不当な差別に対する闘いと、「差別的言辞」の追放を混同する、末端過敏症とでも言うべき感傷性に対して、私は一貫して嫌悪を感じつつも、無視するのが一番と思ってきた。だから「その言葉は人を傷つけるから使うな」と言われても、たいていあまり反論もせず、適当な妥協をする事にしている。しかしこの度は、わざわざコメントを寄せていただいた方が、拙著をご購入いただいたという御恩もあるので、全面的に納得いただくのは無理としても、いささか補助的な説明を加えることにした。少々くどくなるかもしれないが、やむを得ない。 どのような言葉に関しても、それをどう使用しても不当であるようなものがあるとは、考えない。確かに、私自身が嫌悪するような言葉とか言い回しというものも、ないわけではない。たとえば、「ふれあい」とか「ぬくもり」とか「自己批判」とか、あるいは「わたし的には…」といったものである。しかしもちろん、このような言葉を使
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