介護業界というとアナログな仕事が多く、人手不足から長時間労働が常態化しているといったイメージを持つ人も多いだろう。これは見方を変えると、デジタル化による効果が出やすい業界とも言える。 だが、デジタル化の先のデジタルトランスフォーメーション(DX)をイメージできる企業はそう多くはない。ここに斬り込むのがヤマシタだ。同社は今、在宅介護テック業界のプラットフォーマーを目指して大胆なDXを推進している。 ヤマシタは1963年創業の老舗企業で、福祉用具レンタル・販売事業やリネンサプライ事業を展開している。全国に75を超える拠点を持ち、2400人超の従業員を抱える業界大手企業の一つだ。山下和洋社長は、先代の急逝で2013年に現職に就いた。「最初は経営環境のあまりのアナログさに面食らいました」と、山下氏は当時を振り返る。 山下氏は10年をかけて経営改革を進めてきた。社内の意識改革に取り組み、ITを活用し