『星のカービィ』のグラミー受賞を機に考える「ゲーム音楽とジャズの関係」。前回から少し時間が空いてしまいましたが、今回はゲームの原曲としてジャズがどう用いられてきたのか、その経緯を追いながら、歴史的名盤をピックアップして紹介します。 PSG~FM音源時代のゲームジャズ ゲーム音楽において明確にジャズと分かるものが出てくるのは恐らくナムコ『メトロクロス』あたりが最初で、少しずつ増えてくるのはFM音源時代からです。6~8音の同時発音が可能になったことで、複雑なコードを必要とするジャズがようやく射程に入れやすくなってきたのだと考えられますが、同時代のファミコンにも『アイスクライマー』、『エキサイティングビリヤード』、『人間兵器デッドフォックス』といった果敢なチャレンジャーがいたことを考えるなら、そもそもゲーム音楽がさまざまな音楽ジャンルの吸収に余念のない時代だったともいえそうです。 「メトロクロス