いまコンゴについてのシリーズを書いている途中ですが、大変ショッキングなニュースに出会いましたので、それを取り上げます。日本のNHKに相当するカナダの公営放送CBCが製作したドキュメンタリーで「カナダの鉱業会社がアスベスト(石綿)を大量インドに輸出している」ことが報じられました。インドでは、建築資材その他で、未だアスベストの使用が禁じられておらず、その発癌危険性が十分に認識されていないために、現場でアスベストを扱う労働者たちも、ただ埃よけの簡単なマスクや布で顔を覆っただけで、平気でアスベストの粉塵の中で働いているところもテレビに映りました。 アスベストが中皮腫(体内の皮膜に生ずる腫瘍)や肺がんを起こすことは先進工業国では1950年代から広く知られるようになり、日本でも1970年代には政府もアスベストの発癌危険性について警告を発するようになりましたが、問題の深刻さを人々がはっきり認識するきっ