問題意識がだいぶ共通するし、読んでいて共感できる内容だった。ただ、ビデオゲームの物語を取り巻く問題はそんなに簡単じゃないと思う(ここからの話(1-5)はここで紹介する論文に対してというよりは、2000年代の物語に関する論文全体に対する愚痴)。 ゲームは物語か否かという問いはあまり意味がない。 その答えは物語の定義や作品に依存するし、何よりビデオゲームの何が、どのような点で物語なのかor物語でないか見えてこない。 ①ビデオゲームで何らかのストーリーが語られることと、②ビデオゲームの出来事や経験が物語として理解されることは、分けて論じられるべきである。 特に②を論じようとすると、さまざまなレベルの話がごっちゃになる危険性がある(そうなっている)。ビデオゲームをインタラクティブな物語、あるいは創発的な物語として考える論者は、①の意味でのゲームの物語を②の視点から擁護しようとするが、結果として①と