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ブックマーク / yosyan.hatenablog.com (25)

  • 新型インフルエンザワクチンみたいなコント - 新小児科医のつぶやき

    ■第1部:前大臣編 厚労官僚:「新型接種の事務手続きを早急に進める必要があります」 厚労大臣:「わかった、オールジャポンで10月下旬からスタートだ!」 厚労官僚:「数が足りないので接種者を限定する必要があります」 厚労大臣:「足りないなら、外国から買って来い!!」 厚労官僚:「海外メーカーは免責を条件にしていますが?」 厚労大臣:「オールジャポンで総選挙後に考える!!!」 ■第2部:総選挙後 厚労官僚A:「自民が下野しちまったよ」 厚労官僚B:「新内閣成立には、まだ3週間ぐらいありまっせ」 厚労官僚A:「新大臣が誰かもわからないし、今の大臣では何も決められないしな・・・」 厚労官僚B:「何も動かなかったらまた批判されまっせ」 厚労官僚A:「それもそうだ。優先接種者の案をパブコメ募集にした上で、『案』の説明だけはやっておこう」 厚労官僚B:「なるほど、パブコメなら時間稼ぎになりますし、『案』

    新型インフルエンザワクチンみたいなコント - 新小児科医のつぶやき
  • 朝日の捏造ではなく誤報記事 - 新小児科医のつぶやき

    元記事のURLは、 http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000904130005 これなんですが、既に消去されており「お探しの記事はみつかりませんでした。」しか読むことができません。また魚拓を探して見ても4/14付記事で、 2日付の連載「医師不足の現場から 下」の記事には事実誤認があるなど、取材、紙面化の過程に問題があったことが分かりました。研修医の河津英里さんに関する記述については削除します。河津さんや宮崎大学などの関係者の方々にご迷惑をおかけしたことをおわびします。宮崎総局は、報道にかかわる人権侵害を救済するための朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」(PRC)にこの問題の解決を求めて、申し立てを行うことにしました。結果については、後日、紙面でご報告します。 これだけしかなく、現在はこれも削除されています。朝日新聞

    朝日の捏造ではなく誤報記事 - 新小児科医のつぶやき
    rajendra
    rajendra 2009/07/14
    仮にもクオリティペーパーを名乗るなら、こういう「お手盛り」はあかんわな。
  • 奈良産科医時間外訴訟判決文・前編 - 新小児科医のつぶやき

    正式には平成18(行ウ)第16号 時間外手当等請求事件と言い、平成21年04月22日 奈良地方裁判所で判決が下され、現在二審で係争中になっています。有名な判決ですが、判決のキモの部分をピックアップして解説してみます。訴訟の争点は 宿日直勤務が時間外勤務にあたるか 宅直勤務が時間外に当たるかこの2つで争われています。結果は皆様御存知の通りの1勝1敗なんですが、1勝分だけでも偉大な勝利とされています。今日は宿日直勤務の分だけ解説します。なお後編は未定ですので御了解下さい。 ■原告医師の主張 勤務時間規則7条1項3号 は,労働基準法41条3号に違反し無効である。 同号は,「監視又は継続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を得たもの」につき,労働時間や休日に関する労働基準法の適用を除外すると規定している。この「監視又は断続的労働に従事する者」について,監視労働とは一定部署にあって監視するの

    奈良産科医時間外訴訟判決文・前編 - 新小児科医のつぶやき
  • 愚挙を称える暴挙 - 新小児科医のつぶやき

    まだ調子が良くないのでほんの軽くだけ、 人は見たいと思う現実しか見ない(ガイウス・ユリウス・カエサル著・内乱記より) 私もカエサルではありませんから、この言葉が指摘する人になりますが、そんな人間でも普通は見える事があります。3/23付読売新聞より、 女性ランナー輝いた…妊婦さん完走、赤ちゃんも頑張った 3万5000人が都心を駆け抜けた「東京マラソン」。マラソン人気の高まりとともに、女性ランナーも急増している。妊娠7か月の妊婦、発達障害の息子を抱えた母、81歳のおばあちゃん――。風と雨に見舞われた22日、多くの女性もまた、それぞれの思いを胸にゴールを目指した。 出産を今年7月に控えながら、完走を果たした岡田綾乃さん(36)(東京都練馬区)。3年目でようやく出場権を得て、医師と相談して「無理をしない」という条件でスタートした。 途中、おなかが張ることもあったが、沿道では常に、夫の茂樹さん(37

    愚挙を称える暴挙 - 新小児科医のつぶやき
    rajendra
    rajendra 2009/03/25
    当人がいくらやりたがっていようが、我々の社会にとってもはや非常に貴重なリソースとなってしまった医療資源を浪費しかねない行為については、自重を望む声が社会から出てくるのは当然だろうね。素人の雪山登山。
  • 雷怖い - 新小児科医のつぶやき

    サッカー落雷判決の要旨が9/18神戸新聞朝刊にあったので手打ちで引用します。 【高校と教諭の注意義務違反】 教育活動の一貫として行なわれるクラブ活動では、生徒は担当教諭の指導に従って行動するので、教諭は事故の危険性を予見し、未然に防止する措置を取り、生徒を保護すべき注意義務を負う。 落雷の死傷事故は1993-95年に全国で毎年5-11件発生し、3-6人が死亡している。また96年までに落雷事故予防の文献上の記載が多く存在していた。 試合開始直前には運動広場の南西の上空に暗雲が立ち込め、雷鳴が聞こえ、雲の間で放電が目撃されていた。サッカー部の引率者兼監督の教諭は落雷事故発生の危険が迫っていることを具体的に予見することが可能で、注意義務を怠った。 【事故の回避可能性】 運動広場ではコンクリート製柱を中心とする半径8メートルの円内で、かつ柱から2メートル程度以上離れた部分が避雷のための保護範囲とな

    雷怖い - 新小児科医のつぶやき
    rajendra
    rajendra 2008/09/23
    コメント欄の情報によると学校の対応が訴訟に踏み切らせたようだが、だったら落雷事故関係ないじゃない。
  • 研修医をもてあそぶな - 新小児科医のつぶやき

    20074/4付共同通信記事からです 日医師会(日医)の唐沢祥人会長は4日午後、柳沢伯夫厚生労働相と厚労省内で会い、深刻化している医師の不足や偏在に関し、研修終了後の新人医師が、医師の少ない地域や小児科、産科で勤務するシステムを行政と連携して構築することを提案した。 唐沢氏は「医師は毎年3000−4000人増えるが、どうしても専門分野、地域が偏る」と説明。その上で「臨床研修を終えたばかりの若い医師はまだ一人前ではない。もっと全般的な医療について勉強してもらいたい」と述べ、若い医師にとっても研修の機会になるとの考えを示した。 日医の地域医療対策委員会は3月に、医師の不足している地域での「勤務の義務化を考慮する」とした中間報告書を公表しているが、唐沢氏は会談後、記者団に対し「意欲をもって行ってもらえる評価システムが望ましく、義務化の制度をつくってほしいということまでは言っていない」と述べた。

    研修医をもてあそぶな - 新小児科医のつぶやき
  • 2007-03-06

    衝撃の春人事が表面化するまでカウントダウン状態ですし、今となってはややピント外れになるかもしれないお話です。医師の労働条件の劣悪さはもう書かなくても良いとは思いますし、ひどい所からは未練なく「逃散」という言葉も周知のものになっています。ただ逃散と言っても出来たらしたくない医師もたくさんいるでしょうし、出来ない事情がある医師もいるかと思います。とは言え、逃げられないから激務を受容するのも堪忍してくれの音もあるかと思います。 居残ると言う前提で労働環境を少しでもマシなものにするために、異動に伴う契約をきっちり交わすと言うのは、やれる医師は考えても良い方策だと思います。今は変わっている部分もあるかと思いますが、医師が異動で病院に赴任しても契約内容一つロクに確認していないのはありふれたものだと思います。ある程度事前の情報があるにせよ、給料がこれぐらいで、当直回数がこれぐらいで、救急担当が何回ぐら

    2007-03-06
  • 2007-03-01

    昨日はいつもと違う趣のエントリーに御協力頂き有難うございました。お蔭で病患者の動物園の御評価まで賜りましたが、意義のあるエントリーだったと考えています。ネットとは言え理解し、支えてくれる人間がいる事を知ってもらえれば、ささやかでも治療の手助けになると信じています。しかし病とまでは行かないものの、抑状態の経験者があまりに多いのには驚かされました。 抑状態の原因は誰が考えても激務です。これは医師に限らずどの職種でも基的に当てはまります。激務以外の個人的な要因もあるでしょうが、激務が大きな部分である事を否定する人間は少ないかと思います。激務の元は言うまでも無く仕事量の多さと、それ故の長時間労働なのもまた周知の事です。仕事量の多さは需要と供給の関係で決まります。現在の医療は患者からの要求が医師が出来る範囲を恒常的に大きく上回っています。そういう状態が日常化し、疲弊から抑状態に導かれてい

    2007-03-01
  • 救急医療の基礎知識 その4 - 新小児科医のつぶやき

    読まれている方には快刀乱麻で医療を斬るみたいな内容でなくておもしろくないかもしれませんが、個人的には妙に執着しているシリーズです。基礎編がどこまで続くか見ものですが、今日も続きます。 皆様からの貴重な情報提供から救急医療が法的に整備された時代の状況がかなり分かってきました。また私が最初に考えていた事に事実誤認があったことも分かってきました。まずその辺の整理から、 1964年に作られた救急病院を定める省令の中で謳われている救急病院の指定を受ける4条件をもう一度挙げます。 救急医療について相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事していること。 エツクス線装置、心電計、輸血及び輸液のための設備その他救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。 救急隊による傷病者の搬送に容易な場所に所在し、かつ、傷病者の搬入に適した構造設備を有すること。 救急医療を要する傷病者のための専用病床又は当

    救急医療の基礎知識 その4 - 新小児科医のつぶやき
  • 救急医療の基礎知識 その3 - 新小児科医のつぶやき

    救急医療の問題は書き出した頃からゴールをおおよそ決めてあるのですが、通行人さまからの貴重な情報提供があり、基礎知識で今日も足踏みしています。ただこの足踏みは不快な足踏みではなく、むしろ救急問題の一番の根っ子をほじくっている印象なんです。それとこういうスノブ的なムックは大好きでして、読めれている方には興味がもう一つかもしれませんが、個人的には嬉々として書いています。 まず昨日までのサマリです。 救急隊の始まりは火事や自然災害などに消防隊が出動した時に、そこで発生している傷病者を搬送するために生まれたらしい。 救急隊は相当早期から災害による事故以外での急病人の搬送も行なっていたらしい。 1960年代になり交通事故が激増し「交通戦争」として社会問題化し、救急隊の必要性、需要は非常に高まったようです。 当時の法律では救急隊の定義に明確なものは無く、現状を追認し、整備拡張を行うために法令の整備が行わ

    救急医療の基礎知識 その3 - 新小児科医のつぶやき
  • 今時の若い者は・・・ - 新小児科医のつぶやき

    まだまだ世間は正月休みの余韻が十分残っているようで、まだお屠蘇気分が私も抜けていないので、少しだけ広いお話を。 「今時の若い者は・・・」が出てくると故老の証拠なんですが、出てくるときにはひとつの原則があるように思います。この言葉は文明なり文化が進んで社会が豊かになるときに頻用される気がします。社会が豊かになる時は前世代より次世代の方が豊かで便利になっています。前世代のほうが厳しい環境で仕事を覚え、働いていますので、次世代がもっと豊かな環境、少なくとも前世代では考えられないような環境で発育して、前世代より安楽に次世代が育っているのを見ての感想のような気がするのです。だから世代が下るにつれて厳しくなる環境ではあまり出ないセリフのような気がしています。厳しくなっている環境で出てくるセリフは「今の子は大変やな〜」です。つまり前世代の時にはそこまでの要求がなされなかったのにとの感想です。 社会とまで

    今時の若い者は・・・ - 新小児科医のつぶやき
    rajendra
    rajendra 2007/01/05
    若い世代に眉をひそめるのは業界が成長・発達している証拠であると言う話。確かにそんな気がする。
  • 今年のキーワードは難民 - 新小児科医のつぶやき

    昨日はブログ開きと言いながら、春のドミノの焼き直しになってしまったので、仕切りなおしに新年の展望を書いてみます。できるだけ脇道に入らないようにしますが、どうしてももつれ込みそうになるのでその時はご容赦ください。列挙しながらできるだけ簡単に解説を入れます。 お産難民の顕在化 昨年は憂慮危惧段階でした。心ある産科医師は繰り返しくどいぐらいこの危機を去年訴えています。その声に対して具体的な対策はほぼゼロでした。逆に産科消滅を加速させる事はこれでもかと出現しましたので、今年は間違い無く臨界点を越える地域が続出すると予測します。 日中どこで起こっても困る事なんですが、注目しているのは神奈川の情勢です。ここの産科事情の厳しさは周知の通りなんですが、ここが崩壊すれば東京に波及します。一方で東京の内情も実は厳しいものである事も判明していますので、神奈川から押し寄せるお産難民を吸収できるかと言われれば疑問

    今年のキーワードは難民 - 新小児科医のつぶやき
  • 増税論議 - 新小児科医のつぶやき

    誰が悪いかの責任論を展開したいぐらいですが、政府には天文学的な財政赤字があります。これをなんとかしなければならないのは誰でも分かります。宝くじでも当たって一挙に雲霧消散なんて事は国家ではありえないので、入ってくる収入で返済しなければなりません。収入とは歳入≒税収になります。現在の収入でも地道に返還すれば何年か後に目途がつくようなものであれば良いのですが、借金の額は聞いただけで天文学的です。 900兆円に近づく借金を一般会計80兆円程度で返済しようと聞くだけで絶望感に浸りますし、特別会計は何とかならんかと考えますが、どうにもこうにも聖域中の聖域らしく、借金返済の元手は一般会計で行なう建前は変わり様が無いようです。 借金を少しでも楽に返済しようと思えば税収を増やす事です。借金返済の元手が増えればそれだけラクになると言う理屈です。そこで税収アップの方策で政府部内に微妙な路線対立があるようです。も

    増税論議 - 新小児科医のつぶやき
    rajendra
    rajendra 2006/12/26
    コメント欄の「クレクレ国民」に笑った。
  • メリークリスマス - 新小児科医のつぶやき

    時々ある質問に「医療危機の原因はなんですか」てなものがあります。こういう質問をされる方は医療にはどうもそれなりに問題がありそうで、それも医療が崩壊するなんて事も聞いたことがある程度の知識の方に多いです。質問者の意図として問題があるなら原因を究明し、原因を解決すれば危機は去るという考えかと思います。問題解決の筋道としては正しいもので、医者ならそれを知っているだろうというのも変な発想ではありません。 私も2月ぐらいからこの危機の原因をあれこれ考えてきました。考え方は基的に一緒で危機があるなら原因を見つけ出し、原因の解決の方法を摸索しようと思ったからです。ところが考えてみると頗る付きの難題である事が分かります。いくつか目に付く事、思いつくことがあるのですが、一つの問題を煮詰めると新たな問題点が絡んでくると言う具合です。 たとえばわりとよく挙げられる物に新研修医制度があります。確かにこの問題は大

    メリークリスマス - 新小児科医のつぶやき
    rajendra
    rajendra 2006/12/25
    首肯できる。>患者が期待するほど医者ないし医学が病気を治せれば問題は小さくなるのですが、実際は患者が期待するほどには医学は病気を治せません。そこでのギャップが医療訴訟の温床になっていると考えます。
  • 往復切符 - 新小児科医のつぶやき

    この話はNylon先生のブログから触発を受けて、向こうのブログで論議したもののエントリーです。Nylon先生は医療問題を独特の切り口で考えておられて、時々ハッとさせられるような意見を楽しませてもらっているのですが、今回も考えなければならない問題提起をされています。 地方僻地の医師不足問題は深刻さを増しています。地方僻地からなぜ医師がいなくなるのかの原因はあちこちで盛んに論じられていますし、原因についても納得できる話が出揃っています。各所の議論については極論や暴論もあるにせよ、概ね同意しますし、実情として理解しています。 ただ医師としては地方僻地といえども来はなんとかカバーするべきものであると考えます。「地方僻地からは医師は総撤退し、都市部のみで医師は医療を行なうべきだ」までの考えの方はまだ少数派だと思っています。少なくとも誰かが赴任してカバーすべきだの考えは十分残っていると信じています。

    往復切符 - 新小児科医のつぶやき
  • 2006-12-07

    のじぎく県と揶揄されている当県の医療事情を憂慮しています。当県は瀬戸内海から日海まで広がり、面積も広大なんですが、ここに日の医療崩壊の縮図が描かれつつあると語られています。知る範囲の知識で解説してみたいと思います。 当県の医療だけではない脆弱部は北部である但馬地方にあります。ここは面積こそ広いものの、人口は少なく、山地に覆われて交通の便が悪いところです。そのうえ冬には雪が降り積もります。但馬の医療構図を単純に描くと北部は公立豊岡病院が中心となり、南部は公立八鹿病院が中心となる構図です。この二つの病院が拠点病院となり、各地に点在する他の公立病院とネットワークを組んでいるような体制です。 ところが地方僻地からの医師の逃散が真っ先に起こった但馬では、まずサテライトの病院がまともに機能しなくなります。そのため拠点病院に負担がかかるのですが、南の拠点病院である公立八鹿病院が既に機能不全に陥りつつ

    2006-12-07
  • 思いつきですが・・・ - 新小児科医のつぶやき

    医療危機の問題の中に医療訴訟があります。危機は医療訴訟だけが問題なのではありませんが、医療訴訟も大きな問題の一つである事は間違いありません。医師の頭上に垂れ込める暗雲のように広がり、ヒシヒシと重圧をかけています。医療訴訟対策はモトケンさんのところで熱心に論じられています。私もROMして流れについていくのがやっとですが、論議の質は知る限りもっとも高いと思います。ここで話されている内容は正論として非常に重要なものだと考えています。 私が後追いしてこのブログで2番煎じをするのは、パワーの分散になるので出来るだけ避け様としているのはご存知の通りです。とは言え医療訴訟問題のすべてをパスしては、うちのブログもネタに困りますから、微妙にスタンスを変えながら話を紡いでいるところです。 医療訴訟で医者が何が困るかと言えば、 訴訟を起されただけで精神的ショックが多大である。 業務を中断して訴訟に関わらないとい

    思いつきですが・・・ - 新小児科医のつぶやき
  • 震撼 - 新小児科医のつぶやき

    奈良事件は幾つか医者が震撼した要素があります。 まずシステム的には周産期高次救急への搬送システムが破綻寸前であること。この事件が特異例か、氷山の一角かが問題になりますが、その後の情報により、奈良が周産期医療で手薄な事は有名でしたが、奈良だけではなく首都圏でもいつ同様の事件が発生しても不思議でない素地がわかりました。関西でも和歌山→加古川、三重→神戸なんて母体搬送例があり、整備が進んでいると言われる大阪をスルーして長距離母体搬送が行われる事を関係者は証言しています。 搬送元の病院の責任問題。これが当初焦点を当てられたので、私も情報を集めて分析しましたが、病院側の対応の拙さがあったにしても、これだけ叩かれる事に恐怖を抱きました。もちろん真相はまだ確定していませんが、ネット時代でなければマスコミの一方的な報道で、搬送元の産科医は誰疑う事の無い極悪医者になっていたでしょう。 上の2つだけでも十分震

    震撼 - 新小児科医のつぶやき
  • 実話の裏付け - 新小児科医のつぶやき

    m's blogを主催されている管理人様から首都圏の周産期医療の危機を象徴するコメントを頂いた事があります。再掲させて頂きます。 私が知っている医者から直接聞いた話です。 昨年の今頃、緊急帝王切開の妊婦さんが群馬か栃木 (どちらだったかは残念ながら記憶にありません) からヘリで山梨の県立中央病院に搬送されるということがありました。たしか平日の午後のことだったと思いますが、胎児がNICU管理する必要がある帝王切開で、その県の施設が満床で対応できずに搬送先を探したそうです。関東地方の他の都県、埼玉・千葉・東京・神奈川などの施設をあちこちコンタクトをとったものの全て断られ、甲府まで長距離ヘリで搬送されることとなりました。 休日とか時間外ならともかく、平日の昼間に都内や神奈川の施設を全部断られるとは、とびっくりしたのを覚えています。 あの時はいくつか厳しい実例を頂いていたのですが、このコメントだけ

    実話の裏付け - 新小児科医のつぶやき
  • 綱渡り - 新小児科医のつぶやき

    手抜きと思われるのは致しかたありませんが、コメントに頂いたお話が実話とすると鳥肌が立つようなものばかりです。エントリーに再掲する価値があると思います。一部抜粋にさせて頂いております、原文は昨日のコメント欄にあります。 まずは勤務医様。chaimd様から頂いた東京の小児救急事情を読まれての感想です。 小児科の診療に関するコメントを拝見し、絶句しました。山手線を取り囲むように一部世田谷区を含んで全滅状態ですね。ここに挙がった病院は比較的設立されたのが新しく 急速に増加する周辺人口に対応した地域医療の切り札として鳴り物入りだった記憶があります。どうやら地域住民の要望に答えきれなくなってるようです。 特に東京の西部地区の病院に顕著ですが、ここに夜間小児が受診出来なかったら一体どこにかかるのでしょうか。こういったベッドタウンは昼間こそ都心へ電車で小1時間でアクセス可能で買い物や通勤に便利な点が人気な

    綱渡り - 新小児科医のつぶやき