2040年までに世界の新車販売を全てEVとFCVにすると発表したホンダの三部敏宏社長=東京都港区で2021年4月23日、杉山雄飛撮影 2040年までに世界で新車販売をすべてEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)にする――。4月に就任したばかりのホンダの三部敏宏社長が公表した「脱ガソリン」方針は大きなサプライズだった。ハイブリッド(HV)を主力とするトヨタ自動車を筆頭に、日本メーカーはこれまで「脱ガソリン」に慎重で、これに呼応して日本政府もHVの新車販売を長く容認する方針だからだ。これを飛び越えるホンダの跳躍。今思い返すと5カ月前、ホンダが「エンジンを捨てる日」の予兆があったように思う。【毎日新聞経済部・松岡大地】 脱ガソリンに慎重…トヨタの「正論」 ホンダの跳躍の大きさを理解するために、まず「脱ガソリン」を巡る国内の情勢を振り返っておきたい。 地球温暖化対策を強化する世界的な要請を受け、