ポルトガル、オビドスの家の壁に飾られた黒い陶器のツバメ。ポルトガルではツバメは家族や愛、忠誠の象徴とされている。(Photograph by Zebra0209, Shutterstock) アンドレ・アポリナリオ氏が子どもの頃、鳥の巣のことで両親が言い争いをしたことがあった。ポルトガルのガイアにあったアポリナリオ氏の家の正面には、毎年ツバメが巣を作っていた。家の修繕のため、これを取り去らなければならなくなったのだ。巣を撤去したところ、毎年訪れていたツバメは二度と戻ってこなかった。 現在「テイスト・ポルト」と名づけたグルメツアーを主催しているアポリナリオ氏は、ツバメがもう来ないと気づいた春のことを回想する。 「私が泣きながら『なんで今年はツバメがいないの?』と母に聞くと、母は父に向かって『なぜ巣を壊したのよ?』と叫びました」と氏は語る。「本当に悲しかったです。春はツバメの訪れや子育てと一緒