「赤毛のアン」はカナダの文化遺産なので商標登録できないと知財高裁が判断したという記事。商標法でも特許法でも意匠法でもそうなのですが、産業財産権法の審査では、登録できない理由(拒絶理由)というのが法律上で明確に定められており、それ以外の理由(審査官の心証等)で拒絶にすることはできません。特許法で言えば、新規性なしとか進歩性なしというのが典型的な拒絶理由です。 商標法には、公序良俗に反する商標は商標登録を受けられないという旨の規定があります(4条1項7号)。公序良俗違反とは言っても、卑猥な商標のことだけを言っているのではなく、かなり範囲が広い運用になっています。たとえば、「株式会社xxx」という商標を個人が出願すると、公序良俗違反ということで拒絶されます。 今回の「赤毛のアン」も、著作物に直接関係ない者の商標として登録することは、日本とカナダの国際信義に反するので、公序良俗違反と判断されたよう