特殊詐欺が増加傾向にある。新型コロナ禍の行動制限緩和で動きやすくなったことと関連するようだ。 警察庁集計(暫定)によると今年上半期(1~6月)の認知件数は9464件(昨年同期比25・9%増)、被害額は193億円(同26・8%増)だった。 上半期の前年超えは2年連続で、年間被害も令和3年を底に増加に転じている。被害は下半期が多いが、今年上半期は昨年下半期に迫る勢いだ。 今年上半期の悪化は架空料金請求詐欺の増加が原因だ。昨年同期の倍以上の2549件が確認され、被害額も68億8千万円と全手口で最多だった。 半数近くが「パソコンがウイルスに感染した」などと偽り、復旧名目で料金を請求する「サポート詐欺」だ。コンビニで電子マネーカードを購入させ、画像を送らせて金銭情報を騙(だま)し取る事例が6割を超えた。 被害者は一定のITリテラシーがある層だ。家族になりすますオレオレ詐欺や、医療費や保険料の過払い金