従来の経済モデルは根本的に間違っていた 英ケンブリッジ大学のパーサ・ダスグプタ名誉教授による『生物多様性の経済学:ダスグプタ・レビュー』は2021年初めに出版され、論争を巻き起こした。人類は、持続可能な形で世界の総資産構成を集団的に管理するのに失敗したと彼は論じる。 「人類はここ数十年で大きく繁栄したが、そうした繁栄を成し遂げるために、私たちは自然に壊滅的なダメージを与えてきた」 経済学者であるダスグプタは、従来の経済モデルが「資産としての自然」を無視し、人間の活動による生物圏への負の影響を無視してきたことを批判し、こうした態度が後世の繁栄を危うくすると報告書で示している。 ──従来の経済モデルは自然をどのように評価するのでしょうか。 自然は断片的に評価されています。すでに40〜50年の歴史をもつ環境経済学においては、異なる種類の自然資本を評価する試みがなされてきました。浜辺であれ公園であ