振り返れば35年以上と、長年記者稼業をやっている。いまだに取材時はペンとノートでメモをする。メモにはもっぱら万年筆を使う。紙の上を滑るように動かして書けるので気持ちがよいというのが、その理由だ。ただし急いで書くとただでさえ汚い文字がボールペンなどよりさらに分かりにくくなるので、そこは注意しなければならない。 「ジジイだからアナログなんだろう」と言われそうだが、「てやんでい。こちとら中坊のころからパソコン触ってんだ」という元祖デジタルネイティブである。大学時代には既にタッチタイピングができていた。 記者発表会に参加すると、多くの記者がパソコンでメモを取っているのを見かける。別途文字を起こす必要がないので便利、というのは理解できる。特に、会場ですぐに記事を書いてしまいたいという場合には効率もよいのだろう。 一時期筆者もパソコンでメモを取ろうかと試してみたことがあるが、あまり性に合わなかった。入