「上から(人工物を)挿したように見える」。東京大地震研などの調査団による活断層誤認が発覚したのは、2月の一般公開で現場を訪れた人が、近くにいたボランティアに伝えた一言がきっかけだったという。 現場は最近まで大手自動車会社の工場があった空き地で、“活断層”は、コンクリート製のくいだった可能性もある。 責任者の佐藤比呂志教授は「掘って埋めたものなら分かるが、土木工事の経験がないため、上から(物を)挿入した可能性は考えなかった」と釈明する。 ただ、過去に工場だった現場は、人工的な掘削や整地などを受けており、もともとの地層が見えにくい。慎重な観察が必要だったのに、佐藤氏が現場を訪れたのは3回にすぎなかった。 指摘を受けた佐藤氏は、試掘溝の底をさらに2~3メートル掘り下げて再調査。断層と判断していた地層のずれや石の動きなどの特徴がみられなくなることを確認した。既に報道で「活断層」と伝えられており「後