政府が策定する追加経済対策では、脱炭素社会に向けた技術開発の後押し、デジタル化推進、新型コロナウイルス感染拡大に対応する医療支援の3つが柱になるという。また、2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間、継続して支援するという。政府の「2050年までに温暖化ガスの排出を全体としてゼロにする」という宣言は、日本全体が世界の潮流から取り残される「座礁資産」を回避するため
しかし、英国人スタンダップコメディアンのカール・ドネリーさんが環境問題のテーマをぶつけたタイミングは、結果的に完璧だった。 欧州を襲った熱波で最高気温記録が連日のように更新された先週、気候変動がもたらす存亡の危機を暗いユーモアで笑い飛ばしたドネリーさんの舞台は、イースト・ロンドンのバーに集まった観客のツボにはまったようだった。 今より格段に暑い未来が訪れる、そんな予感が2015年に合意された地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」の重要性を改めて意識させている。 異常気象、極地を覆う氷の溶解、そして予想を上回るペースの海面上昇など、あらゆる研究が気候変動の影響を明らかにするなか、協議に出席する交渉担当者は、パリ協定で合意された目標を意味ある成果に変えるため、時間との戦いに追われている。 「これから18カ月ほどの間に、実に多くのことが予定されている」と、米国の非営利団体セレスで気候とエネルギー
住宅の太陽光義務化「視野」 温暖化ガス目標強化に意欲―小泉環境相 ▼記事によると… ・小泉進次郎環境相は16日、時事通信のインタビューに応じ、政府の2030年度の温室効果ガス削減目標(現行は13年度比26%減)について「間違いなく今より強化されるのは目に見えている」と述べ、引き上げへの意欲を示した。目標達成で「一番のカギは再生可能エネルギーだ」と強調。住宅への太陽光パネル設置義務化を「視野に入れて考えるべきだ」と訴えた。 ・全国で再生エネの利用を推進するための自治体への支援に関しては「今のレベルでは全く足りない」と強調。米バイデン政権が地球温暖化対策などに向けたインフラ投資で約220兆円を投じる方針を踏まえ、「国際水準の投資を政府が見せていかなければ民間は大きく動かない。国の明確な覚悟を打ち出していく」と話した。 fa-calendar2021年04月17日07時38分 https://w
日本原燃の再処理工場。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムが消費されるのか懸念が残る=青森県六ケ所村で2020年11月、本社機「希望」から後藤由耶撮影 「核燃料サイクルの破たん」を認めるべき時が来た 東京電力・福島第一原子力発電所事故から10年経った。この間に日本では、エネルギー政策をめぐって、不思議な「まだら模様」が定着してしまった。 電力システム改革や都市ガスシステム改革は進展したのに、肝心の原子力政策に関する改革はまったく進んでいないのだ。 原子力規制委員会が発足し、審査の厳正化などを盛り込んだ新しい規制基準が制定されたではないか、という反論が出るかもしれないが、それは、あくまでも原子力規制政策に関する事柄である。 規制政策と厳格に区別されることになった原子力政策そのものに関しては、改革が手つかずだと言わざるをえない。 東電を叩く側に回った官僚と政治家 日本の原子力開発は、「国策
小泉進次郎環境相(40)の〝ある発言〟が物議を醸している。 進次郎氏は先月29日の会見で、横須賀市長選で自身が支援した候補者が当選したことを問われ、地元でのエピソードを披露。その中で、同市の労働組合幹部から次のような言葉を掛けられたと明かした。 「小泉さんとは国政では水と油かもしれないが、水と油も混ぜればドレッシングになる」 当然のことながら、水と油を混ぜてもドレッシングにはならない。それを言うなら、せめて「油と酢」だろう。 ドヤ顔で話す進次郎氏にネット上は大盛り上がり。「まず考えよう」「頭悪いのか」「またポエム!?」など散々な言われようだ。 進次郎氏と言えば、数々の抽象的かつ摩訶不思議な発言で「ポエマー」呼ばわりされてきた。今年5月、虫垂炎の緊急手術から公務に復帰した際には、リモートワークについての質問が飛び、以下の答え。 「退院後、リモートワークができてるおかげで、公務もリモートででき
今のコロナ感染で言われてる事に気が付かないと 皆さんおはようございます。もうすぐ梅雨も明けますね。 暑くなるとコロナのウイルスは無くなるって。 友人の薬剤師が言ってたのですが、そのうとりにならない。 そこでみんなの意見を、伺ってみた。(朝日新聞に記載) 持続的成長の契機 新型コロナの影響で企業活動が止まった結果 確実に改善したものがある。 それは、環境汚染の改善です。 今まで進まなかったものが強制的とはいえ 目に見えて改善したことで、いかに気持ちよく 暮らせるのかを、実感できることになった。 将来のメリットを皆が実感できることとなった。 ニュースでは、当面の対策や経済活動の回復 の話題ばかり議論されているが、自然環境を 維持しつつ、人間が営み続けるために必要なことや それを、享受するためには、自粛も必要である事。 これをもっと示すべきではないでしょうか。 その結果、経済がV字回復にならなく
特集「温暖化ガス「46%減」の衝撃」の他の記事を読む 知多半島の突端に位置する愛知県南知多町で、名古屋市の企業が太陽光発電所の建設を目的として山林を広範囲に伐採。住民に十分な説明なしに開発を進めたうえ、行政の規制逃れとも批判される乱暴な開発をしていることがこのほど明らかになった。 計画によると、同町の市街地を流れる内海川の上流域5カ所の山林8ヘクタールを伐採し、斜面を切り崩して太陽光パネルを敷き詰めるという。太陽光パネルの下で、榊やブルーベリー、キウイ、レモンなどの作物を栽培し、「ソーラーシェアリング」(営農型太陽光発電)を行うとしている。 土砂や伐採木で水路や田畑を埋め立て 南知多町で太陽光発電所の建設を計画しているのは、名古屋市に本社を置くディーエスエス(以下DSS、木下誠剛社長)だ。同社によれば、「将来は地域に知的障害者のグループホームを建設し、農業に従事してもらうことを計画している
7月に入り、早くも全国的に猛暑の日が続いています。暑さのなかカーエアコンの効きも悪くなりますが、電気自動車(EV)だけは変わらずエアコンの冷風が保たれているといいます。なぜでしょうか。 「熱源」の有無がこんなにもエアコンの効きを左右するとは! EV(電気自動車)に10年乗っている私(国沢光宏)ながら、直近の猛暑で初めて認識したことがあります。 電気自動車、凄い暑い日でも超快適なのです。 電気自動車は、たとえ外気温40度でもカーエアコンはバリバリに効くし、1年で最も直射日光強いこの時期ながら、太陽の熱射だって気になりません。それでいて電費の悪化は十分に容認出来るレベルです。 なぜ電気自動車が酷暑に強いか分析してみたら、完全に納得できました。 まずカーエアコン。驚いたことに外気温40度になっても、ルーバーから出てくる冷気はキンキンに冷たいです。 乗った直後こそ「あっちっち!」と感じるけれど、あ
カナダに住む18歳の少女が先月、熟慮の末にある宣言をした。「私は子どもを産みません」。カナダ政府が、気候危機への対策を取っていないことが理由だ。インターネットにホームページも立ち上げ、賛同の輪が広がっている。 【写真】気候変動対策を訴えるエマ・リムさん=2019年10月20日、モントリオール、藤原学思撮影 宣言したのはエマ・リムさん(18)。カナダ東部モントリオールの名門マギル大学で生物医学を学ぶ。リムさんは9月16日、政府が環境危機対策にしっかり取り組み、安全な未来を約束するまで、子どもをつくらないよう呼びかけるキャンペーン「#NoFutureNoChildren(未来がなければ子どももいない)」を立ち上げた。開始1カ月で、若者を中心に5千人以上が賛同した。 リムさんが環境保護に目覚めたきっかけは、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)の活動を知ったことだ。 高校3年生
いよいよ年末も押し迫ってきました。が、仕事に追われていると、全然そんな感じはしません。 自分の胆力の無さが悪いんでしょうけど、季節が通り過ぎる情緒を楽しむ精神的な余裕がない。市場経済という『悪魔の碾き臼』(byカール・ポランニー)に剥き身で晒されている、とつくづく思います。 岸田が今度は原発の新増設と運転期間延長を言い出しました。 昨今のLNG不足に対応して短期的に再稼働する、なら判らないでもない。しかし新増設や運転延長は長期間の話です。長期的には人口減と省エネの進展で日本の電力需要は減少するし、何よりも原発の発電コストは再生エネに比べて高い、という問題がある。しかも新増設では温暖化ガスも大量に排出される。 原発の活用は長期に渡って日本経済全体の足を引っ張る負の遺産になる。 もちろん事故や攻撃を受けるリスクは言うまでもありません。ソ連崩壊の遠因はチェルノブイリ事故、という説がありますが、日
「100年に一度の変革期」――。自動車産業を取り巻く環境は一変し、次の100年に向けた熾烈(しれつ)な技術競争が始まっている。中でも電気自動車(EV)の開発は特に活発で、基幹部品である2次電池には巨額の投資が集中する。石油元売り大手の出光興産は、次世代電池の代表格である全固体電池をめがけて固体電解質の研究開発を続ける1社。2021年夏に小型量産設備を用いた製造を始める。常務執行役員で技術戦略を統括する中本肇氏に動向を聞いた。 (聞き手は窪野 薫、近岡 裕=日経クロステック) 中本 肇(なかもと・はじめ) 。出光興産常務執行役員。1961年生まれ。山口県出身。1984年、早稲田大学商学部卒業後に出光興産入社。 販売、原油・石油製品のトレーディング、財務・経営企画業務への従事を経て、電子材料部門・リチウム電池材料部門の部門長を務めた。2018年より上席執行役員。2020年4月より現職。技術戦略
京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス (現、セントケア)を経て独立し現職。名古屋大学客員教授(平成26年度後期)。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」を元に、幅広く経営コンサルティング活動を行う一方、年100回以上講演を行う。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』(ディスカヴァー21)など著書は150冊を超え、現在も経済紙等に連載を抱える。 小宮一慶の週末経営塾 経営課題を抱えて日々悩む経営者に向けて、数々の企業経営者に伴走してきた経営コンサルタントの小宮一慶氏が課題解決の「ヒント」を提供。どんな業種にも通じる経営の原理原則をおさえながら、経営者はどうあるべきか、実際の経営現場で何を実行すべきか、を語る。 バックナンバー一覧 アイデアを「即採用」に変えるには 3つのコツがある アイデアを出しても出しても上
各国首脳が英グラスゴーで気候変動対策を議論した先週末、トヨタ自動車の豊田章男社長は岡山県内のサーキットで自動車レースに参戦していた。電気自動車(EV)が脱炭素を実現する車として唯一の選択肢ではない、既存の内燃機関を使った自動車なら業界に携わる数百万人の雇用を維持できると訴えるのが狙いだった。 さまざまな選択肢 豊田社長がハンドルを握ったのは、鮮やかにカラーリングされた「カローラ スポーツ」。小型車「GRヤリス」のエンジンを改造し、ガソリンの代わりに水素を燃料に使った水素エンジン車だ。実用化できれば、脱炭素化時代でも内燃機関を活かし続けることができる。 「敵は炭素であり、内燃機関ではない。1つの技術にこだわるのではなく、すでに持っている技術を活用していくべきだ」と豊田社長はサーキットで語った。「カーボンニュートラル(温暖化ガスの実質排出ゼロ)とは、選択肢を1つに絞ることではなく、選択肢を広げ
新型コロナウィルスは地球からの声。思想家、サティシュ・クマールは語る。「この危機から私たちは何を学べるのか?」 2020.05.20 ローカルから始める、新しい経済の話 ローカルから始める、新しい経済の話 高野翔 高野翔 英国「シューマッハ・カレッジ(Schumacher College)」の創始者であり世界的な思想家であるサティシュ・クマール。 本稿は、サティシュ・クマールがカレッジの卒業生に届けてくれたコロナ禍におけるメッセージを、Economics for Transitionコースの卒業生である寄稿者が本人の許可を得て、日本語に訳しお届けするものです。(本稿の簡易英語版HP) サティシュ・クマール(Satish Kumar) 思想家/社会活動家、1936年インドに生まれる。インド独立の父であるマハトマ・ガンディーの非暴力と自立に根ざした思想に共鳴し、自然や人への愛をもって核廃絶を訴
深刻な資金難に陥っている不動産開発大手の中国恒大集団の経営危機で揺れる中国経済だが、今度は電力供給面のショックが直撃する恐れがある。 中国政府による電力消費の取り締まりは、電力需要の高騰や石炭・天然ガス価格の高騰、温暖化ガス排出抑制に向けた厳しい政府目標が背景にある。その影響はまず同国の巨大製造業界に及んでおり、アルミニウム精錬所から大豆加工施設まで広範な工場が稼働水準の抑制や停止に追い込まれた。 23省のうちの半分近くは中央政府が求める厳しいエネルギー強度目標を達成できず、電力消費量の抑制を迫られている。特に状況が厳しいのは、製造業が盛んな江蘇、浙江、広東の3省だ。 野村ホールディングスの陸挺氏らエコノミストはリポートで、「市場の注目は現在、恒大問題や中国政府による前例のない不動産セクター締め付けに集中しており、別の供給サイドの大型ショックが過小評価されているか、見落とされている可能性が
電力不足にあえぐ欧州。それは、グリーンエネルギー政策を強行に推し進めたEU(欧州連合)の、化けの皮をはがす事態に発展している。ロシアから天然ガスの供給を一部止められ、EUは苦し紛れに「原子力はグリーンエナジー」とのたまう状況、日本のエネルギー政策に未来はあるのか。投資家として、また、実家で産業廃棄物業も営みつつ、リサイクルや太陽光パネルなどグリーンエナジーにも投資してきた山本一郎氏が、年の初めに世界のエネルギー政策の今後を占う。 (山本一郎:投資家、作家、次世代基盤政策研究所理事) *この記事は、2022年1月2日公開の「やまもといちろうチャンネル」の動画「新年のご挨拶と、ヨーロッパの『お寒い』エネルギー政策について。」(https://www.youtube.com/watch?v=qkpg1g6VZXw)を書き起こし、一部要約したものです。話が重複したり、大事なことに抜けがあったりして
「PIXTA」より 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が8月に特別報告書を公表しました。この中では、温暖化の進行により食料供給のリスクが高まること、2050年に穀物価格が最大2割以上上昇する恐れがあること、食料生産にかかわって放出される温暖化ガスは全放出量の最大4割弱を占めること、などが指摘され、食品ロスの削減が温暖化対策に有効であることが示されました。 読者のみなさんも、日本国内で相次ぐ豪雨災害や日本近海での台風の出現など「最近、ちょっと異変が起きているのでは?」と感じていることと思います。日本の豪雨や欧米を襲う熱波などの極端な気象現象は、温暖化が原因である可能性が高く、そのような気象の異常は食料の安全保障や陸地の生態系に悪影響を及ぼします。 人口の急増が止まらない地球において、食料供給システムの能力向上は解決すべき喫緊の課題ですが、これが一方で地球の温暖化を加速する結果にな
さらに同社は、理論値生産の発想を省エネルギー活動に応用した「理論値エナジー」手法を考案。同社浜北工場(浜松市)にある二輪車エンジン用クランクシャフトの加工ラインでは、同手法を適用することで2020年から2022年までの3年間で2019年比約3割の消費電力削減を達成した*。 しかも驚くことに、「新たな省エネ設備や特別な技術は導入していない」(同社生産本部製造技術統括部の松村正也氏)。実施したのは、主に電力の見える化と加工プログラムの修正だけ。「ほとんどコストがかかっていない。やろうと思えば誰にでもできる」(同氏)という。 理論的に正しい姿を目指す「理論値○○」 ヤマハ発動機浜北工場での取り組みを紹介する前に、理論値生産の考え方を説明しておく。理論値生産とは、作業を「価値」と「無価値」に分類し、価値ある作業のみを残した究極の姿、すなわち“理論的に正しい姿=理論値”を目指す取り組み。 例えば、組
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