なかば神格化された犯罪者だった男が、馬鹿げた内容の文章を書くことによって馬脚をあらわした。神戸連続児童殺傷事件、いわゆる酒鬼薔薇事件の加害男性が発表した手記からはそのような印象を受ける。 この手記の公表は、男に親近感を持っていた少年少女を幻滅させるものであり、社会にとってかえって好ましい結果をもたらすものだと考える。 この手記が馬鹿げていると思う理由のひとつは、今回の手記で発表された新しい情報は、これまで「殺人に性欲を感じる快楽殺人鬼」と思われていた男のイメージを、さらに悪い方向へ変えてしまうものであるということだ。 かつて男は殺人の際に射精したことがセンセーショナルに報じられていた。私はずっと彼が殺人のみをマスターベーションの際に想像しているものと考えていた。それは不気味なものであったが、そうしたエログロに魅了される少年少女たちもいたはずだ。 ところが今回の手記で発表されたのはそうしたイ