本来のトヨタ生産方式を説くために始めた「本流トヨタ方式」の本コラムは佳境に入り、「ジャストインタイム」に並ぶ2本柱の1つである「自働化」の話に入って今回は13回目になります。 前回は、トヨタでは自動車生産の最終工程である組み立てラインを品質保証の決め手とするために、「異常があったらラインを止めて直し、次工程に渡さない」という生産体制を作り上げたという話をしました。 これは、豊田佐吉翁が発明したG型自動織機の「機械の自働化」に対比して、「作業者集団に対する自働化」という意味を込めて「もう1つの自働化」(通称「呼び出し紐方式」)とも呼ばれます。 さて、前回は乗用車組み立てラインが舞台でしたが、今回はもっと一般的な「作業指示のやり方」についてお話しします。 ゴムホースの差し込み方は人によって様々 以下の写真は、エンジンと車体をつなぐゴムホースの模型です。直径10ミリ、長さ125ミリのゴムホースで