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河合薫の検索結果1 - 40 件 / 218件

  • 「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感

    書こうか書くまいか散々悩んだ結果、やはり書こうと思う。 なぜ、悩んだのか? 一つには、何から書いていいか分からないほど、「絶望」に近い感情を抱いたこと。そして、もう一つは、どうしたら伝えたいことが伝わるか、最善の方法が見つからなかったからだ。 が、今書いておかないと後悔しそうなので、書きます。 テーマは「人さまに迷惑をかけるな!」といったところだろうか。 まずは、遡ること14年前に起きた、忘れることのできない“ある事件”からお話しする。 2006年2月1日、京都市伏見区の河川敷で、認知症を患う母親(当時86歳)を1人で介護していた男性(当時54歳)が、母親の首を絞めて殺害した。自分も包丁で首を切り、自殺を図ったが、通行人に発見され、未遂に終わった。 男性は両親と3人で暮らしていたが、1995年に父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる。一方、男性は98年にリストラで仕事

      「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感
    • 9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ

      先日、講演会後の懇親会で、管理職が20代の社員たちの日本語能力に悩まされているという話で盛り上がった。 「9時スタートの研修会なのに1分前にドサドサと入ってきて、5分、10分の遅刻は当たり前。なので『9時10分前には集合するように』と言ったら、キョトンとした顔をされてしまって。ま、まさかと思いつつ『8時50分に来るのよ』と念押ししたんです。そしたら、『あ、そういうこと』って。もう、わけが分かりません」 こんな“珍事件”に面食らった上司たちの嘆きが、「これでもか!」というくらい飛び出したのである。 確かに、私自身、店で領収書をもらおうとしたときに、「???」という事態に何度か出くわしたことがある。 【ケース1】 河合「領収書をお願いします」 店員「宛名はどうしますか?」 河合「上、でいいです」 店員「うえで、ですね!」←自信満々感満載 河合「……は、はい」 するとなんとその店員は宛名の部分に

        9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ
      • 「氷河期世代」25年間で年収195万円減 退職課税見直しで続く無間地獄(河合薫) - エキスパート - Yahoo!ニュース

        いったいどこまでこの国は、愚策のツケを“氷河期世代”に払わせるつもりなのか。 政府は16日、今年の「骨太の方針」を決定し、退職一時金課税制度を見直し、労働移動を促すことが盛り込まれた。企業があの手この手で講じてきた“45歳過ぎたらお引き取り願いたい策”に加え、国が「会社に長くいてもいいことな~にもないから。次行こっ! 次!」という増税策に踏み切ったわけだ。 退職所得課税に白羽の矢がたったのは、リストラの嵐が吹き荒れた1990年代初頭だ。「退職所得課税って、経済復活の邪魔になるんじゃね?」という経済成長の阻害要因説が指摘され、その後は賃金の高いシニア世代をなんとしてでも切りたい大御所たちが、「優遇措置があるから転職しない」だの、「優遇措置があるから会社にしがみつく輩が増える」だの、「雇用の流動化の邪魔」だの難癖をつけ続けた。 そして今回、岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」と「どうにかして

          「氷河期世代」25年間で年収195万円減 退職課税見直しで続く無間地獄(河合薫) - エキスパート - Yahoo!ニュース
        • 「課長にすらなれない」──絶望する40代社員が増えるワケ

          私が入社した時は、40歳ぐらいでみんな課長になっていました。ところが、だんだんと景色がかわってきた。課長になれず、係長止まりの人がたくさん出てきたんです。係長っていっても、中身はヒラとほとんど一緒。給料も変わらないし、仕事内容もほとんど同じ。唯一の違いは、まわりより年上ってことくらいです。 私も係長ですが、コロナ禍前までは「うまくいけば課長になれるかもしれない」と思っていました。でも、今は絶望しかない。事業再編でポストが激減し、若手の抜擢(ばってき)にも注力しはじめ、40代の私は万年係長がほぼ決定です。 この先、給料も上がらず、“意識高い系”の年下の元で働かなきゃならない。転職といっても、私くらいの年齢で肩書きがないと、書類すら通らない。 河合さん(筆者)はよく、役職定年のおじさん会社の悲哀を記事に書いているじゃないですか。私のような役職にもつけない40歳はこの先、どうやって生きていけばい

            「課長にすらなれない」──絶望する40代社員が増えるワケ
          • アマゾンで増える「送料ぼったくり」被害 “誰だって気づくはず”の手口のウラ側

            「そんなバカな送料の設定で売れるはずがない」「プライム配送の製品しか検索しないから、僕は引っ掛からないよ」──と考える方が多いのではないだろうか。 おおむねその通りなのだが、それでもこの仕組みに気付かずに、注文してしまう例が少なくない。 なぜ、そんなあからさまなシカケに引っ掛かってしまうのだろうか? 問題の本質は…… 実は、この法外な送料の設定は、必ずしも法外な価格を支払わせて利鞘を儲ける意図で行われているわけではない。多くの場合、かなり割高にはなっているものの、商品との合計金額は法外とは言い切れない価格になっていることが多い。 あまりに常識から外れた価格になることで問題が大きくなることを避けたい意図からだろう。実はそこは問題の本質ではない。高い送料は、業界用語でいう“カートを取る”ための工夫なのだ。 関連記事 “スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」

              アマゾンで増える「送料ぼったくり」被害 “誰だって気づくはず”の手口のウラ側
            • 退職か、働かないおじさん化か──50代社員を“用済み”扱いする社会のひずみ

              退職か、働かないおじさん化か──50代社員を“用済み”扱いする社会のひずみ:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ) 今回はまず、大手企業に勤める大和さん(50代男性)の話をお読みください。 うちの会社は52歳になるとセカンドキャリア研修を受けさせられます。通称“肩たたき研修“です。研修のことは、先輩からも聞いていたので「まぁ、仕方ないなぁ」と考えていました。 ところが、それだけで終わりませんでした。そのあと上司との面談があって、早期退職に希望するかどうかを聞かれたんです。これはさすがにショックでした。というか、怒りを感じました。 つい先日までかなり多忙で、会社からの期待も受け、順調に過ごしていたんです。なのに突然、別セクションに異動を命じられ「早期退職するという選択もあるけど……」って。つまり、私は用済み、と言われたんです。怒りに任せて、早期退職に応募します、と言いそうにな

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              • 「学歴フィルターはあります」──関係者が次々に明かす、日本のヤバい採用現場

                「オンラインならば学歴フィルターは少なくなる」は間違いだった コロナ禍以前、採用説明会では、会場となる場所を確保して申込者を何回かに分けて開催していた。その場合、事実上の第一次選考も兼ねる企業説明会の募集では、偏差値上位校の大学グループごとに申し込みサイトを優先的にオープンし、時間差を使って絞り込む手段を取る企業があり、こうしたやり口は“学歴フィルター”と呼ばれてきた。 筆者が以前取材した企業の担当者も、次のように話していた。 「会場のスペースの関係もあり、当社の採用実績校など一定の大学と、そうでない大学に分けて開催しています」 しかし、今はZoomなどのオンライン開催であれば多くの学生が参加できるはずだ。大学フィルターをかける必要はないと思っていたが、実はそうではなかった。 中堅物流会社の人事担当者は「Web説明会でも特定の大学に分けて開催しています。Web説明会でも学生の質問を受けたり

                  「学歴フィルターはあります」──関係者が次々に明かす、日本のヤバい採用現場
                • 「50代のおじさんなら叩いてもいい」と考える日本社会の歪み | 文春オンライン

                  世間で流布する「働かないおじさん」という言葉。こうした流行り言葉は、ときに当事者たちに“多大な悪影響”を招くことをご存知だろうか? 50代おじさんたちが立たされている窮地、そして過剰な「働かないおじさん」報道の問題を、健康社会学者の河合薫氏の新刊『50歳の壁 誰にも言えない本音』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む) 働かないおじさんは「呪いの言葉」 「働かないおじさん」という世間に流布する言葉は、ただの言葉ではありません。人の内面に入り込み、周りに伝染させる威力を持つ、「呪いの言葉」です。 「あれこれ試してみたんですが、ダメですね。っていうか、客観的に見ると、私も何もしていないと思われているんじゃないかって。私がここにいること自体がお荷物なのか? 周りとか関係ないと思えば思うほど、気になってしまうんです」 こう切り出したのは、某大手企業に勤めていた白木さん(仮名

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                  • 菅首相、言葉なき「しどろもどろ会見」で広がる絶望

                    この問題には触れないでおこうと思っていた。が、100日のハネムーン期間をすぎてもなお、目に余り、少々耐え難いので、今回取り上げようと思う。 テーマは「自分の言葉で話すことができないリーダー」についてだ。 私は常々、「リーダーの言葉」の重要性を訴えてきた。 ところが、どういうわけかこの国のリーダーたちは“言葉”を持っていない。 はい、そうです。現在の“リーダー”菅義偉首相もその1人で、とにもかくにも「言葉のなさ」にがっかりされっぱなしなのだ。 リーダーの武器は「言葉の力」のはず… 国会では、常に原稿を棒読みし、ぶら下がり取材でさえ原稿を読み上げる始末だ。数日前から前を向いて話すようになったが、そこに「自分の言葉」はない。 「もともと、言葉ではなく行動で示すタイプ」だの、「新型コロナウイルス対策については、担当大臣が頻繁に会見しているので、自分がわざわざ目立たなくてもいいと考えている」だの首相

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                    • 「来なくていい」と言われても不安? 台風があぶり出す“会社員という病”

                      「来なくていい」と言われても不安? 台風があぶり出す“会社員という病”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ) 大きな被害を出した台風15号。駅に詰めかけた人たちが長蛇の列を作り、混乱が続いた。これを変えるには、働く人たちの意識の問題も大きい。世の中の仕事の多くは「不要不急」。会社員としてではなく、人として「出社しない」判断ができる社会であるべきだ。 9月8日夜から9日にかけて静岡県から関東、東北地方に記録的な暴風雨をもたらした台風15号。停電、住宅地の冠水、構造物の倒壊や倒木などが相次ぎ、死傷者も出ました。 あらためて自然の猛威を思い知らされたわけですが、同様に痛感させられたのが、「日本企業の働かせ方」であり「日本人の働き方」です。 ご存じの通り、多くの公共交通機関がまひし、駅には長蛇の列ができました。JR総武線の津田沼駅にできた長蛇の列は駅構内からあふれ、「お~い! ど

                        「来なくていい」と言われても不安? 台風があぶり出す“会社員という病”
                      • 「残業=頑張っている」から「残業=無能」へ──変わりゆく働き方が示す、残酷な現実

                        強まる残業規制 「寸止め残業」のまん延も 残業が減った直接の背景には、2019年4月から施行された働き方改革関連法の「時間外労働の罰則付き上限規制」も影響している。原則として残業の上限は月45時間、年間360時間。労使協定を締結すれば、年間720時間以内まで可能となる。 建設関連会社の人事部長は以下のように話す。 「残業時間の上限規制以降、厳しくチェックするようになっている。当社では月45時間の残業が6回を超えないこと、月80時間を超えて残業しないことを徹底している。実際には上限時間を超える社員はいないが、『寸止め残業』はまん延している。各部署から提出される残業報告書に決まって44.9時間、あるいは79.5時間と書いている。毎月そんな感じだと、本当はもっと残業しているのは明らか。人事からレッドカードを出し、部署の部長を呼んで注意喚起している」 もちろん、残業時間チェックに注力しているのはリ

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                        • 月13万円で生活できるか 賃金を上げられない日本企業が陥る悪循環

                          月13万円で生活できるか 賃金を上げられない日本企業が陥る悪循環:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ) 米フォード・モーターの創業者で、同社を世界的な企業に育てたヘンリー・フォードは、かつて「1日5ドル」という当時としては破格の賃金を払ったとして注目を浴びました。彼が取材を受けるたびに好んで繰り返したのが、次のコメントです。 「われわれが考案した中で、最高の費用削減の手段の一つが、1日5ドルの賃金を決めたことだ」 1日5ドルという水準は、当時のフォード社の社員にとって、自社が開発・製造したT型フォードを買える水準です。社員の賃金を上げたことで生産性は向上。T型フォードは近代自動車の原点となった伝説の車として世界に名を広めたのです。 この話を日本の経営者たちはどう捉えるのでしょうか。今の日本では、フォードとは真逆の現象が起きています。 残念な日本の経営者は人件費を減らすこと

                            月13万円で生活できるか 賃金を上げられない日本企業が陥る悪循環
                          • 「米すら買えない」ひとり親に罵詈雑言 底意地の悪さが生む日本の貧困

                            想像力の欠如なのか? 数年前に横行した生活保護たたきと同じなのか? 「お米が買えない」という調査結果の報道に対するSNS(交流サイト)の反応に、何とも言葉にし難い嫌な気分になった。 異論・反論・疑義が相次いだのは、全国のひとり親家庭を支援する団体でつくる「シングルマザーサポート団体全国協議会」の調査結果だ。 「黙れ!」「嘘つき!」といった声 協議会所属の団体が支援しているひとり親約2800人を対象に、「生活必需品の物価高が、ひとり親家庭の生活に与える影響」に関するインターネット調査を実施したところ、お米などの主食を買えない経験があった人が半分以上いたことが分かった。 この結果を共同通信などが、「ひとり親、米を買えず5割超 物価高で、支援団体が調査」との見出しで報じたところ、瞬く間にSNSで拡散され、「そんなことあるわけない」という意見がSNSに飛び交ったのである。 「浅はかな記事。マスコミ

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                            • 黒人差別問題から省みる日本人の「普通」地獄

                              今回は感情の赴くままに書く。なので、読んだ方も感情の赴くままに考えて欲しい。 「まず、俺は誰も責める気はない。文句を言うつもりもない。これが差別だとかどうとかそんなの本当にどうでもいい話」 これは6月15日に、東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手が「自分のものすごく嫌だった過去」を、ツイッターでさらけだした際に、冒頭に書かれていた言葉だ。 オコエ選手が「周りと違うと初めて認識させられた」のは、保育園で先生が「みにくいアヒルの子」を読んでくれたときの周りの子供たちのまなざしだった。うつむき耳をふさぎ、孤独を感じたオコエ選手は、その後も“心が無くなる瞬間”をたびたび経験する。 「親の似顔絵を書くとき、顔は肌色で描きなさいと言われた」 「おまえの家で虫とか食うんだろうと罵られた」 「甲子園に黒人は出るなとか聞こえてきた」……etc.etc 「ここから飛び降りて生まれ変わって、普通の日本人

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                              • 「50代より働かないZ世代」の光と闇 遅刻のお詫びは絵文字のLINE

                                今回は少々取り上げにくいテーマについて、あれこれ考えてみる。 と、決めたものの、さて、どうやって書き進めよう。このテーマはセンシティブな問題をはらんでいるので、いつも以上に文章の構成が決まらない。 ……とにかく、筆が進むままに書いてみるので、最後までお付き合いをよろしくお願いします。 まずは、某企業に勤める部長職である男性の“Z世代”への不平不満から。はい、何かと話題のZ世代です(※Z世代に厳密な定義はないが、一般的には1990年中ごろ~2010年生まれを指す)。 「ご指摘、ありがとうございます!」と絵文字付きLINE 「働かないおじさんってよくいいますけど、実際には働かないZ世代のほうが問題だと思うんですよ。だいたいの人が、心の中ではそう思っているのに、口に出せない。そういう“圧”みたいなのがあるじゃないですか。 今、メディアは、やたらとZ世代、Z世代って持ち上げて、“若い人の意見を聞こ

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                                • 増える「50代おじさん起業」と稼げない現実の過酷さ

                                  50代の“会社員”がざわついている。 とうとう尻に火がついた、と表現したほうが正確かもしれない。 連日、名だたる企業の「過去最悪の赤字額」が発表され、上場企業の希望退職募集人数も1万人を突破(東京商工リサーチ2020年9月15日集計)。コロナ前から急増していた「黒字のうちに辞めてもらっちゃお!」派に、「もう無理なんでひとつよろしく!」派の赤字企業が加わり、それまで「とりあえず定年まで様子見」だった人たちが、「今変わらなくて、いつ変わる!?」とざわついているのだ。 「コロナで在宅勤務を経験して、自分が社畜だったと気づいてしまってね。コロナ前はそんなこと思ったことなかったし、社畜という言葉に嫌悪感もありました。だって、会社員なんですよ。会社で一生懸命仕事しないで、どうしろっていうんだと。 でも、他の生き方もあるんじゃないかって、独立を考えるようになりました。 長年社畜をやってきた人間が独立だな

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                                  • 女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩

                                    「夢は35歳で、世帯年収3000万円になることなんです! だから、大企業にしか就活してません」 目をキラキラさせて“夢”を語るのは、現在、就活中の女子大学生だ。 世帯年収3000万円って? 共働きで稼いでも1人当たり1500万円の年収が必要になる。30代そこそこでそんな給料をくれるなんて、大企業の中でも限られていると思うのだが……。 リソース格差が世代を超えてつながっていく 学生「結構ありますよ~。IT(情報技術)系とか外資系とか」←断言! 河合「でも、倍率高いでしょ?」 学生「どうですかね~。でもやっぱり、人並みの生活したいですし~」←楽観 河合「ひ、人並みねぇ……。もし、大企業入れなかったら? 給料高い中小企業とか?」 学生「中小企業……(笑)。入れなかったら好きなことやります!」←自信たっぷり 河合「す、好きなこと。つまり、フリーランスとか、起業とか?」 学生「ですかね~。はい、好き

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                                    • ハローワーク職員がワーキングプア? 年収200万円公務員の実態

                                      私は講演会に呼ばれたときに、担当者の方に必ず聞くことがある。 企業の場合は「女性の役員は何人くらい、いらっしゃるんですか?」、地方自治体の場合は「これからは地方地自体が色々と頑張らなきゃいけない時代ですね」といった具合だ。 ん? 質問のトーンが違うじゃないかって? はい。そうです。後者は質問とは言い難い、が、これでいいのです。 常勤公務員の「枠の外」にある存在 「女性活用」というワードはほぼ完全に企業にも浸透しているので、大抵の場合、この質問から“その企業が直面している問題”に話は転がっていく。 一方、地方自治体では、高齢者や児童に関する相談への対応など住民に寄り添う仕事が増えているので、「いや~、実は……」という具合にさまざまな話題に広がるのだ。 そこで決まって登場するのが、「非正規公務員」問題だ。 非正規公務員とは、「常勤公務員」の枠外で任用されている「非常勤の公務員」のこと。行政のス

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                                      • 希望退職で「やる気なし若手」を量産する素人トップの罪

                                        希望退職の嵐が吹き荒れている。 ラオックス……全従業員の約2割にあたる140人程度 ラオックスの子会社のシャディ……50歳以上かつ勤続10年以上の正社員や契約社員、20人程度 東芝機械……全従業員の1割弱の200~300人 オンワードホールディングス……全従業員の約8%にあたる413人が応募。予定数350人の2割増。 NISSHA……250人規模の希望退職者の募集 味の素……50歳以上の約800人の管理職を対象に、約100人の希望退職者を募集 さらに、オンキヨー、ノーリツ、そして、ファミリーマート……などなど、この3カ月内でもこれだけの企業が、希望退職を実施している(あるいは実施予定)。 辞めてもらいたくない人が手を挙げる 中でも衝撃的だったのが、先週報じられたファミリーマートの希望退職だ。2月3日から7日の間に40歳以上の社員を対象に800人の退職者を募集したところ、1111人が応募。そ

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                                        • 上がらぬ賃金と「雇用維持」というまやかし

                                          「雇用を維持するためには~」「雇用維持が一番大事~」「雇用維持ができなくなる~」etc.etc.。この数日間、タコを通り過ぎて耳にイカができるほど、「雇用維持」という言葉を聞かされている。 そう。最低賃金を巡る長時間の攻防である。 労働組合側が賃上げの継続を求めたのに対し、経営者側は凍結を主張。33時間に及ぶ協議の結果、2020年度の最低賃金は、事実上据え置きで決着した。 報道によると、小委員会に参考資料として提出された経済指標は、景気の落ち込みを示す内容だらけだったが、6月の賃金改定状況調査の結果は、前年同月比1.2%上昇していたという。日本労働組合総連合会の神津里季生会長は「上がっているじゃないか!」と声をあげるも、経営側が歩み寄ることはなかった。 もっとも、4月9日の時点で日本商工会議所が、「最低賃金は4年連続で3%台の大幅引き上げが続き、賃金引き上げを余儀なくされた企業は4割超(1

                                            上がらぬ賃金と「雇用維持」というまやかし
                                          • 月給35万円のはずが、17万円に……!? 繰り返される「求人詐欺」の真相

                                            なぜネット上には「ブラック企業を見抜く方法」といった情報が溢れているのか。 その背景の一つには、求人票に記された情報と職場実態が大きく異なる、いわゆる「求人詐欺」が横行しており、入社後「こんなはずじゃなかった……」と後悔してもなすすべがなく、求職者が泣き寝入りを強いられている現状がある。 月給35万円のはずが、17万円に……。マダムシンコの虚偽求人 10月初頭、人材ビジネスや求人広告ビジネス関係者を騒がせるニュースが飛び込んできた。 大阪土産、お取り寄せスイーツとして人気を博している「マダムブリュレ」(バームクーヘンの上部をクレームブリュレのようにキャラメリゼした洋菓子)の製造元、洋菓子店「マダムシンコ」の運営会社(カウカウフードシステム)が元従業員から、求人詐欺の疑惑で労働審判の申し立てを受けたというのだ。 元従業員の男性は21年3月、求人サイト「インディード」経由で、マダムシンコの菓子

                                              月給35万円のはずが、17万円に……!? 繰り返される「求人詐欺」の真相
                                            • リストラを礼賛する経営者たち──魅惑の「雇用の流動性」は何を引き起こすのか

                                              リストラを礼賛する経営者たち──魅惑の「雇用の流動性」は何を引き起こすのか:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ) 以下は、ある企業の執行役員の人が教えてくれた、社員に希望退職を促す“手口”です。 ターゲットを絞って、圧迫面接を繰り返して、じわじわ追い詰めるんです。あまりやりすぎるとパワハラになってしまうから気を付けなきゃいけないんですけど、会社側もわりと強気で。多分、以前より転職しやすくなったとか、日本型雇用はもたないという意見が増えてるからだと思います。 僕は圧力をかける方なんで、正直しんどいですよ。圧力かければかけるほど相手は意固地になる。根比べです。人事には数値目標が与えられるので、仕事なんだと自分に言い聞かせてますけど「俺、何やってんだろう」と思うことは正直あります。社員に「お引き取り願いたい」と迫るのが、自分の仕事っていうのもむなしくなることもありますけど、会社

                                                リストラを礼賛する経営者たち──魅惑の「雇用の流動性」は何を引き起こすのか
                                              • 「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差

                                                「『課長まで』で終わる人と、出世する人の決定的な差」……ビジネスパーソンにとって、いかにも耳目を引くタイトルである。多少なりとも興味を抱かれ、本稿をお読みになっているあなたも、過去同じような記事を数多くご覧になってきたことだろう。 その中のいくつかには参考になる教えもあり、日々のお仕事で意識されているかもしれないし、中には「仕事で圧倒的な成果を挙げろ」「視野を広く持て」「部下の話を聴け」──といった、もっともなアドバイスではあるが、「今さらそんな情報を求めてるわけじゃない」類いの記事もあったに違いない。 会社勤めをしている限り、課長くらいまでなら、ある程度個人の実力だけで出世していけることが多い。例えば営業職であれば、部署でダントツの売上実績を出して一定期間継続できれば、次期の課長昇進は間違いないだろう。しかし、そこから先はまた別の力学がはたらくものだ。 課長から先の世界では、単に「優秀な

                                                  「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差
                                                • 定年延長やめときゃ良かった 契約破りの末路

                                                  もうかれこれ15年ほど前になるだろうか。 インタビューをする度に、「コーチばかりがベンチに陣取ってる感じ」だの、「口だけ番長だらけで、いやになる」だの、「社員全員の会議の後、管理職会議があるのだけど、ほぼ同じメンバーで、笑うに笑えない」だのという話を聞かされてきた。「いつまで私はペーペー扱いされるんだ」と、会社の高齢化を嘆く30代が山ほどいたのだ。 やがて、その高齢化対策の一環として、役職定年制度が一般化し、希望退職という名のリストラが横行し、“口だけ番長”たちは“群衆の中で息を潜める働かないおじさん”になった。その一方で、「なんか違う」と辞めてしまう若者に手をこまねいていたら、社内の平均年齢だけがどんどん上がり、「シニア社員をなんとかしないと、会社が存続できない!」と危機感を抱く企業が少しずつ増えた。 現場を任せられるのは誰? 本音では(シニア社員には)「できればお引き取り願いたい」。が

                                                    定年延長やめときゃ良かった 契約破りの末路
                                                  • 「底辺の職業ランキング」を生んだ日本 なぜ、差別とカスハラに苦しめられるのか

                                                    「底辺の職業ランキング」を生んだ日本 なぜ、差別とカスハラに苦しめられるのか:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/3 ページ) 僕は底辺職と呼ばれている仕事にはつきたくない このままだと世間一般的に言われている「底辺職」にしかつけなくなる ──こんな、就活生らしき2人のキャラクターの憂いではじまる、「【底辺職とは?】底辺の仕事ランキング一覧」と題した記事が、公開から1年のときを経てSNSで大炎上、物議をかもしています(記事公開は2021年5月18日、現在は削除済み)。「なぜ、1年も前の記事が?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、過去記事が「1人のつぶやき」がきっかけで拡散されることはよくあること。 土木・建設作業員、警備員、飲食店員、介護士、保育士など12の職業を「底辺職」としてあげつらうこの記事は、新卒向け就職情報サイトが作成・公開したものと知り……正直、あきれました。 い

                                                      「底辺の職業ランキング」を生んだ日本 なぜ、差別とカスハラに苦しめられるのか
                                                    • 人生思い通りにはならなかったけど「おもしろかった」を目指す!40代からの生き方戦略 | ライフハッカー・ジャパン

                                                      >>Kindle unlimited、99円で3カ月読み放題キャンペーン中! 『40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか』(河合 薫 著、ワニブックスPLUS新書)の著者は前著『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』において、「50歳は、『サラリーマン“無理ゲー"社会』をこれからどう生きるべきか」について論じていました。 対する本書は、「サラリーマン無理ゲー社会の生存戦略 40歳版」なのだそう。とはいってもキャリア本のたぐいではなく、“死の入口らしきところ”で「人生思い通りにならなかったけど、けっこうおもしろかった」と思うための本なのだとか。 人生は思い通りになるほど単純ではなく、たいていは「こんなはずじゃなかった」の連続。しかしそれでも主体的かつ具体的に動き続ければ、つらかった気持ちを覆すような“まさか”が必ず起こると著者は断言しているのです。 「40

                                                        人生思い通りにはならなかったけど「おもしろかった」を目指す!40代からの生き方戦略 | ライフハッカー・ジャパン
                                                      • 渋谷・新宿・池袋で起きる異変──なぜ「電鉄系百貨店」だけが消えるのか?

                                                        渋谷・新宿・池袋で起きる異変──なぜ「電鉄系百貨店」だけが消えるのか?:小売・流通アナリストの視点(1/4 ページ) 2023年1月31日、東急百貨店本店が閉店した。跡地にはホテル、商業施設、賃貸マンションなどが入る36階建ての高層複合ビルが再開発される予定だが、そこに、百貨店は入らないようだ。 再開発が進む東急渋谷駅では、これに先立って東急百貨店東横店が閉店しており、残る百貨店は西武渋谷だけになった。ただ、ここも、そごう・西武の経営権がファンドに移る関係で、そのパートナーであるヨドバシカメラの出店候補地となっていることが報道されている。となれば、渋谷から百貨店は近いうちに消える、ということになる。 渋谷・新宿・池袋から消えゆく百貨店 巨大駅ターミナルから百貨店が消えていくというのは、渋谷に限った話ではない。新宿でも再開発の関係で小田急百貨店が大幅に減床して営業継続中だが、その存在感はなく

                                                          渋谷・新宿・池袋で起きる異変──なぜ「電鉄系百貨店」だけが消えるのか?
                                                        • 「また違法残業」の電通 過労死のリアルを理解しないトップに問う“責任”

                                                          「また違法残業」の電通 過労死のリアルを理解しないトップに問う“責任”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ) 「社長として重大な責任を感じている。当社の最大の誤りは、『仕事に時間をかけることがサービス品質の向上につながる』という思い込みを前提にしたまま、業務時間の管理に取り組んでいたことにあると考えております」――。 2017年9月22日。東京簡易裁判所に出廷した電通の山本敏博社長は、こう謝罪しました。 罪状は「労働基準法違反」です。検察側の冒頭陳述によれば、「36協定」の上限を超える残業をした社員は毎月1400人前後(14年度)。東京五輪・パラリンピック関連業務を担当する機会を失わないために、36協定の上限時間を最大100時間に引き上げ、形式的に違反の解消を図るなど、極めて悪質でした。 法人としての電通と当時の上司の部長が書類送検され、上司らは不起訴処分に。一方で、法人

                                                            「また違法残業」の電通 過労死のリアルを理解しないトップに問う“責任”
                                                          • 「3年で30万人」は絵空事か 就職氷河期世代の雇用対策に欠けた、深刻な視点

                                                            「3年で30万人」は絵空事か 就職氷河期世代の雇用対策に欠けた、深刻な視点:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ) 年齢は40~45歳。いずれも大卒以上で、うち2人は無職。1人は非正規雇用で、職歴は多い人で7つもの会社を経験していた――。 実はこれ、兵庫県宝塚市が「就職氷河期世代」を対象に実施した正規事務職員採用に合格した男女各2人のプロフィールです。 全国初となった宝塚市の氷河期世代に特化した採用には、3人の枠に1635人が受験し、倍率は545倍にまで跳ね上がりました。40代前半といえば働き盛りの年齢なのに、時代が悪かったというだけでこんなにも厳しい状況に追い込まれてしまうのか。皮肉にも政府が氷河期世代の支援に乗り出したことで、より鮮明にその不遇さが浮き彫りになってしまったのです。 それまで無視し続けてきた氷河期世代に対し、安倍晋三首相が突然、国を挙げて支援に取り組むと発

                                                              「3年で30万人」は絵空事か 就職氷河期世代の雇用対策に欠けた、深刻な視点
                                                            • バブル戦士が障害者になる時代の働き方改革

                                                              津久井やまゆり園殺傷事件の初公判が始まった。 「障害者は生きてる意味がない」「生産性がない」などという優生思想を掲げた被告が、19人もの人たちの尊い命を奪った事件から3年超……。日本は、その教訓を生かして障害者と共存する社会に向かっているのだろうか。 れいわ新選組から筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦議員と、脳性まひを患う木村英子議員が当選したときに、「重度障害者に政治家としての仕事が務まるのか?」と批判した人々がいた。また「桜を見る会」の招待者名簿がシュレッダーで廃棄された問題を追及されたときに、「担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行った」(12月2日の参議院本会議)と、わざわざ“障害者”という言葉を使ったこの国の首相……。この半年間に起きたことを振り返っても障害者へのまなざしは変わっていないように思えてならない。 事件で被害にあった人たちを、「甲A」「甲

                                                                バブル戦士が障害者になる時代の働き方改革
                                                              • のど元過ぎれば差別、非正規、低賃金も忘れるの愚

                                                                どうやら早くも明るい兆しが見えてきた、らしい。 緊急事態宣言後に暴落した日経平均株価は、わずかひと月で回復し、乱高下を繰り返しながらも全体的には上昇基調をたどっている。また、内閣府が8日に発表した5月の景気ウオッチャー調査(街角景気)では、過去最低水準を付けた4月からは大幅に持ち直した。 結果報告書によると基調判断を、前の月の「新型コロナの影響により、極めて厳しい状況にある中で、さらに悪化している」から、「新型コロナの影響により、極めて厳しい状況にあるものの、悪化に歯止めがかかりつつある」に上方修正したという。 3~4月の段階では多くの専門家たちが、「リーマン・ショックより厳しいし、長引く。経済の回復にはかなりの長期化が予想される」と指摘し、感染拡大防止策の最中には「命か経済か」という言葉が繰り返された。なので“明るい兆し”が見えてきたなら、よかった。期待も込めて。うん、ホントに良かった、

                                                                  のど元過ぎれば差別、非正規、低賃金も忘れるの愚
                                                                • 50歳男性の生涯未婚率が爆増 非正規はついに6割超え、健康も悪化

                                                                  「マジ?!」 ……あまりの衝撃に、朝っぱらから悲鳴を上げてしまった。 なんと「非正規で働く男性の50歳のときの未婚率(生涯未婚率)が、2020年の国勢調査で6割に達したことが分かった」という(日本経済新聞6月8日朝刊「生涯未婚」非正規男性の6割 将来への不安根強く)。 天と地がひっくり返らないと…… ご承知のとおり、生涯未婚率は増え続けている。 1960年代までは2%程度で推移していたが、その後は上昇に転じ、1990年には男性が5%を超え、2000年には女性も5%に突入した。以前は男女とも足並みがそろっていたのに、男性未婚率の爆増ぶりは著しく、20年の国勢調査で男性28.3%(前回24.8%)と3人に1人に。が、同じ男性でも正社員か? 非正規か? で、結婚しない・できない率が全く異なる。 雇用形態別に分析すると、非正規雇用の未婚率が圧倒的に高いのだ。……という事実は、私自身、これまで何度も

                                                                    50歳男性の生涯未婚率が爆増 非正規はついに6割超え、健康も悪化
                                                                  • JAL新社長は「女性、元CA、元東亜」 異分子トップを生んだ過去の苦い経験

                                                                    JAL新社長は「女性、元CA、元東亜」 異分子トップを生んだ過去の苦い経験:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/3 ページ) やっと、本当にやっと、元CAがトップの座を射止めました。 JAL(日本航空)は1月17日、元CAの鳥取三津子専務が4月1日付で社長に昇格すると発表。1月2日に羽田空港で起きた衝突事故での迅速な脱出劇を「羽田の奇跡」と海外メディアから称賛されたこともあり、BBCでは「Japan Airlines appoints ex-flight attendant as first female president」とのタイトルで報道するなど海の向こうでも話題になりました。 世界の大手航空会社100社のうち、女性をトップに置いている企業はわずか12社ですから(2022年末時点)、「女性活躍後進国」と揶揄される日本だけにJALの人事は「異例中の異例」であり、「未来を見据えた大

                                                                      JAL新社長は「女性、元CA、元東亜」 異分子トップを生んだ過去の苦い経験
                                                                    • 「ゾンビ企業は淘汰せよ!」の虚構と経営者の意地

                                                                      今回は「経営者の意地」について、あれこれ考えてみようと思う。 まずは、ある小企業の社長さんのお話からお聞きください。 「今まで経験したことがないくらい、経営は厳しいですよ。しかも、今回は先が見えないから余計にしんどい。でもね、会社をやるってことはそんなこと承知の上でやってるわけです。いいときもあれば悪いときもある。会社を経営する以上、雇用を守ることは経営者の使命です。だから、国の持続化給付金や雇用調整助成金はありがたい制度だし、色々な問題はあったにせよ、中小企業に対して(助成額を)手厚くしてくれたのは、国が中小企業を守ろうとしてくれている姿勢の表れの一つなんじゃないでしょうか。 ただね、解せないのは、そういったやり方を批判する人たちがものすごくいるってことです。 『時代に合わない企業はさっさと潰した方がいい』なんて、あけすけなことを言う学者先生もいるでしょ。あれは……ずいぶんですよね。 だ

                                                                        「ゾンビ企業は淘汰せよ!」の虚構と経営者の意地
                                                                      • 賃金はこの先も上がらず…… コロナ禍ではびこる「内部留保肯定説」と、企業の自殺

                                                                        賃金はこの先も上がらず…… コロナ禍ではびこる「内部留保肯定説」と、企業の自殺:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ) 緊急事態宣言が発令され、再び、不安が拡大しています。 特に雇用や賃金の不安は大きく、「この先、お給料は元に戻るのか?」「景気が回復すれば、賃金は上がるのか?」と心配する声があちこちから聞こえています。 結論から言うと……「いったん下がった賃金が再び上がるのは厳しい」と言わざるを得ません。 これまで日本企業は収益を働き手に還元せずに、溜め込んできました。OECD(経済協力開発機構)加盟諸国の統計では、主要13カ国の1994年と2018年の名目賃金上昇率は日本だけがマイナス4.54%です。四半世紀前と比べて、名目賃金は日本だけが減っているのです。 しかも、日本の実質の最低賃金はここ10年で20%上がったのに、最低賃金レベルで働く人も4倍増えてしまいました。07

                                                                          賃金はこの先も上がらず…… コロナ禍ではびこる「内部留保肯定説」と、企業の自殺
                                                                        • 働きがい問われる年、シニアのリストラが若者にも悪影響

                                                                          2020年が到来してしまった。 新年早々「しまったとは何事だ!」と怒られそうだが、2013年にIOC(国際オリンピック委員会)のジャック・ロゲ氏が「TOKYO 2020」と書かれたフリップを掲げたのが、ついこの間のようで。「まだまだ先」が「今」となり、少々戸惑っている。 しかも、2020年はこれまで何度も書いてきた通り、あちこちが「50代以上だらけ」になる未曽有の中高年があふれる時代の到来だ。 大人(20歳以上)の「10人に6人」が50代以上で、40代以上に広げると「10人に8人」というリアルがどんなものなのか? 私には皆目見当がつかないのだが、色々な意味でかなり深刻な問題が生じることは間違いないだろう(参考コラム「現実、企業は50歳以上を“使う”しかないのだ」)。 もっとも一番の心配は、社会や企業がこの超少子高齢化社会にリアリティーを持てていないのではないか?ということ。本気で中高年が社

                                                                            働きがい問われる年、シニアのリストラが若者にも悪影響
                                                                          • 隣の席が汚いのも「うつ」の原因に?“心の病リスク”を医師100人が判定(bizSPA!フレッシュ) - Yahoo!ニュース

                                                                            我々が人生の多くの時間を費やすのが“職場”。昨今、働き方改革が叫ばれているが労働環境改善の兆しはいまだ見えず、劣悪な環境で心身がボロボロになってしまうことも。 そこで、システム、備品、コミュニケーションなど、100人の医師に調査をして明らかになった、職場に潜むさまざまな病気のリスクを取り上げていく。 精神衛生は、パワハラや過重労働だけでなく、狭い職場など、ストレスの蓄積によっても脅かされる。シニア産業カウンセラーの見波利幸氏に職場のリスクを聞いた。 「例えば隣人が整理整頓に無頓着で、書類がこちらのスペースに侵食してくるようなら大きなストレスになります。席と席の間の通路が狭く、イスを引かないと通れないような職場も良くない。積もり積もってうつにつながるんです」 ちなみに、産業医の大室正志氏いわく狭い職場は能率が低下するとか。 「隣席との間隔が1mもないような職場では、二酸化炭素濃度が2000~

                                                                              隣の席が汚いのも「うつ」の原因に?“心の病リスク”を医師100人が判定(bizSPA!フレッシュ) - Yahoo!ニュース
                                                                            • コスト削減のいつか来た道「ジョブ型」雇用の危うさ

                                                                              新型コロナ感染防止策で、いつも以上に“勝手にひとり在宅勤務”が4月以降続いていたのだが、少しずつ外の方たちとリアルにお会いする仕事が入るようになった。 社長さんとの対談や鼎談(ていだん)、リモート講演会やセミナー、会社の役員さんたちとの意見交換会などなど、年齢や職種、企業規模はバラバラだが、久しぶりに会う皆さまの関心は、もっぱらこれからの働き方、働かせ方だった。 今風の言い方をすると、“アフターコロナ”における“ニューノーマル”といったところだろうか。 が、何か以前と違う。 なぜかこの数日間お会いした方たちから紡がれる言葉には、生臭さがなかった。これまで現場の人たちの言葉には、独特の温度があり、あまりのドロドロした粘っこさに、「人間って……大変」とため息をついたものだった。ところが、今回はどの会合でもそれが全くといっていいほど無い。 アフターコロナという、いつの、どこの、どういう手触りかも

                                                                                コスト削減のいつか来た道「ジョブ型」雇用の危うさ
                                                                              • 宗男氏長女を襲った「望まない孤独」と対策への使命感

                                                                                「望まない孤独」が注目されている。 人間は独りで生まれ独りで死ぬ。つかの間の孤独感は日常にあふれている。よって、つい私たちは「それも人生」と受け入れてしまいがちだ。だが「孤独」と「つながり」はコインの表と裏ではない。両者が矛盾なく、同時に成り立っている状態こそが精神的にも身体的にも社会的にも健康な状態である。 ところが、人とつながりたいのにつながることができない。「助けて!」と言いたいのに言うことができない。言える人もいない。そんな孤立した状態に置かれ、生きる力を奪われる人たち、特に若い人が以前にも増して顕在化している。 珍しく迅速な対応をした政府 そこで政府は、坂本哲志内閣府特命担当大臣(少子化対策、地方創生)に「孤独・孤立対策」を兼務することを指示。さらに、3月末の決定を目指す「子供・若者育成支援推進大綱」の改定案で、「孤独や孤立問題への対応を強化する方針」を明記した上で、増加する自殺

                                                                                  宗男氏長女を襲った「望まない孤独」と対策への使命感
                                                                                • 「セクシー大臣」を騒ぎ立てる“ジジイの壁” 失われる日本の競争力

                                                                                  「セクシー大臣」を騒ぎ立てる“ジジイの壁” 失われる日本の競争力:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ) 「あなた方は、私の夢や私の子供時代を、空っぽな言葉で奪った」という、スウェーデンの環境保護活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)の言葉があちこちのメディアで取り上げられていますが、その数日前には小泉進次郎環境相の「セクシー」発言が物議を醸していました。 小泉環境相は「日本は1997年に京都議定書を採択したが、リーダーシップを発揮してこなかった。今日からわれわれは変わります」とした上で、「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこよく、セクシーであるべきだ」と発言。それを海外メディアが取り上げたことをきっかけに、「セクシーとはなんだ!?」「言語明瞭意味不明だ!」だのとメディアが批判的に報じ、SNSで批判が相次いでいるのです。 ……が、発信元となっているロイター通信の記事

                                                                                    「セクシー大臣」を騒ぎ立てる“ジジイの壁” 失われる日本の競争力