調査に対し頑なに口を閉ざした歌舞伎町の若者たち 第2波が直撃した2020年夏の新宿で、新型コロナウイルスに感染した患者やクラスター(集団感染)として報告が上がってきた中に、明らかにホスト特有の外見をした若者たちがいた。だが、彼らは調査に対し、肝心なことを何も明らかにしなかった。すなわち、職業を明かさず「無職です」と言い張り、歌舞伎町で働いていることも頑として認めなかった。自身の接触者についても「言いたくありません」と頑なに口を閉ざしたのだった。 対応に困ったのは、新型コロナウイルス対策の最前線で感染経路を追う新宿区の保健師たちだ。これでは調査は立ち行かなくなるとの声が上層部にまで上がってきた。これは多くの保健所関係者が認めるところだが、新宿保健所は、管区には国立国際医療研究センター病院があり、かつ長年HIVなどの感染症対策にも取り組んできた、感染症対策の経験を長年にわたって積み上げてきた保