新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、 大学の今を自由な立場で綴っていきます。 名古屋大学東山キャンパスの南端、山手グリーンロード沿いに、木立に囲まれて大学らしからぬたたずまいを見せているのが名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリである。昨年11月に開館した。その名の通り、ジェンダー関係の書物を集め、研究や交流の拠点となることをめざしている。目玉の一つは、女性史研究のパイオニアである水田珠枝・名古屋経済大学名誉教授の蔵書約7000冊を収める「水田珠枝文庫」である。多くの人に利用してもらいたいとの思いから寄贈されたものだが、他ならぬ水田さん自身がこのところ通って来ている。現在、新しい本の原稿を執筆しており、そのための資料としてライブラリに収めた本が必要になったという。 名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリの1階にはカフェもあり、にぎわいを見せている。