関西国際空港と対岸を結ぶ連絡橋に衝突したタンカー=2018年9月4日午後5時57分、本社ヘリから幾島健太郎撮影 開港から30年を迎えた関西国際空港は航空機の騒音対策と24時間運用のため、大阪湾の海上5キロ沖の水深20メートルを埋め立てて造られた。空港島は沈み続けるため、護岸をおおむね20年に1度、かさ上げする必要がある。2018年には台風の高波による浸水で大きな被害を受けた。高波や津波への備えに加え、予測が難しい地球温暖化の影響も加味した防災対策が求められている。 全2回の第1回です。<LCC注力で訪日客需要増 感染症リスクへの対応は>に続く 空港島は、埋め立てた土の重さによって海底の粘土に含まれる水分が絞り出されて沈下する。予測は難しく、埋め立て中に沈下見込みが8メートルから11・5メートルに上振れした影響などで工期が延び、開港は当初予定の1993年3月から1年半遅れた。1期島の埋め立て