ロバート・G・リー『オリエンタルズ―大衆文化のなかのアジア系アメリカ人』 去年の夏に1回引用したが、引用文がジェンダー・ジャーゴンに満ちていた内容だったので、かなりアレ的にとられてしまったかもしれない。兎も角、断片すぎて本自体の面白さにはまったく言及してないので、改めて再登場。 「フー・マンチューは最初に大衆に認知されたオリエンタルであり、極悪非道の原型となった」*1という著者は、差別の根源は、肌の色や文化といった人種そのものではなく、社会共同体のコンセンサスが大きく作用しているとして、アジア系アメリカ人への差別・人種イデオロギーが大衆の中でいかにして醸成していったのか、移民がはじまった19世紀から昨今のロス暴動に至るまでを、俗謡や雑誌・小説や映画といった大衆娯楽に表出されてきた事柄を追った内容である。 以前書いた通り、法的にも経済的にも「自由」労働者としてアメリカへ渡航した中国人たちは、
![2008-03-15](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)