あらためて、「汚染水」はなぜ発生するの? 東日本大震災にともなって発生した福島第一原発の事故では、水素爆発が起こり、原子炉内の燃料が溶け落ちてしまいました。今もなおこの原子炉内部に残る、溶けて固まった燃料は、「燃料デブリ」と呼ばれます。 この燃料デブリは常に水をかけて冷却状態を継続していますが、これにより、核燃料に触れることで高い濃度の放射性物質を含んだ一定量の水が生じています。これが、いわゆる「汚染水」です。 まず重要なことは、この汚染水が建屋の外に流れ出すことを防ぐことです。そこで、建屋の中に滞留する汚染水の水位を、建屋周辺の地下水の水位よりも低くし(内外水位差)、その状態を保つことで、汚染水が建屋外に流出することを防いでいます。ただしその結果、建屋周辺の地下水は水位の低いほう、つまり建屋内に流れ込むことになり、屋根の破損した部分などから流入する雨水とともに、汚染水と混ざりあって、新た