7月の参院選は自民、公明の与党で改選定数の過半数を上回ったものの、日本維新の会と合わせた「改憲勢力」は憲法改正に必要な3分の2の議席に届きませんでした。自民は8つの選挙区で現職が落選しており、有権者の判断は、長期政権の安定は評価したものの全面的に信任したわけではない、という微妙なものになったようです。 これを受けて安倍首相は憲法改正を「加速」させたい意向ですが、そもそも国民の多くは改憲に興味があるわけではないので、前途多難が予想されます。対する野党も、「年金2000万円不足問題」で攻勢をかけようとしたものの、「消費税増税反対」との股割きで一貫した主張ができませんでした。高齢者の関心はいまの年金収入を守ることで、「増税しなければ社会保障の財源が枯渇する」との主張を覆すのは容易ではありません。 私はこれまで繰り返し、「日本社会は“リベラル化”しており、右傾化と呼ばれるものは“日本人アイデンティ