名古屋市中区の市科学館で2日夕、閉館時間後も激しい雷雨で足止めされていた入館者約100人に、職員がとっさの判断で「サイエンスショー」を披露した。雷におびえていた子供たちを安心させ、ツイッターなどで「また行きたい」と称賛されている。 学芸員山田吉孝さん(52)が、時間になっても帰宅できずにいた家族連れらの姿を見て考えた。ショーは約40分。実験器具で気圧を変化させて空き缶を潰したり、マシュマロを膨らませたりすると、泣いていた子供たちが目を輝かせて「すごい」と歓声を上げ、雨が上がって家路につく時には「ありがとう」と感謝する声が相次いだという。 職員は冷房が切れた館内で、うちわも配った。山田さんは8年前、オーストラリアの科学館に研修に行った際、テロ騒ぎで足止めされた経験があり、当時、現地の職員が見せたショーを参考にしたという。「子供たちを笑顔にできてよかった」と振り返った。