出典:日経ものづくり 2009年9月号 pp.82-83 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります) 金型の中心,成形品の反転形状が彫り込まれた部分が,あおむけに置かれている。それを熟練技術者がのぞき込み,表面にフィルムを当て,曲面に合わせて切り込みを入れながら,丁寧に張り付けていく。シボの加工を手掛ける工場の光景だ。 張ったフィルムに描いてあるパターンに応じた凹凸が,エッチングによって金型表面に刻まれる。さらに,金型から成形品の表面に転写され,シボ付きの製品になる。この過程を,CAD/CAMのようなデジタル技術と切削加工で何とか処理できないか,というアイデアがある。 シボの形状は,成形品全体の形状よりはるかに微細なため,デジタル技術で加工するのは非現実的だと思われていた。しかし数年前に,細かい凹凸形状データを作成できる3次元ソフトが利用可能になり,「外堀」が埋まっ
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