NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ河出書房新社Amazonこの『NEXUS』は、ホモ・サピエンスが世界を支配しているのは、特別に賢いからではなく「虚構」を操作し大勢で柔軟に協力できる唯一の種であると示した人類史本『サピエンス全史』で一躍有名になったユヴァル・ノア・ハラリの六年ぶりの大作ノンフィクションだ。今回のテーマは、副題にも入っているように「情報」になる(メインのNEXUSはつながりとか絆を意味する単語だが、その意味はのちにわかる)。 われわれはDNAからブラックホールまで、あらゆるものについて膨大な情報を獲得し、積み上げてきたにもかかわらずどうして世はこんなにもままならないのか? いまだに戦争も貧困も根絶することはできない。長期的にみたら世界は平和になっていることも示されているが、少なくとも短期的には著しい落ち込みを示すこともある。 私たち