二年前、テレビのバラエティ番組を見ていると、北海道、礼文島の三井観光ホテルの横に住むおばあさんの事が紹介されていた。おばあさんは、海で拾ってきた貝でストラップを作り、家の二階の窓から観光客を見かけると、「これを持っていきなさい」とストラップを投げ渡しているそうだ。 この話を知って、日本にもこんな人がいるのだと嬉しくなった。東南アジア等を旅行すると、現地の人の、私達への「働きかけ」の度合いに、カルチャーショックを受ける。乗り物に乗り合わせただけなのに、積極的に話しかけてくれたり、お菓子や果物をくれたり、何らかのコミュニケーションを取って、楽しもうとしている。その場で仲良くなって、行き先まで付いてきて案内してくれる事だってある。この人は、最初はどこに行こうとしていたのだろうと不思議に思う事がある。 日本とは大違いだ。日本では、どこに行くか、誰と会うか、予め決まっていて、移動中に出会う人々とは基