金門島の中心部。かつては駐留する国軍兵でにぎわった場所だが、最近は中国人観光客だらけだ 台湾の「統一」を狙う中国と、それを阻止したい台湾の水面下の戦いを追うルポ後編! 前編では、中国が台湾に仕掛ける世論工作「認知戦」の実態について取材したが、今回はこの紛争の"最前線"とされる台湾の離島「金門島」を取材した。台湾よりも中国大陸のほうがずっと近いこの島。台湾の政府は無関心、でも中国に占領されるのも本当はイヤだ――そんな切実で複雑な思いを抱えた住民たちがいた! ■平和な島に迫る中国の影台湾(≒中華民国)の国内に、台湾ではない地域があるのをご存じだろうか? それは中国南部の島嶼(とうしょ)部、金門(ジンメン)群島(金門県)と馬祖(マァズゥ)列島(連江[リエンジャン]県)だ。 近年、中国による台湾侵攻の可能性が盛んに報じられている。昨年8月のアメリカのペロシ下院議長の訪台直後には、人民解放軍による恫