妖怪雪濃段 2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 【原文】 扨《さて》も、四天王の随一、坂田金平《さかたのきんぴら》、武者修行に立ち出で、此処彼処《こゝかしこ》の国/\を巡りしが、手に立つ者も非《あら》ざれバ、信濃ゝ国の山奥へ心ざし来る。 「きり/\、縕袍《わんばう》を脱いで渡せ/\」 「何だ、俺に酒手を呉《く》れろか。 先《ま》づ、汝《うぬ》らが首から先へ出せ 不届き[?]な野郎だ」 「童《わつぱ》め[わつ始め?]、びくしやくすると、善光《ぜんかう》、飯縄《いゝずな》[線香《せんかう》いらずに?]回り[?]と出るぞ」 「喧《やかま》しい、早く畳《たゝ》んで片付けろ」 【現代語訳】 一方、子四天王[頼光四天王の子]のトップ、坂田金平《さかたのきんぴら》は、武者修行に出て、あちらこちらの国々を巡ったの