかを調べるために、レプリカ法でシリコンを使って複製を作り、顕微鏡で観察した。その結果、種子の形と大きさからこれらのくぼみは現代の大豆と変わらないサイズの豆によって付けられたものだとわかった。 さ
東京国立博物館(上野)で、8月27日から9月1日までの6日間の夜間特別イベント「東博縁日」が始まりました。敷地内では賑やかな屋台や和太鼓の実演などが繰り広げられ、日本のお祭り文化を体感できます。また、平成館で開催されている特別展「神護寺-空海と真言密教のはじまり」と本館「日本ギャラリー」(常設展示)を夜間に鑑賞でき、トーハクでのナイトミュージアムの体験ができるのも貴重な機会です。 初日の夜の様子をレポート 初日の午後6時。黒門の扉が解き放たれるとナイトミュージアムを心待ちにしたたくさんのお客さまたちが入場していきました 特設ステージでは迫力の和太鼓が夏の夜を盛り上げました 平成館の特別展「神護寺展」に加え、本館「日本ギャラリー」も鑑賞することができます。本館前のステージで太鼓など日本の祭りの「動」で盛り上がっているタイミングで本館に入ってみると静寂なナイトミュージアムを楽しむことができまし
Wikipediaから引用 京都国立博物館(きょうとこくりつはくぶつかん)は、独立行政法人国立文化財機構が運営する博物館。1897年(明治30年)5月に開館した。現館長は松本伸之。主に平安時代から江戸時代にかけての京都の文化を中心とした文化財を、収集・保管・展示するとともに、文化財に関する研究、普及活動を行っている。平常展示のほかに特別展が1年に2~4回行われている。2020年3月31日時点で、国宝29件、重要文化財200件を含む収蔵品の総数は8,130件。これとは別に、国宝88件、重要文化財615件を含む総数6,520件の寄託品を収蔵している。2019年度の平常展の展示替え件数は1,140件、展示総件数は1,147件。同年度の来館者数は約38万人で、平常展来場者は約16万人。博物館の本館は片山東熊の設計になる煉瓦造平屋建て、フレンチルネサンス様式の建物で、1892年(明治25年)6月に建
京都の龍谷ミュージアムで、秋季特別展「眷属」が開催される。会期は9月21日〜11月24日。 本展は、「眷属(けんぞく)」をテーマとしたもの。眷属とは、仏菩薩など信仰の対象となる主尊に付き従う尊格のことで、主尊のまわりを囲むようにあらわされ、仏法を守護したり、主尊を信仰する者に利益を与えたりする役割を担っている。 本展は龍谷ミュージアムで昨年度開催された特集展示「眷属─ほとけにしたがう仲間たち─」を特別展としてパワーアップさせたもの。会場には、国宝 十二神将立像のうち安底羅大将立像(奈良・興福寺)をはじめ、国宝2件、重要文化財10件を含む約80件の貴重な文化財が集結。武将や貴人、子供など、眷属たちの多種多様で魅力的な造形に迫る展覧会となる。 国宝 十二神将立像のうち安底羅大将立像 鎌倉・建永2(1207) 木造彩色 奈良・興福寺 画像提供=飛鳥園重要文化財 千手観音二十八部衆像 鎌倉時代
こんにちは、natsukiです。上野の東京国立博物館-トーハク-は、いつ行っても、常設展、特別展ともにクォリティの高い展示が楽しめる、個人的にも、かなり頻繁に足を運ぶ施設です。最近、こういう博物館や美術館は、ミュージアムショップの商品に力を入れているところが多く、トーハクも例に漏れず、凝ったオリジナル商品が並びます。今回は、その中から、デジタルガジェットと合わせて使えるものをいくつか紹介してみたいと思います。 1.「うつし金蒔絵」ステッカー ― スマホやパソコンのワンポイントに まずは、これ。蒔絵のような鮮やかな色彩が魅力の「うつし金蒔絵」ステッカーです。立体的な触感がいいんですよ。スマホやパソコン、モバイルバッテリーなどの、ワンポイントに。 こだわる人のための余談ですが、このうつし金蒔絵ステッカーをはじめ、トーハクのグッズの多くには風神雷神図があしらわれています。そして、トーハク的にも風
これは買いたい! 編集部が選ぶベストミュージアムグッズ(東京国立博物館編)日本全国にあるミュージアムが販売するオリジナルのミュージアムグッズ。編集部がとくに気になるものを実際に購入。館ごとにピックアップしてご紹介する。 文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 日本を代表するミュージアムである東京・上野の東京国立博物館。同館は1872年、湯島聖堂の大成殿で開催された博覧会からその歴史を歩み始めた、日本でもっとも長い歴史をもつ博物館だ。日本と東洋の美術および考古など様々な文化財に関して、収集・保存・修復・管理・展示・調査研究・教育普及事業などを行っている。敷地内には、本館、東洋館、平成館、表慶館、法隆寺宝物館などがあり、その所蔵品は約12万件に及ぶ。そのうち国宝89件、重文650件(2024年4月現在)という、質、量ともに日本随一のコレクションだ。東博では、平成館の特別展などで特設シ
現在開催中の「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」(以下、「内藤礼展」)は、先の荻堂研究員のブログにもあったように、通常の当館の特別展とは違っています。展覧会入口に「ごあいさつ」のパネルがないことからはじまり、展示室内には作品解説パネルの類はいっさいない、会場外で並ぶことはあっても会場内の人数はそれほどでもない、3か所の会場がまとまっていない、など、ないことばかりです。 さかのぼれば、ポスターは作家の作品ではない当館収蔵品のアップ(原寸大以上)でチラシにも作家の作品画像は掲載されていない、開幕時に図録がない、とこれまたないものだらけ。現代美術展ではそれほどめずらしいことではありませんが、当館をよく知っている皆さんは、「?」と思ったかたも少なくないのでは、と思います。 展覧会第1会場エントランス 撮影:畠山直哉 推奨順路のはじまりはさりげない 美術家・内藤礼さんにとっても、この展覧会はこれ
京都市京セラ美術館開館90周年展として開催された「村上隆もののけ京都」展は、現代美術の最前線で活躍する村上隆の、国内では約8年ぶりの大規模個展です。 本記事は以下の続きになります。 www.yomurashamrock.me この展覧会は9月1日で終了しています。 京都市京セラ美術館の場所 第4室 風神雷神ワンダーランド 風神雷神図 雲龍赤変図《辻 惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いてみたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》 金色の空の夏のお花畑 第5室 もののけ遊戯潭 《Murakami. Flowers Collectible Trading Card 2023》 第6室 五山くんと古都歳時記 京都市京セラ美術館の場所 https://maps.app.goo.gl/cyAcz9dQErwvpTiz5 京都市京セラ美術館の行き方 地下鉄東山駅からの行き方
雪舟というと〝画聖〟と称され、「室町時代の凄く立派な画家」というイメージがあります。ですがそれは雪舟の一面でしかありません。実は「人間臭さ満載のヘンな絵描き」であった雪舟の80年を超える生涯を3000字で紹介します! 雪舟の肖像画は、71歳の時に弟子の秋月に与えた自画像(所在不明)をもとにした作がいくつも伝存。本図は徳川幕府御用となった狩野派の当主・探幽が写したもの。『雪舟像(探幽縮図 たんゆうしゅくず)』 狩野探幽 京都国立博物館 出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp) 《備中赤浜生まれ、35歳までの京都時代》 立派な画僧を夢見て京都に上るも画風が合わず不遇をかこつ 室町時代の応永27(1420)年、備中国赤浜(びっちゅうのくにあかはま=現岡山県総社〈そうじゃ〉市)に生まれた雪舟。家系についての詳細は不明ですが、生家は武家とされ、本人は藤氏(とうし
全国美術館会議による美術館学芸員の聞き取り調査について 高知県立美術館・安田篤生(やすだあつお) 一般社団法人全国美術館会議(以下「全美」)は、日本の美術館がともに考え行動することをめざして1952年に任意団体として設立され、2020年に一般社団法人となった。現在は416館(国立13館、公立261館、私立142館)が正会員として加盟している。全美の中にはいくつかの研究部会が置かれているが、その中の一つである美術館運営研究部会では、2024年6月、「現場の声を聴く~学芸員聞き取り調査について」と題した調査報告を全美ウェブサイトに発表した。本稿では、その背景と調査報告の概要を簡単に紹介したい。 ●調査の背景 日本の博物館(美術館)の第一号である東京国立博物館は1872年を創立としており、日本の美術館は一世紀半の歴史を刻んできたわけだが、今世紀になって法制面(そして運営面)での変化が立て続けに起
「風神雷神図」は日本美術の中でももっともポピュラーなモチーフの一つであり、これまで数多くの画家が作品制作に取り組んできました。今回はその「風神雷神図」の歴史を取り上げるとともに、作品を世に出した代表的な画家7人をご紹介して参ります。 「北野天神縁起絵巻」(承久本)より「雷神」 所蔵:北野天満宮 「風神雷神図」とは 「風神雷神図」の起源は古来中国にあるとされますが、実は詳しいことはわかっておらず、その呼び名も「風神」が「風伯」「風師」、「雷神」も「雷公」「雷師」など定まってはいません。しかし中国で1世紀に作られた武氏祠には風伯と雷公が彫られているほか、北魏の元叉の墓の天井画には、星図を挟んで周囲に太鼓を巡らせた雷公と布を広げた風伯が対になって描かれています。 しかし日本ではこれらの図像イメージが定着するより先に、仏教における観音菩薩の眷属として解釈されていたようで、同じく中国伝来の仏教美術で
東京国立博物館のコレクションと現代美術作家、内藤礼がコラボレーション。普段は見られない特別な空間が生まれます。 【フォトギャラリーを見る】 土器や絵画など12万件余りのコレクションを誇る〈東京国立博物館〉。アーティスト、内藤礼がその中から選んだものと彼女の作品を組み合わせた展覧会を開いている。いつも場と敏感に呼応するインスタレーションを見せる内藤だが、今回は本館・平成館の3か所が選ばれた。中でも「本館特別5室」は窓から自然光が入る建物完成時の設えとなっている。通常はシャッターが下りているため、見ることができない光景だ。 セレクトされた同館の収蔵品の中には2、3歳ぐらいの小さな子どもの足形がある。 「親が、亡くなった子どもの足形をとったものではないかと言われているものですが、その想いは私たちと変わらないと思います。でも今の時代の私たちとはまったく違うことを思っていたかもしれない。同じことと、
室町時代に大成されたといわれる能で使用する面(おもて)は、安土桃山時代までにさまざまな種類が創作されました。江戸時代になると能楽が武家の式楽(しきがく、儀式に際して行なわれる芸能)とされ、需要が大幅に増えました。面の制作にあたっては、中世に作られた名物とされる古面を傷や彩色の剥落(はくらく)、時には面裏の鑿(のみ)跡までそっくりに作る「写し」が主流となります。写しは必ずしも名物面を直接写すのではなく、写しを写す場合もありました。そのため、伝言ゲームのように、もともとの面にある傷などの形が変わることもありました。また、じかに触れて見られる場合とそうでない場合では精度に差が出ます。 この特集では、オリジナルと写しの関係にある面、同じオリジナルを写した面に共通する特徴、写した傷などの表現を紹介します。肉眼で認識しにくい傷などの部分は、拡大写真をご覧いただきます。 能面を理解し楽しむために重要なポ
前回の記事では、日本人は「憲法十七条」が説く「和」の心をずっと重んじてきたといった言説は戦後生まれのものであることに触れましたので、同様に、古くからの伝統と思われることが実は違う例を扱った論文を紹介しておきます。 伊藤純「唐本御影の伝来過程をめぐって--背負わされた法隆寺での役割--」(武田佐知子編『太子信仰と天神信仰』、思文閣出版、2010年5月) です。この本からは、松本真輔論文と下鶴隆論文を既にとりあげておりながら、こちらはまだでした。このブログでは、原則として中世や近世の太子信仰などは扱わないことにしていますが、聖徳太子に関する現在の常識について考えるうえで重要な研究については、どの時代のものでも紹介していきます。 さて、この伊藤論文は、お札でおなじみの聖徳太子像、「唐本御影」が法隆寺においてどのような役割を果たしてきたかを検証したものです。この絵は、明治11年(1878)に法隆寺
白綾地秋草模様小袖(冬木小袖)は、2023年8月23日に東京国立博物館で開催されたウィキマニア2023東京に際し立項した記事です。葵梶葉文染分辻が花染小袖、白練緯地松皮菱竹模様小袖を立項した後、やはり小袖の中でも著名な、尾形光琳自筆の秋草模様が描かれた白綾地秋草模様小袖に挑戦したいと考え、ウィキマニア2023東京のイベント時に作成してみることにしました。 白綾地秋草模様小袖(表) 記事を書き始めてまず躓いたのが葵梶葉文染分辻が花染小袖、白練緯地松皮菱竹模様小袖との違いでした。前二者は衣服としての視点からの資料がほとんどであるのに対し、白綾地秋草模様小袖は衣服というよりも尾形光琳の絵画作品としての位置づけ、評価がされている資料が多かったのです。名が知られた小袖の記事を書こうと意気込んでいた自分は、出鼻を挫かれた気がしました。また作品に落款等がないため、作風から尾形光琳作とされていることも正直
» 【東博】JRA70周年特別展示「世界一までの蹄跡」展は、新旧全ての競馬ファン必見 / あの名馬のトロフィーや蹄鉄、極わずかな期間のみ贈られた日本刀など 特集 【東博】JRA70周年特別展示「世界一までの蹄跡」展は、新旧全ての競馬ファン必見 / あの名馬のトロフィーや蹄鉄、極わずかな期間のみ贈られた日本刀など 江川資具 2日前 2024年9月20日から10月20日まで、東京国立博物館 表慶館にて開催中のJRA70周年特別展示「世界一までの蹄跡」。 19日にJRA理事長を務める吉田正義氏、乃木坂46より池田瑛紗氏、東京国立博物館より藤原誠館長、そして公益財団法人馬事文化財団理事長の高橋敦樹氏が出席するテープカットセレモニーと、関係者・メディア向け内覧会が行われた。 本展示では、JRAの主催で東京国立博物館の協力のもと、競馬に関する絵画や貴重品などを多数見ることができる。一足先に内覧させて頂
東京国立博物館にて、「博物館でアジアの旅」と題した今年11年目を迎える秋の恒例企画が今年も開催となります。 アジアの美術・工芸・考古遺物を展示する「東洋館」を舞台に、毎年独自のテーマを掲げ、それにちなんだ作品を館内随所に展示します。 https://www.tnm.jp/ 「博物館でアジアの旅」今年のテーマは「アジアのおしゃれ」! 東洋館の各展示室には、「アジアのおしゃれ」にまつわる作品のそばに「博物館でアジアの旅 アジアのおしゃれ」の札が添えらているので、鑑賞のよき目印となります。 【主な展示作品】 東洋館13室 コート 濃紺ヴェルヴェット地花卉文様金銀糸刺繍(のうこんヴぇるヴぇっとじかきもんようきんぎんしししゅう) インド・ジャイプール マードー・シーン2世着用 19〜20世紀 絹糸を細かく起毛させた艶やかなヴェルヴェット地に、重厚な金属のモール糸と宝石を密に留めつけ、ペイズリーや花唐
まだ『どうする家康』がNHK大河ドラマで始まったばかりですが、早くも2025年の大河の主人公が蔦屋つたや重三郎じゅうざぶろうさんだと発表されました。NHKの大河といえば、平安後期の源平合戦の時代や戦国時代または江戸の幕末……いずれにしても武将や武士をテーマにすることが多いです。そんな中で、今回は純粋な町人が主役です。どんな風に描かれるんだろうか? って、ワクワクせずにはいられません。 知っていそうで、実は知っているのはTSUTAYAこと蔦屋書店だったりしますが、このTSUTAYAの名前の由来となったのが蔦屋つたや重三郎じゅうざぶろうさん。子孫だからなどではなく、蔦屋つたや重三郎じゅうざぶろうさんにあやかって、「蔦屋書店」という名前にしたそうです。ただ、TSUTAYAさんは、単に書店を開いただけではなく、ずーっと自社を「メディア」にするっていうことにもこだわっている企業でもありますよね。最近
(指定名称)埴輪犬 伝群馬県伊勢崎市(旧佐波郡境町)大字境上武士 天神山古墳出土 1個 土製(埴輪) 長48.5 幅29.5 高52.7 古墳時代 6世紀 九州国立博物館 J645 後ろを振り向いた鹿、いわゆる「見返りの鹿」を表現した愛らしい姿の動物形埴輪である。現在、すでに消滅してしまったが、かつて群馬県伊勢崎市にあった全長127mの規模を持つ前方後円墳「上武士(剛志)天神山古墳」出土と伝わる。 この作品は、古くから振り向いた犬をあらわす埴輪として知られており、「埴輪 犬」として重要文化財に指定されている。しかし、犬にしてはやや足が長いこと、犬形埴輪の特徴である牙や舌、首輪・鈴などの表現がないこと、耳がやや大きいこと、足のかかと部分が斜めにカットされていること(これは蹄を持つ馬などをあらわす動物形埴輪にしばしばみられる表現である)、尾が垂れていること(犬形埴輪の尾は上に立つ)など、犬形埴
神護寺展が東京国立博物館で行われています その間の神護寺は 驚くことにまるでワンダーランドです ヾ(´Д`)ノ☆ 本尊がお帰りになるまでって 今だけよね ★ 薬師如来坐像 国指定 重要文化財(奈良時代) ★ 脇侍 吉祥天 善膩師童子(ぜんにしどうじ) ※京都国立博物館から150年ぶりに一時返還 ヾ(仰゚Д゚)ノスゴッ!!! ★ 秘仏 毘沙門天 重要文化財(平安時代) ★ 秘仏 五大明王像 不動明王、降三世明王、軍荼利ぐんだり明王、大威徳明王、金剛夜叉明王 御開帳記念御朱印が期間中授与されます 行って見なくっちゃ ε=ε=ε=((((o^ー^)o ブ-ン!! 東京にお出かけのご本尊 薬師如来さま(平安時代:国宝)は難しいお顔です 螺髪が凄いね~ こんなにもボコボコなんや 改めて 存在感のあるお姿にビックリ ↓↓↓ 東京国立博物館のサイトよりお借りしました 大好きな五大虚空蔵菩薩たちもお出
大阪・吹田市の万博記念公園内にある『国立民族学博物館』(通称:みんぱく) 「みんぱく」は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアなど、世界中の社会や文化を、住居のレプリカや民族衣装、生活道具、宗教用具、楽器などの豊富な展示品により紹介している見応えのある博物館。 館内を一周するだけで世界旅行気分を味わえる博物館で、旅好き、エスニック好き、世界の文化に興味がある人にとっては、丸一日楽しめるような場所です。 久々に訪問してきたので、ご紹介します★ 『国立民族学博物館(みんぱく)』の場所とアクセス 『国立民族学博物館(みんぱく)』の地図 「みんぱく」は、大阪府吹田市の「万博記念公園」内にあります。大阪からは阪急と大阪モノレールを乗り継いで40分ほど。車だと30分程度で着きます。 最寄駅は大阪モノレールの「万博記念公園駅」です。 駅から「みんぱく」までは、徒歩15分ほど歩く必要があ
遮光器土偶の石像の前で、来訪者に発掘の経緯を説明する「つがる縄文遺跡案内人」のメンバー=青森県つがる市の亀ケ岡石器時代遺跡で2024年9月7日、足立旬子撮影 誰もが一度は教科書で目にしたことがある土偶だろう。それらが発掘された場所など、世界文化遺産に登録された北海道・北東北(青森、岩手、秋田の3県)の縄文遺跡群には、17の遺跡がある。今夏、登録から3年を迎える中、遺跡間で「格差」が生じているという。現場を訪れると、その理由が見えてきた。 【写真まとめ】世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」 ◇遺跡と言っても原っぱ 目の部分が、スノーボーダーやスキーヤーが着けるゴーグルのような形をしている「遮光器土偶」。国の重要文化財で、発掘された場所は縄文遺跡群の一つ、亀ケ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)だ。 すぐ近くには、縄文遺跡群の田小屋野(たごやの)貝塚もある。 この二つの遺跡で今月7日、世界文
会 長 西園寺昌美 理事長 西園寺裕夫 常務理事 川村真妃 理 事 明石 康 公益財団法人国立京都国際会館理事長、元国連事務次長 今里 隆 建築家 大橋光夫 株式会社レゾナック・ホールディングス名誉相談役 千 玄室 茶道裏千家前家元、公益財団法人日本国際連合協会会長 成田純治 株式会社博報堂相談役 宮城治男 認定NPO法人ETIC.創業者 宮崎雅美 公益財団法人五井平和財団シニア・アドバイザー 森島朋三 学校法人立命館理事長 監 事 磯貝恭史 東洋紡株式会社取締役、神戸大学名誉教授 加藤秀樹 一般社団法人構想日本代表 京都大学経済学研究科特任教授 評議員 安西祐一郎 公益財団法人東京財団政策研究所所長 植芝守央 合気道道主 魚谷雅彦 株式会社資生堂取締役代表執行役会長 CEO 長内博雄 学校法人武蔵野東学園アドバイザリーボードメンバー 高木秀二 医学博士、たかぎ小児クリニック院長、医療法人
このたびMOA美術館では、尾形光琳(1658-1716)の最晩年に制作されたと考えられる国宝「紅白梅図屏風」と重文「風神雷神図屏風」(東京国立博物館蔵)を39年ぶりに一堂に展観いたします。 国宝「紅白梅図屏風」は、中央の水流を隔てて紅白の梅樹が対峙する緊張感のある構図で、梅花や水流には意匠的な表現とあいまって光琳の画業の集大成といわれています。重文「風神雷神図屏風」は、光琳が私淑する俵屋宗達(?-1643)の名品を忠実にトレースして描き上げたもので、そのモチーフや構図から国宝「紅白梅図屏風」との関連性が指摘されています。 本展覧会では、この同時展観の他、宗達作品の学習から生まれた光琳の名品や所蔵の琳派作品を紹介します。また、安田靱彦筆「風神雷神図」(遠山記念館)やNHK Eテレ『びじゅチューン!』で知られる井上涼の「風神雷神図屏風デート」など、風神雷神をテーマとする近現代の作品もあわせて紹
ミュージアム紹介の前に、書と書道界を俯瞰 ミュージアム巡り、ミュージアム情報の収集を趣味としており、全国5000カ所以上の博物館、記念館、資料館、郷土館などをリストアップしています。美術館は含めていませんが、テーマを絞った美術館や特定の人物にフォーカスした美術館はリストに入れています。 書道に関するミュージアムをピックアップすると、北海道から九州まで48 カ所あり、休館・閉館・準備中のミュージアムが7カ所あります。地域の偉大な文化人を紹介し、顕彰しようという熱意から、書道ミュージアムが設置されるケースが多いようです。 全国を5つのエリアに分けて、書道ミュージアムを紹介します。1人の書家を紹介するミュージアムのほかに、書跡しょせき(書道の優れた作品や禅宗の僧が書いた書などをいう)の収集に力を入れている美術館も含めています。 書への理解を深めるために、書道の歴史、書道界の現状と問題点について解
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