現在、教育現場では探究学習が推進されているが、子どもたちが身に付けるべき力は、課題の発見・解決力だけではない。中等教育の理数探究を中心に、世界で通用する「研究倫理に対する理解」も求められている。しかし、「研究倫理教育」を実施できている学校はまだまだ多いとは言えない。中等教育における研究倫理教育の現状や課題について、一般財団法人公正研究推進協会(以下、APRIN) 中等教育系分科会のメンバーが解説する。 AIやIoTなどの技術革新と国際化が同時に進む時代となり、自由な発想の下で主体的に創造的な活動をする力を身に付けた人材がますます必要になっている。こうした背景から文部科学省は、各教科等の学びを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に向けて、教科等横断的な学習を推進する方針を示した。 現在、中等教育では、「総合的な探究の時間」 や「理数探究」など、生徒が自ら研鑽を積む探究の時間が設けられ