女性が髪を結うようになったのは江戸時代から 「女髪結かみゆい」の話をしたい。女性の髪を結う、いまでいえば理容師・美容師のことだ。 女性がみな髪を結うようになったのは、江戸時代に入ってから。それまでは貴族や武士の間でも垂髪すべらかしが一般的だった。それが次第に髪の毛を束ねはじめる。当初は自分で結髪したり、友人や知人で結いあったりしていたが、次第に金を出して他人の手でオシャレな髪型にしてもらうようになった。こうして女髪結という職業が成立してくるわけだ。 ちなみに私が子どもの頃に通っていた近所の床屋は、行くと必ず天国か地獄か、どちらかの気分を味わされた。どちらかになるかは順番がくるまでわからない。店は父と娘で営業していたが、娘さんは超美人だった。襟足えりあしを剃ってもらうとき彼女の顔が間近に迫って来たり、散髪の途中、体が一瞬だけ私に触れたりする。ませガキだったので、天にも昇る気持ちだった。いっぽ