アレグザンダー・ウィーロック・セイヤー(Alexander Wheelock Thayer, 1817年10月22日 マサチューセッツ州ネイティック南部 – 1897年7月15日 トリエステ)は、アメリカ合衆国の司書・ジャーナリスト。史料研究に基づきベートーヴェンの学術的な伝記を最初に執筆した作家として、今なお音楽史上に燦然たる名を残しており、時にアメリカ合衆国における音楽学の事実上の始祖と看做されている。セイヤーのベートーヴェン伝は、その内容の正確さや信頼性から、発表から幾歳月を重ねた現在も、ベートーヴェンに関する基礎資料として言及されている。 生涯[編集] ハーヴァード大学ロースクールの司書であったが、アントン・シントラー(ベートーヴェンのもと筆耕)によるベートーヴェン伝(1840年発表)の数々の矛盾点に気付く(ベートーヴェン研究家が、シントラーの作り話や、信頼感のなさを積極的に指摘す